E04230 IFRS
前期
1,070.5億 円
前期比
124.1%
株価
1,602 (04/19)
発行済株式数
17,560,242
EPS(実績)
195.73 円
PER(実績)
8.18 倍
前期
555.3万 円
前期比
99.5%
平均年齢(勤続年数)
45.9歳(13.4年)
従業員数
498人(連結:2,585人)
当社グループは、2023年6月30日現在、当社及び子会社19社と共同支配企業4社で構成されております。
また、当社グループの報告セグメントは、国内自動車関連事業、ヒューマンリソース事業、一般貨物事業、海外関連事業と分類しております。
当社グループは、当社の普通株式に対する公開買付けにより2014年6月19日付けにて親会社タンチョンインターナショナルリミテッドグループの一角を形成しております。同社グループは、シンガポール、香港、中国、タイ等のアジア地域において主に自動車の製造・流通・販売を中心に、産業機械、不動産、金融などの領域で事業展開を行っており、香港証券取引所に上場しております。
当社グループの事業にかかる位置付けは以下のとおりであります。
《事業系統図》
以上述べた事項を事業系統図によって示すと以下のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、資源高の影響を受けつつも、半導体などの供給制約や新型コロナウイルス感染症の影響が和らぎ、緩やかに持ち直しております。
国内の自動車市場におきまして、新車販売台数合計は前連結会計年度(以下、前年同期という)比で112.2%(日本自動車工業会統計データ)と増加いたしました。2023年の年明けより一部の完成車メーカーが国内向け出荷を拡大させたため、当連結会計年度は回復傾向が鮮明になりました。中古車登録・販売台数は、新車の供給回復に伴い中古車市場も活性化し始めたものの、上昇傾向が続いていた中古車相場が落ち着くまでの一時的な踊り場になっている影響等もあり、前年同期比で97.8%と減少いたしました。
売上収益は、全セグメントで増収となりましたが、マレーシア向けの中古車輸出事業が好調に推移したことに加えて、車両輸送の受託台数が増加したことが主に寄与しております。営業利益は、燃料費の影響を受けたものの、全セグメントで増収に伴い増益になりました。
これらの結果、当社グループの業績は、売上収益1,328億61百万円(前年同期比124.1%)、営業利益50億74百万円(前年同期比129.7%)となりました。また、税引前利益は50億80百万円(前年同期比128.7%)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は34億37百万円(前年同期比135.6%)となりました。
*1 日本自動車工業会統計より算出 *2 日本自動車輸入組合統計より算出
*3 日本自動車販売協会連合会統計より算出 *4 全国軽自動車協会連合会統計より算出
*5 日本自動車販売協会連合会統計の輸出抹消登録台数より試算
*6 資源エネルギー庁統計より算出(当社が輸送に使用する燃料は主に軽油)
報告セグメント別の成績
《国内自動車関連事業》
主幹事業である車両輸送事業は、主に中古車輸送及び新車輸送におきまして、車両輸送受託台数が増加したことから増収になりました。また、株式会社ゼロ・プラスIKEDAの連結子会社化に伴い同社の売上収益が上乗せされたことも寄与して、国内自動車関連事業全体でも増収となりました。
セグメント利益は、人件費単価上昇の影響及び原油価格の高騰と急激な円安に伴って燃料単価及び海上輸送の燃料サーチャージが上昇した影響を受けましたが、2022年9月より燃料サーチャージ制を導入したことにより燃料費高騰の影響を打ち消し、また増収に伴い増益となりました。
これらの結果、国内自動車関連事業全体の売上収益は581億69百万円(前年同期比113.0%)、セグメント利益は50億62百万円(前年同期比120.5%)となりました。
車両輸送事業におきましては、2024年6月期までの中期経営計画で掲げている「デジタル化」「グリーン化」「ニューノーマル」への対応を引き続き進めております。
「デジタル化」におきましては、輸送デジタル化推進室を立ち上げ、計画的な配車を実現するシステムの構築を推進しております。また新たに、お客様からお預かりした自動車の状態を、乗務員がタブレット端末を用いて記録するデジタル化のプロジェクトを推進するため、DX戦略室を新設しております。
「グリーン化」におきましては、自動車の電動化に伴って自動車の重量が増していることに対応すべく、最大積載量を増やした輸送機材を順次導入しております。また、急激にEV化が加速している中で、新たに営業企画部を立ち上げ、EV車両輸送における付帯業務の実施を含めたインフラの構築を検討しております。
