売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04230 IFRS


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、能登半島地震の影響による下押しが一部見られるものの、緩やかに持ち直し、ないしは回復しております。

国内の自動車市場におきまして、新車販売台数合計は前年同四半期連結累計期間(以下、前年同四半期という)比で98.9%(日本自動車工業会統計データ)と減少いたしました。2023年の年末より相次いで発生した、一部完成車メーカーでの不正問題による出荷停止の影響を受けております。中古車登録・販売台数は、前四半期までの新車販売の回復に伴い、前年同四半期比で102.9%と増加いたしました。

売上収益は、自動車関連事業を中心に増収となりました。営業利益は、主に自動車関連事業と海外関連事業を中心に、増益となりました。

これらの結果、当社グループの業績は、売上収益1,055億70百万円(前年同四半期比104.5%)、営業利益45億1百万円(前年同四半期比120.0%)となりました。また、税引前利益は45億12百万円(前年同四半期比120.3%)となり、親会社の所有者に帰属する四半期利益は29億59百万円(前年同四半期比118.4%)となりました。

 

自動車の国内流通に関連する台数

単位:台

国内

2022年7月~2023年3月

2023年7月~2024年3月

前年比

新車販売台数

 

 

 

 

 

国内メーカー

*1

3,307,458

3,274,024

99.0

(うち日産自動車)

*1

(365,051)

(377,816)

(103.5

%)

海外メーカー

*2

189,243

185,602

98.1

新車販売台数合計

 

3,496,701

3,459,626

98.9

中古車登録・販売台数

 

 

 

 

 

登録車

*3

2,611,620

2,732,945

104.6

軽自動車

*4

2,138,112

2,154,974

100.8

中古車登録・販売台数合計

 

4,749,732

4,887,919

102.9

 

 

 

 

 

 

輸出

2022年7月~2023年3月

2023年7月~2024年3月

前年比

国内メーカー新車

*1

3,034,805

3,393,095

111.8

中古車(登録車)

*5

996,004

1,190,723

119.6

*1 日本自動車工業会統計より算出  *2 日本自動車輸入組合統計より算出  *3 日本自動車販売協会連合会統計より算出

*4 全国軽自動車協会連合会統計より算出  *5 日本自動車販売協会連合会統計の輸出抹消登録台数より試算

 

 

 

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

① 国内自動車関連事業

売上収益は、主幹事業である車両輸送事業において、中古車業界の混乱に加え、一部新車メーカーの不正問題による出荷停止の影響を受けながらも、中古車登録・販売台数の回復に伴って中古車輸送の受託台数が増加したことから、国内自動車関連事業全体でも増収になりました。

コロナ禍が明けたことに伴って乗務員の有効求人倍率が増加している環境下で消費者物価指数や最低賃金の上昇を受けて、採用費及び労務費単価を引き上げていることに加えて、EV化を見据えた輸送機材の投資に伴って車両費が増加しました。一方で、2024年1月に車両輸送事業において料金改定を行ったことに加え、整備事業における納車前整備点検の台数が増加したこと、また、建機回送事業において能登半島地震に伴ってレンタル建機会社からの回送依頼が増加し、加えて株式会社ソウイングを2023年11月に連結子会社化したことにより同社の利益が純増となったことから、セグメント利益は増益になりました。

これらの結果、国内自動車関連事業の売上収益は466億29百万円(前年同四半期比108.1%)、セグメント利益は44億28百万円(前年同四半期比123.1%)となりました。

車両輸送事業におきましては、2024年6月期までの中期経営計画で掲げている「デジタル化」「グリーン化」「ニューノーマル」への対応を引き続き進めております。

「デジタル化」におきましては、輸送デジタル化推進室を立ち上げ、計画的な配車を実現するシステムの構築を推進しております。また新たに、お客様からお預かりした自動車の状態を、乗務員がタブレット端末を用いて記録するデジタル化のプロジェクトを立ち上げ、推進しております。

「グリーン化」におきましては、自動車の電動化に伴って自動車の重量が増していることに対応すべく、最大積載量を増やした輸送機材を順次導入しております。また、EV化が加速している中で、EV車両輸送における付帯業務の実施を含めたインフラの構築を検討して推進しております。

