E03989 Japan GAAP
前期
60.6億 円
前期比
122.7%
株価
795 (04/26)
発行済株式数
10,789,800
EPS(実績)
70.93 円
PER(実績)
11.21 倍
前期
642.5万 円
前期比
102.8%
平均年齢(勤続年数)
48.0歳(12.5年)
従業員数
34人
当社及び子会社2社(2023年5月31日現在)においては、開発事業、建築事業、不動産販売事業、その他事業の4部門に関係する事業を主として行っております。
各事業における当社の位置付け等は次のとおりであります。
(1) 開発事業
2023年に入ってからの現在の世界経済を俯瞰すると「インフレ時代に突入した」「超低金利時代は終わった」といった予測がコンセンサスとなっております。そして、その世界的な金利上昇は日本も巻き込み、ついに日本銀行も市場に金融緩和政策の修正を迫られております。
当マンション業界に目を移すと、人件費の上昇、円安、資源価格の高騰等に起因する建設費の高止まりが続いているものの、マンション販売価格は引き続き堅調に推移しております。しかし、世界的な金利上昇に起因する日本国内の「金利上昇」が断続的に起こった場合、マンション購入層の購買余力を引き下げることとなります。一方、日本企業各社が、物価上昇に対応した継続的な「賃金の引上げ」が行えば、こちらはマンション需要にプラスに作用します。このように、現在のマンション市況は、強弱材料が入り混じった状況にあるということができます。
現在のVUCAな時代においては、「金利急騰」や「賃金上昇率の伸び悩み」などマンション市況に想定外のネガティブな事象が発生することも懸念され、当社では、常に環境変化に応じたよりアジャイルな対応が必要であると考えております。このような環境の中、当社は、開発事業・不動産販売事業ともに今まで以上に機敏にマーケットの変化に対応し投資機会を捉えていく所存です。
「ベルドゥムール」シリーズにおいては、建築部門及び躯体工事業の自社施工を活用し、独自のローコストオペレーションを確立してきました。製品の均一化と高品質、低廉な価格の供給を基本的なマンションの付加価値としております。具体的には、自社施工により外注に流れる利益部分を削減し、経験に基づく施工方法を駆使することにより工期を短縮し、実需に基づく商品供給を進めるとともに、販売価格を抑制しやすい地価の高い都心物件を中心にした開発物件の販売をしてまいります。
(2) 建築事業
当部門においては、請負工事及び注文住宅の企画、設計、施工、また、中高層住宅建設等における型枠工事の施工を行っております。
請負工事及び注文住宅は東武スカイツリーライン沿線(埼玉)を中心に、首都圏において、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の住宅、マンション建築などを手がけております。また、総合建設業として大型工事、リフォームも当部門において行っております。
型枠工事業は各ゼネコンから受注したマンション及びビル建設等の最も重要な個所である、柱等の構造部分の施工を直接行い、建築物の安全性と製品の均一化に努めております。
(3) 不動産販売事業
当部門においては、経済環境・市場のニーズ等最近の動向を的確に捉えて、一般不動産の販売を行っております。都心における小型オフィスビルなどのニーズに対応し、顧客が潜在的に抱えている問題を抽出し、不動産を活用したソリューションを提供するコンサルティング営業をしてまいります。富裕層をはじめとした相続対策用の物件や投資用物件など、市場のニーズに合った仕入れを柔軟かつ迅速に行うことで他社との競合を減らし、利益率の高い物件の確保に努めております。
(4) その他事業
自社収益物件の管理、賃貸住宅の仲介・管理及び不動産の売買仲介事業などを行っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
当事業年度におけるわが国経済は、コロナ禍を経て行動制限及び入国制限の緩和により社会経済活動の正常化が進み、景気は緩やかな持ち直しの動きがみられましたが、一方で為替相場の急激な変動やウクライナ情勢の長期化を背景とした原材料価格の高騰による世界的なインフレの進行など、景気後退懸念等により依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社におきましては、当社の主力事業である開発事業及び不動産販売事業を中心に活動いたしました。
開発事業につきましては、分譲マンション及び分譲仕様の賃貸マンション並びにホテルの売却、不動産販売事業につきましては、都内の物件及び収益物件を複数売却致しました。
このような事業環境下におきまして、当事業年度における売上高は7,444百万円(前年同期比22.7%増)、営業利益は1,083百万円(前年同期比3.0%減)、経常利益は1,081百万円(前年同期比6.2%増)となり、当期純利益は765百万円(前年同期比8.4%減)となりました。
セグメントごとの業績を示しますと次のとおりであります。
〔開発事業部門〕
開発事業につきましては、「ベルドゥムール草加金明通り」、「ベルドゥムール秋田千秋公園」及び分譲マンション以上に高級感のある高級賃貸物件「ベルジューレ越谷」、並びにグループステイ向けホテル「FAV TOKYO 両国」をファンドに売却し、売上高が4,349百万円(前年同期比94.7%増)、セグメント利益823百万円(前年同期比205.2%増)となりました。
〔建築事業部門〕
建築事業につきましては、請負工事を主体とした売上高が457百万円(前年同期比40.5%減)、セグメント損失が47百万円(前年同期はセグメント利益62百万円)となりました。
〔不動産販売事業部門〕
不動産販売事業につきましては、都内の物件及び収益物件を複数売却したことによる売上高が2,100百万円(前年同期比15.1%減)、セグメント利益が403百万円(前年同期比51.6%減)となりました。
〔その他事業部門〕
その他事業につきましては、賃貸住宅の仲介・管理及び不動産の売買仲介などを中心に売上高が535百万円(前年同期比8.7%減)、セグメント利益が184百万円(前年同期比23.8%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
当事業年度におけるキャッシュ・フローは、433百万円の支出となり現金及び現金同等物の期末残高は7,097百万円となりました。
a. 営業活動によるキャッシュ・フロー
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払(359百万円)がありましたが、税引前当期純利益(934百万円)や棚卸資産の減少(1,947百万円)などにより2,379百万円の収入となり、前年同期と比べ1,108百万円の増加となりました。
b. 投資活動によるキャッシュ・フロー
当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入(310百万円)及び有形固定資産の取得(157百万円)などにより505百万円の支出となりました。
c. 財務活動によるキャッシュ・フロー
当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払(422百万円)及び有利子負債の返済(1,884百万円)などにより2,309百万円の支出となりました。