「ニューノーマル」への対応におきましては、厚生労働省における改善基準告示見直しの方向性が定まり、所謂「物流の2024年問題」に向けて、乗務員の運転時間を維持しながら、荷扱い分業体制の推進などによって運転時間以外の間接時間削減及び輸送機材の効率的運用を進めてまいります。しかしながら、慢性的な乗務員不足の環境の上に消費者物価指数の上昇が加わり、最低賃金や労務費単価が上昇し続けている中、乗務員一人当たり総労働時間を削減させながらも待遇を維持・向上させていく必要があること、及び総労働時間を削減したことによる輸送戦力の減少を補うために乗務員の新規採用や輸送機材の導入を進めていく必要があることを重要な経営課題と認識しております。
《ヒューマンリソース事業》
送迎事業は、新規契約の獲得及びJ:COM(JCOM株式会社)向けMaaS(Mobility as a Service)事業の増車などに伴い増収となりました。人材サービス事業は、主に東日本地域におきましてドライバー及びライトワークの派遣人員数が増加したことから増収になり、空港関連人材事業は航空機発着回数の回復に伴い派遣人員数が増加したことから増収になりました。セグメント利益は、各事業で増収になったことに加えて、経費を削減したことから増益になりました。
これらの結果、ヒューマンリソース事業全体の売上収益は206億21百万円(前年同期比106.7%)、セグメント利益は7億50百万円(前年同期比112.7%)となりました。
《一般貨物事業》
港湾荷役事業は、バイオマス発電所向けの燃料荷役が増加したことから増収となり、運輸・倉庫事業は、新規に倉庫を賃借し3PL事業を開始したものの、不採算顧客から撤退したことによって減収となりました。セグメント利益につきまして、運輸・倉庫事業は、新規に賃借した倉庫の立ち上げ費用が嵩み減益となりましたが、港湾荷役事業は、バイオマス発電向けの燃料荷役の増加が寄与して増益となり、一般貨物事業全体でも増益となりました。
これらの結果、一般貨物事業全体の売上収益は64億29百万円(前年同期比100.1%)、セグメント利益は11億87百万円(前年同期比112.0%)となりました。
《海外関連事業》
中古車輸出事業は、主要輸出先であるマレーシアにおきまして、従前からの顧客満足度向上活動が市場占有率の上昇に繋がっておりましたが、その状況下で円安や半導体不足の影響もあって現地の需要が増加したことに伴い輸出台数が増加したことで大幅な増収になりました。CKD事業は、モデルの端境期で梱包数量が減少したことから減収となりました。また、中国における車両輸送事業は、中国自動車市場の回復に伴い増収となりました。セグメント利益につきまして、中古車輸出事業と中国における車両輸送事業は増収に伴い増益になり、CKD事業は減収に伴い減益となりました。
これらの結果、海外関連事業全体の売上収益は476億41百万円(前年同期比159.8%)、セグメント利益は4億92百万円(前年同期比267.0%)となりました。
なお、上記セグメント別損益に含まれていない全社費用(当社の管理部門に係る費用)等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載のとおり「調整額」の項目として計上しており、24億17百万円となります。
当連結会計年度末における資産合計は前連結会計年度末に比べ13億69百万円(2.5%)増加し、565億58百万円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は前連結会計年度末に比べ18億52百万円(7.5%)減少し、227億22百万円となりました。
当連結会計年度末における資本合計は前連結会計年度末に比べ32億21百万円(10.5%)増加し、338億36百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ2億94百万円増加し、54億75百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、87億78百万円(前連結会計年度は39億54百万円の収入)となりました。
主な資金増加要因は、当期利益34億53百万円、非資金支出である減価償却費及び償却費50億5百万円であり、主な資金減少要因は、棚卸資産の増加額21億27百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、21億67百万円(前連結会計年度は32億66百万円の支出)となりました。
支出の主な内訳は、有形固定資産及び投資不動産取得による支出19億12百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、62億90百万円(前連結会計年度は16億8百万円の支出)となりました。