「ニューノーマル」への対応におきましては、厚生労働省における改善基準告示見直しの方向性が定まり、所謂「物流の2024年問題」に向けて、乗務員の運転時間を維持しながら、荷扱い分業体制の推進などによって運転時間以外の間接時間削減を進めるのと同時に、乗務員の新規採用、輸送機材の効率的な運用も進めてまいります。しかしながら、慢性的な乗務員不足の環境の上に消費者物価指数の上昇が加わり、最低賃金や労務費単価が上昇し続けている中、乗務員一人当たりの総労働時間を削減させながらも待遇を維持・向上させていく必要があること、及び総労働時間を削減したことによる輸送戦力の減少を補うために乗務員の新規採用や輸送機材の導入を進めていく必要があることを重要な経営課題と認識しております。

② ヒューマンリソース事業

送迎事業は、新規契約の獲得及びMaaS(Mobility as a service)事業の増車に伴い増収となりました。人材サービス事業は、ドライバーの派遣人員数が増加したことから増収になり、空港関連人材事業は航空機発着回数が回復したこと及び外国人採用を進めたことによって派遣人員数が増加したことから増収になりました。セグメント利益は、各事業の増収に伴い増益となりました。

これらの結果、ヒューマンリソース事業の売上収益は161億33百万円(前年同四半期比104.7%)、セグメント利益は6億16百万円(前年同四半期比102.6%)となりました。

③ 一般貨物事業

港湾荷役事業は、バイオマス発電所向けの燃料荷役について、新たな発電所向けの荷役を獲得したことから増収になりましたが、運輸・倉庫事業は、不採算顧客から撤退したことによって減収となり、一般貨物事業全体でも減収となりました。 セグメント利益は、2024年1月11日に当社川崎複合物流センターにおいて発生した火災に対する損失を計上した結果、一般貨物事業全体で減益となりました。

これらの結果、一般貨物事業の売上収益は48億22百万円(前年同四半期比99.5%)、セグメント利益は4億80百万円(前年同四半期比54.2%)となりました。

④ 海外関連事業

中古車輸出事業は、円安を背景に日本からの新車輸出が旺盛になったことに伴い自動車運搬専用船の船枠が限られ、マレーシア向けの中古車輸出台数を制限せざるを得なかったことから、僅かに減収になりました。また、CKD事業は、梱包台数が増加したことから増収となり、中国における車両輸送事業は、新規顧客を獲得したことで増収となりました。

セグメント利益につきまして、中古車輸出事業はコストの削減と転嫁を進めたことから増益となりました。また、CKD事業は増収に伴い増益になり、中国における車両輸送事業は新規顧客の獲得が奏功して増益となりました。

これらの結果、海外関連事業の売上収益は379億84百万円(前年同四半期比100.9%)、セグメント利益は6億76百万円(前年同四半期比199.0%)となりました。

なお、上記報告セグメントに含まれていない全社費用(当社の管理部門に係る費用)等は「第4『経理の状況』の『セグメント情報』」に記載のとおり「調整額」の項目として計上しており、17億1百万円となります。

 

(2) 財政状態

(資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べ75億26百万円(28.9%)増加し、335億58百万円となりました。

これは主に、営業債権及びその他の債権が67億53百万円増加したことなどによります。

非流動資産は、前連結会計年度末に比べ13億57百万円(4.4%)増加し、318億84百万円となりました。

これは主に、有形固定資産が使用権資産の償却などにより12億64百万円減少したものの、無形固定資産が18億98百万円増加したことなどによります。

この結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ88億84百万円(15.7%)増加し、654億42百万円となりました。

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べ58億86百万円(32.3%)増加し、240億86百万円となりました。

これは主に、借入金が68億円増加したことなどによります。

非流動負債は、前連結会計年度末に比べ4億11百万円(9.1%)増加し、49億33百万円となりました。

これは主に、繰延税金負債が3億90百万円増加したことなどによります。

この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ62億97百万円(27.7%)増加し、290億20百万円となりました。

(資本)

資本合計は、前連結会計年度末に比べ25億86百万円(7.6%)増加し、364億22百万円となりました。

これは主に、利益剰余金が22億73百万円増加したことなどによります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ19億65百万円増加し、74億40百万円となりました。

当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、24億68百万円(前年同期は32億62百万円の収入)となりました。

主な資金増加要因は、非資金支出である減価償却費及び償却費38億29百万円、四半期利益30億5百万円であり、主な資金減少要因は、営業債権の増加56億70百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、38億87百万円(前年同期は12億79百万円の支出)となりました。

支出の主な内訳は、有形固定資産及び投資不動産の取得による支出17億13百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出16億55百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、33億46百万円(前年同期は23億66百万円の支出)となりました。

支出の主な内訳は、リース負債の返済による支出22億43百万円、配当金の支払額8億47百万円であり、収入の主な内訳は、短期借入金の純増66億円であります。

 

(4) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(6) 研究開発活動

該当事項はありません。