E04194 Japan GAAP
前期
476.5億 円
前期比
108.3%
株価
900 (04/26)
発行済株式数
23,308,720
EPS(実績)
76.11 円
PER(実績)
11.83 倍
前期
739.3万 円
前期比
103.7%
平均年齢(勤続年数)
51.0歳(13.0年)
従業員数
29人(連結:2,778人)
当社グループ(当社および当社の関係会社)は、当社および子会社28社で構成されており、物流業者として永年にわたる豊富な経験と実績を生かし、貨物自動車運送事業、国際物流事業、その他物流管理業務から物流作業までの各分野に対応できる物流業者として、多くの物流関連事業の展開を行っております。また、この業務と関連して不動産賃貸事業、ソフトウエア開発保守事業、車輌・コンピュータ等のリース事業およびファイナンス事業を営んでおります。
なお、次の4部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。
事業内容 |
会社 |
|
貨物自動車運送事業 |
自動車運送 |
カンダコーポレーション㈱ ㈱カンダコアテクノ 埼玉配送㈱ 神協運輸㈱ ㈱名岐物流サービス ワカバ運輸㈱ ヤマナシ流通㈱ ㈱アサクラ 関西配送㈱ カンダ物流㈱ ㈱中村エンタープライズ カンダリテールサポート㈱ 堀切運輸㈱ |
流通加工商品の仕分・梱包等 |
㈱神田エンタープライズ ㈱ロジメディカル ㈱モリコー ㈱ジェイピーエル ㈱ロジメック |
|
国際物流事業 |
国際物流 |
㈱ペガサスグローバルエクスプレス Pegasus Global Express(Thailand)Co.,Ltd. PT.Pegasus Global Express Indonesia ニュースターライン㈱ ベルトランス㈱ |
不動産賃貸事業 |
不動産賃貸 |
当社 |
その他事業 |
保険代理店、太陽光発電 |
当社 |
ソフトウエア開発保守、販売 |
㈱ケイ・コム ㈱ソフトエイジ |
|
車輌・コンピュータ等リースおよびファイナンス |
神田ファイナンス㈱ |
|
清掃業 |
カンダハーティーサービス㈱ |
|
事務代行業 |
カンダビズパートナー㈱ |
(注)カンダコーポレーション㈱および㈱カンダコアテクノは、流通加工商品の仕分、梱包等の業務も行っております。
以上を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
※画像省略しています。
(注)1.流通加工商品の仕分・梱包等の業務も行っております。
2.PT.Pegasus Global Express Indonesiaは、2023年6月に閉鎖(会社清算)する予定です。
3.ワカバ運輸㈱は、2023年8月に閉鎖(会社清算)する予定です。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の制限が緩和され正常化に向かいつつあることからサービス消費は回復に転じる一方、世界的な物価上昇や為替相場での円安基調の影響等により物の売れ行きは伸び悩むなど、景気の先行きは依然不透明な状況が続いております。
このような経済環境の中、物流業界におきましては、国内外における貨物量は回復傾向にあるものの、燃料価格の他エネルギー価格は高止まり、各種資材などは高騰が続いております。また、2024年4月から適用される自動車運転業務における時間外労働時間の上限規制(以下「2024年問題」)に向けた対応も大きな課題となっており、依然として厳しい環境にあります。
当社グループにおきましては、国内部門では、前期から今期にかけて獲得した新規営業や既存の取引の業容拡大、M&A等の要因により営業収益は増収となっているものの、燃料価格や電気料金をはじめとする各種コストの増加分が運賃などに転嫁しきれていないことや、新規営業所の開設時の初期費用が嵩んだこと等により、利益面は前年を下回っております。一方、国際部門では、引続き前期からの特需的な要因から上期までは増収増益ではあったものの、これまで継続していた航空輸送・海上輸送の需給逼迫による運賃の高騰は第3四半期を境に徐々に緩和しており、平常化が進んでいると見られます。
このような状況の下、中期経営計画(2022年4月から2025年3月)に基づき、営業力の強化による収益性の向上を図るとともに、燃料価格や各種調達コストの上昇を含めた適正運賃の確保や更なる効率化等、利益の向上に向けた取り組みを進めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業収益は、51,621百万円(前期比8.3%増)となり、営業利益は2,730百万円(前期比9.8%減)、経常利益は2,802百万円(前期比9.5%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失として固定資産の減損損失46百万円や、子会社における送金詐欺損失40百万円などを計上した結果、1,774百万円(前期比8.9%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