支出の主な内訳は、リース負債の返済による支出31億16百万円、短期借入金の減少25億26百万円であります。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
なお、当社グループの取り扱う主要な商品は車両輸送を中心としたサービスであるため、生産及び受注の状況は記載を省略しております。
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。なお、詳細につきましては、「② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 f.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」に記載のとおりであります。
1) 財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ14億27百万円(5.8%)増加し、260億32百万円となりました。
これは主に、営業債権及びその他の債権が10億33百万円減少したものの、棚卸資産が21億26百万円増加したことなどによります。
非流動資産は、前連結会計年度末に比べ57百万円(0.2%)減少し、305億26百万円となりました。
これは主に、その他の金融資産が2億93百万円増加したものの、有形固定資産が4億55百万円減少したことなどによります。
これらの結果資産合計は、前連結会計年度末に比べ13億69百万円(2.5%)増加し、565億58百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ4億30百万円(2.3%)減少し、182億円となりました。
これは主に、営業債務及びその他の債務が6億43百万円増加したものの、借入金が24億3百万円減少したことなどによります。
非流動負債は、前連結会計年度末に比べ14億21百万円(23.9%)減少し、45億22百万円となりました。
これは主に、リース負債が12億87百万円減少したこと、退職給付に係る負債が2億43百万円減少したことなどによります。
これらの結果負債合計は、前連結会計年度末に比べ18億52百万円(7.5%)減少し、227億22百万円となりました。
(資本)
資本は、前連結会計年度末に比べ32億21百万円(10.5%)増加し、338億36百万円となりました。
これは主に、利益剰余金が当期利益の計上などにより29億86百万円増加したことなどによります。
2) 経営成績
(売上収益)
売上収益は前連結会計年度に比べて258億16百万円増加し、1,328億61百万円となりました。国内自動車関連事業において、車両輸送事業は、前連結会計年度が半導体不足等による新車販売台数及び下取り車不足等による中古車登録台数が減少したことの反動などから、主に中古車輸送及び新車輸送におきまして、車両輸送受託台数が増加し増収になりました。自動車周辺事業は主に新車販売の増加に伴い、日産自動車株式会社の構内輸送業務や納車前整備点検の受託が増加し、工場内受託業務が増加したことなどから増収となりました。国内自動車関連事業全体で66億87百万円の増収となりました。
ヒューマンリソース事業において、送迎事業は新型コロナウイルス感染症拡大の影響から引き続き回復基調にあり、新規契約の獲得などから増収となり、人材サービス事業も、ドライバー及びライトワークの派遣人員が増加したことから増収になりました。また、空港関連人材事業も、航空機発着回数の回復に伴い、前年よりも回復し増収になりました。ヒューマンリソース事業全体で12億91百万円の増収となりました。
一般貨物事業において、港湾荷役事業は、バイオマス発電用燃料の荷役が増加したことから増収となり、運輸・倉庫事業は、新規に倉庫を賃借し3PL事業を開始したものの、不採算顧客から撤退したことにより減収になりました。一般貨物事業全体で6百万円の増収となりました。
海外関連事業につきましては、中古車輸出事業は、主要輸出先であるマレーシアにおきまして、従前から顧客満足度の向上活動が市場占有率の上昇に繋がっておりましたが、その状況下で円安や半導体不足の影響もあり、現地の需要が増加したことに伴い、輸出台数が増加したことで大幅な増収になりました。また、中国における車両輸送事業におきましては、中国自動車市場の回復に伴い増収になりました。海外関連事業全体で178億31百万円の増収となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、国内自動車関連事業においては、車両輸送受注台数と中古車輸送台数が前年と比べて増加したことで、操業度が改善しましたが、海上輸送費の増加などにより売上原価率は上昇しました。一般貨物事業においては、バイオマス発電用燃料荷役が売上原価率低下に貢献したものの、売上収益増加の主要因である海外関連事業における中古車輸出事業の売上原価率が高いことなどから、全体として売上原価率は87.7%から88.6%へ上昇いたしました。売上原価率は上昇しましたが、売上収益増加の効果により、売上総利益は前連結会計年度に比べて20億73百万円増加し152億円となりました。