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(2022年6月1日~2023年5月31日)施工高
(注) 当項目に該当する当社の生産実績は、開発事業、建築事業であります。
当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(2022年6月1日~2023年5月31日)受注高
(注) 当項目に該当する当社の受注状況は、建築事業のみであります。
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
開発事業物件別契約状況
(注) 1上記表の「BD」はベルドゥムール、「BJ」はベルジューレの略称でございます。
2販売戸数内の( )内書きは、総戸数であります。
不動産販売事業の販売物件契約状況
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行っております。当該見積りは、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき実施しております。ただし、実際の結果は、経営環境や事業特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況1 財務諸表等(1) 財務諸表注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。
新型コロナウイルス感染拡大による当事業年度における影響は限定的であり、また会計上の見積りに大きな影響を与えるとは認識していません。
② 経営成績の分析
a. 売上高
開発事業については、「ベルドゥムール草加金明通り」、「ベルドゥムール秋田千秋公園」及び分譲マンション以上に高級感のある高級賃貸物件「ベルジューレ越谷」、並びにグループステイ向けホテル「FAV TOKYO 両国」をファンドに売却し、売上高が4,349百万円(前年同期比94.7%増)となりました。
建築事業につきましては、請負工事を主体とした売上高が457百万円(前年同期比40.5%減)となりました。
不動産販売事業につきましては、都内の物件及び収益物件を複数売却したことによる売上高が2,100百万円(前年同期比15.1%減)となりました。
その他事業につきましては、賃貸住宅の仲介・管理及び不動産の売買仲介等を中心に売上高が535百万円となりました。この結果、当事業年度における売上高は前事業年度に比べ22.7%増加の7,444百万円となりました。
b. 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価については、コスト管理の徹底と前事業年度に計上した棚卸資産の評価損を計上したことなどにより33.5%増加の5,575百万円となりました。なお、売上高総利益率につきましては、前期同様、利益率の高い案件により25.1%を確保しました。販売費及び一般管理費は、分譲マンションについて個別販売を行ったことから、販売手数料の増加などにより、前事業年度に比べ1.9%増加の785百万円となりました。
c. 営業利益
営業利益は前事業年度の1,117百万円から3.0%減少し、1,083百万円となりました。
d. 営業外損益
営業外収益は受取配当金及び投資事業組合運用益の減少により前事業年度の129百万円から58.7%減少し、53百万円となりました。また、営業外費用は貸倒引当金繰入額の減少により前事業年度の228百万円から75.7%減少し、55百万円となりました。
e. 経常利益
経常利益は前事業年度の1,018百万円から6.2%増加し、1,081百万円となりました。
f. 特別損益
特別利益は関係会社売却益の減少により前事業年度の122百万円から99.1%減少し、1百万円となりました。また、特別損失は偶発損失引当金88百万円及び損害賠償金40百万円を計上したことにより、148百万円となりました。
g. 当期純利益
以上の結果、当期純利益は前事業年度の835百万円から8.4%減少し、765百万円となりました。
③ 財政状態の分析
a.流動資産
当事業年度末における流動資産の残高は13,400百万円となり前事業年度末に比べ1,325百万円減少いたしました。主な要因は、棚卸資産(1,334百万円)が減少したことによります。
b.固定資産
当事業年度末における固定資産は構築物の取得(197百万円)はありましたが、有形固定資産から棚卸資産への振替(612百万円)などにより3,836百万円となり、前事業年度末に比べ385百万円減少いたしました。
c.流動負債
当事業年度末における流動負債は2,414百万円となり前事業年度末に比べ1,555百万円減少いたしました。主な要因は、有利子負債(1,854百万円)及び契約負債(154百万円)が減少したことによります。
d.固定負債
当事業年度末における固定負債は3,375百万円となり前事業年度末に比べ492百万円減少いたしました。主な要因は、有利子負債(30百万円)、リース債務(76百万円)及び役員退職慰労引当金(368百万円)が減少したことによります。
e.純資産
当事業年度末における純資産は当期純利益(765百万円)の計上と、配当金の支払い(423百万円)などを行ったことにより11,446百万円となりました。
④ 翌期の見通し
コロナ禍を経て行動制限及び入国制限の緩和により社会経済活動の正常化が進み、景気は緩やかな持ち直しの動きがみられましたが、一方で為替相場の急激な変動やウクライナ情勢の長期化を背景とした原材料価格の高騰による世界的なインフレの進行など、景気後退懸念等により依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境に対応しながら、堅調に推移している住宅需要及び高止まりが続いているマンション価格を捉え、引き続き「都内」及び「首都圏近郊(駅近)」での開発事業及び不動産販売事業に投資機会を見据えながら資源を集中してまいります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性について
当社の運転資金需要のうち主なものは、不動産、建築資材の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A等によるものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金及び投資資金は、営業活動によって得られた自己資金を充当し、不足する場合には金融機関からの借入により資金調達をしております。
⑥ 重要な会計方針の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりまして、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積り及び仮定を用いております。これらの見積り等については、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は当該見積り等と異なる場合がございます。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。