貨物自動車運送事業
貨物自動車運送事業につきましては、新型コロナウイルス感染症による制限が解除に向かい、貨物輸送量が全般的に復調する中で、食品・衛生用品・日用雑貨等については堅調に推移したことから、貨物自動車運送事業収入は36,940百万円(前年同期比6.4%増)となり、セグメント利益は各種コスト増の影響から1,853百万円(前年同期比25.4%減)となりました。
国際物流事業
国際物流事業につきましては、これまでの特需的な需給逼迫による価格上昇は徐々に緩和されつつありますが、新型コロナウイルス感染症の影響により制限されていた世界各地の経済活動が回復しつつあり、国際物流事業収入は12,914百万円(前年同期比11.6%増)となり、セグメント利益は1,183百万円(前年同期比20.1%増)となりました。
不動産賃貸事業
不動産賃貸事業につきましては、不動産賃貸事業収入は892百万円(前年同期比3.4%増)となり、セグメント利益は568百万円(前年同期比22.7%増)となりました。
その他事業
リース業、コンピュータソフト開発保守業、保険代理店業、部品販売業、太陽光発電業、清掃業、事務代行業を中心としたその他事業収入は892百万円(前年同期比82.1%増)となり、セグメント利益は86百万円(前年同期比46.4%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、投資活動の結果使用した資金1,249百万円と財務活動の結果使用した資金1,401百万円を、営業活動の結果得られた資金3,581百万円でまかなったことにより、前連結会計年度末に比べ936百万円増加し、6,210百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、3,581百万円(前年同期比5.9%減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益2,757百万円、減価償却費1,604百万円、売上債権の減少137百万円、支払手形及び営業未払金の減少96百万円、法人税等の支払額1,208百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,249百万円(前年同期比35.4%減)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入226百万円、有形固定資産の取得による支出1,410百万円、有形固定資産の売却による収入172百万円、無形固定資産の取得による支出140百万円、その他投資活動による支出170百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、1,401百万円(前年同期比8.0%増)となりました。これは主に短期借入金の増加900百万円、長期借入金の返済による支出1,652百万円、リース債務の返済による支出292百万円、配当金の支払額355百万円によるものであります。
③ 生産、受注および販売の実績
当社グループの事業は受注生産形態をとっていないため、生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注および販売の実績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
貨物自動車運送事業(百万円) |
36,924 |
106.3 |
国際物流事業(百万円) |
12,912 |
111.6 |
不動産賃貸事業(百万円) |
892 |
103.4 |
報告セグメント計(百万円) |
50,729 |
107.6 |
その他(百万円) |
892 |
182.1 |
合計(百万円) |
51,621 |
108.3 |
(注)1.セグメント間の内部売上高又は振替高は含めておりません。
2.当連結会計年度における主な相手先の販売実績および総販売実績に対する割合は、当連結会計年度に販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
④ 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、16,427百万円(前連結会計年度末は15,458百万円)となり、969百万円増加しました。現金及び預金の増加709百万円、受託現金の増加470百万円、受取手形、営業未収金及び契約資産の減少117百万円、リース投資資産の減少162百万円が主な要因です。
固定資産の残高は、25,878百万円(前連結会計年度末は25,789百万円)となり、89百万円増加しました。土地の増加427百万円、投資有価証券の増加137百万円、繰延税金資産の増加100百万円、差入保証金の増加119百万円、建物及び構築物(純額)の減少389百万円、機械装置及び運搬具(純額)の減少100百万円が主な要因です。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、14,018百万円(前連結会計年度末は13,374百万円)となり、643百万円増加しました。短期借入金の増加149百万円、受託現金の増加等による預り金の増加455百万円が主な要因です。