(販売費及び一般管理費、その他の収益、その他の費用、営業利益)
販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べて9億77百万円増加し103億31百万円、その他の収益は前連結会計年度に比べて2百万円増加し2億60百万円、その他の費用は前連結会計年度に比べて64百万円減少し、54百万円となりました。これらの結果、営業利益は前連結会計年度に比べて11億62百万円増加し50億74百万円となりました。
営業利益率は5.0%の目標に対して3.8%となりました。原価低減活動を進め、営業利益率向上に努めてまいりましたが、売上商品構成の変化や海上輸送費の上昇、一部不採算事業・顧客の影響などから、目標を下回る利益率となりました。
(金融収益、金融費用、持分法による投資損益、税引前利益)
金融収益は前連結会計年度に比べて17百万円減少し52百万円、金融費用は前連結会計年度に比べて5百万円増加し44百万円、持分法による投資損益は前連結会計年度に比べて5百万円減少し△2百万円となりました。この結果、税引前利益は前連結会計年度に比べて11億33百万円増加し50億80百万円となりました。
(法人所得税費用、親会社の所有者に帰属する当期利益)
法人所得税費用は前連結会計年度に比べて2億1百万円増加し16億26百万円となりました。非支配持分は前連結会計年度に比べて30百万円増加し15百万円となりました。これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べて9億2百万円増加し34億37百万円となりました。
2015年度から2017年度にかけて三ヶ年計画を立案して、三つの成長戦略(車両輸送事業に伴う周辺事業の拡大、人材事業・一般貨物事業の拡大、アセアン事業の推進)と二つの事業基盤の再構築(輸送体制の地域ブロック化の推進、グループシナジーの創出)を掲げて推進してまいりました。三つの成長戦略に関しては、2016年12月に高栄運輸株式会社(現 株式会社ゼロ・プラスBHS)を買収してバイク輸送事業への本格参入、2017年6月に株式会社Aリリーフを商号変更して、空港ビジネスにおける人材派遣事業への新規参入、苅田港海陸運送株式会社にてバイオマス発電の燃料荷役事業への参入決定、日本とタイにおけるCKD事業への新規参入など、種蒔きとその成果が現れてまいりました。
二つの事業基盤の再構築に関しては、まず車両輸送事業において、2015年10月に株式会社ゼロ・プラス九州を商号変更・再編したことを皮切りに輸送体制の地域ブロック化を推進して、2016年7月には株式会社ゼロ・プラス関東を商号変更・再編いたしました。また、2017年4月に株式会社ゼロ・プラス西日本を設立し、10月に株式会社ゼロ・プラス中部を商号変更・再編しました。同時に協力会社6社の事業譲受を行い、11月には株式会社HIZロジスティクスを子会社化して、12月に株式会社ゼロ・プラス東日本と商号変更・再編したことで地域ブロック化が完了いたしました。結果としてゼロ、輸送子会社7社、協力会社6社の合計14社を全国5つのブロックへ再編いたしました。グループシナジーの創出については、類似事業の集約、グループ内インフラの共有化、グループ内における株式会社ジャパン・リリーフの人材リソース利用促進、グループ一丸となった新規事業の開拓を進めてまいりました。
また、2018年度から2020年度にかけての三ヶ年計画では、自動車業界の変化、アセアンの経済成長、少子高齢化に伴う労働力不足に対応すべく、異業種の自動車業界参入や次世代モビリティを見据えた新規事業の開拓、株式会社ジャパン・リリーフにおける人材事業の拡大、タンチョングループと協業した海外事業の拡大に努めると同時に、物流拠点や輸送戦力の最適化をはじめとする地域ブロック化の効果最大化、グループシナジー創出と効率化の推進をしてまいりました。
さらに、車両輸送事業において、積年の課題となっている乗務員の不足と高齢化、輸送機材の老朽化、繁閑差解消への取り組みも進め、働き方改革として総労働時間の管理や労働諸条件の改善を図っております。
2018年度には、株式会社メルカリやKeePer技研株式会社との業務提携を実施して、異業種とのアライアンスを推進しており、また三菱自動車工業株式会社の完成車輸送を全面的に受託することが決定するなど事業領域の拡大を進めております。
2021年度から2023年度にかけての新たな三ヶ年計画においては、企業理念の基本に立ち返り「あらゆる品質(経営品質・人的品質・業務品質・輸送品質など)の向上」を実現することで、「成長し続ける会社」「お客様の期待を裏切らない会社」「安心して働ける会社」を目指しております。当期間においても2021年度には陸友物流(北京)有限公司の一部出資持分(40%)を取得し子会社化を行い、株式会社IKEDA(現 株式会社ゼロ・プラスIKEDA)の全株式を取得し子会社化するなど事業領域の拡大を図っております。
また、目標とする経営指標である売上収益1,000億円以上について、三ヶ年で達成するよう掲げており、2022年6月期と2023年6月期に、連続して達成しております。
1) 財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、今後予想される様々な経営環境の変化に対応し、持続的な成長に伴うリスクに見合った資本水準と負債・資本構成の維持を基本方針としております。安定した財務体質のもと、企業価値の向上のための成長投資と利益還元を両立してまいります。
当社グループの掲げている新たな三ヶ年計画においては、企業理念の基本に立ち返り「あらゆる品質(経営品質・人的品質・業務品質・輸送品質など)の向上」を実現するための投資などに、当社グループの成長、企業価値の向上に必要な資金及び経常の運転資金を効率的に確保しております。さらに、グループ会社との間ではCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、グループ各社における余剰資金の有効活用に努めております。
2) 財務基盤の安定
当社グループの持続的な成長を支え、景気変動の影響にも耐えうるには「財務基盤の安定維持」が前提となります。当社グループのキャッシュ創出力は堅調に推移し、財務基盤は安定しております。今後も、D/Eレシオを0.5倍程度に抑制し、自己資本比率を50%程度に保つことで、当社グループの財務安定性を確保してまいります。
3) 安定的な利益還元
当社グループは株主の皆様に対する「安定的な利益還元」を経営方針の一つとし、基本的1株当たり当期利益が80円超の場合の配当性向を25%と設定しております。
4) 資金調達
当社グループは現在、自己資金及び金融機関の借入れ等により資金調達することとしています。運転資金について借入れによる資金調達を行う場合、CMSでのグループ内調達を優先的に考え、不足する場合などには、一年以内の短期借入金で各連結会社が外部金融機関より調達することとしております。
生産設備などの長期資金も、CMSでのグループ内調達を先ず考慮し、必要に応じて外部金融機関より長期借入金で調達しております。当社グループは、健全な財務状況、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力、金融機関との当座貸越契約などにより必要資金の確保と緊急時の流動性を確保してまいります。
当社グループは資金計画に基づき、投資時期の適切性を慎重に考慮するとともに、取引金融機関との当座貸越契約などにより十分な資金を確保することで、感染症や災害など不測の事態の影響を受ける期間においても適切に事業を遂行し、計画を実現できるものと考えております。
5) 資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、当社グループの輸送事業に関わる車両費、外注費、販売費及び一般管理費等があります。また、当社グループの設備投資需要としましては、営業用車両投資と不動産投資に加え、販売、業務管理用の無形資産投資等があります。
6) 財務状況
当連結会計年度の財政状態は以下のとおりであります。
当社グループは客観的な指標等について、グループ1,000億円以上の売上収益と5%以上の営業利益率の達成を中長期的な目標としており、2024年6月期には連結売上収益1,210億円、営業利益52億円、営業利益率4.3%を業績予想としております。当連結会計年度における連結売上収益は1,328億61百万円であり、営業利益50億74百万円、営業利益率3.8%となりました。引き続き、これらの指標の達成に向けて取り組んでまいります。
当連結会計年度のセグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 業績」に記載のとおりであります。
(有形固定資産、無形資産、使用権資産)
当社グループでは、有形固定資産、無形資産及び使用権資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損テストを実施しております。この判定は、事業用資産についてはグルーピングした各事業単位の将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて行っております。経営者は将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。