固定負債の残高は、6,255百万円(前連結会計年度末は7,309百万円)となり、1,053百万円減少しました。長期借入金の減少894百万円、リース債務の減少224百万円が主な要因です。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、22,033百万円(前連結会計年度末は20,563百万円)となり、1,469百万円増加しました。利益剰余金の増加1,419百万円が主な要因です。
この結果、自己資本比率は2.3ポイント上昇し、52.1%となりました。
⑤ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フロー関連指標の推移は下記のとおりであります。
|
2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
自己資本比率(%) |
42.7 |
44.6 |
46.8 |
49.8 |
52.1 |
時価ベースの自己資本比率(%) |
21.5 |
19.6 |
27.2 |
28.5 |
29.9 |
債務償還年数(年) |
3.8 |
2.9 |
2.5 |
2.1 |
2.0 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
33.6 |
41.4 |
55.4 |
65.6 |
71.8 |
※自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数により計算しております。
3.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
ⅰ 財政状態に関する分析
当連結会計年度の財政状態については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ④ 財政状態の分析」に記載のとおりであります。
ⅱ 経営成績に関する分析
(営業収益)
営業収益は、新型コロナウイルス感染症の制限が緩和され正常化に向かいつつある中、国内を中心とした貨物自動車運送事業においては、前期から今期にかけて獲得した新規営業や既存の取引の業容拡大、M&A等の要因により増益となりました。また国際物流事業においても、前期から上期頃まで続いた航空輸送・海上輸送の需給逼迫による運賃の高騰もあり増収となりました。
以上の結果、当連結会計年度における連結営業収益は51,621百万円(前期比8.3%増)となりました。
(営業利益)
営業利益は、貨物自動車運送事業は燃料価格の上昇という要因はありましたが、燃料価格や電気料金をはじめとする各種コストの増加分が運賃などに転嫁しきれていないことや、新規営業所の開設時の初期費用が嵩んだこと等により、また国際物流事業においては、営業収益の増収によって営業利益が増益となったものの、それも第3四半期を境に徐々に緩和、いわゆる平常化が進んでいることから、当連結会計年度における連結営業利益は2,730百万円(前期比9.8%減)となりました。
(経常利益)
営業外収益は、保険返戻金の減少等により174百万円となり前連結会計年度より20百万円減少しました。
営業外費用は、支払利息の減少等により101百万円となり、前連結会計年度から23百万円減少しました。
以上の結果、当連結会計年度における連結経常利益は2,802百万円(前期比9.5%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益は、固定資産売却益の増加等により57百万円となり、前連結会計年度より5百万円増加しました。
特別損失は、当社グループにおいて固定資産の減損損失46百万円、子会社における送金詐欺損失40百万円の計上等により103百万円となり、前連結会計年度より147百万円減少しました。
法人税等は、981百万円となり、前連結会計年度より30百万円増加しました。
以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は1,774百万円(前期比8.9%減)となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④ 戦略的現状と見通し
経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境および対処すべき課題等」に記載のとおりであります。新規業務の獲得、グループ会社間の連携強化および収益構造の改善に取り組むほか、M&Aや物流現場への先端技術の導入に積極的に取り組んでまいります。また、来年に迫った2024年問題の対応のためにも、恒常的になりつつあるトラックドライバーをはじめとした従業員の不足を補うべく、採用活動を積極的に行うとともに、働き方改革や人材確保のための賃上げに伴う人件費の引上げ、燃料価格や各種調達コストの上昇を含めた適正運賃の確保や更なる効率化等、利益の向上に向けた取り組みを、スピード感を持って進めてまいります。
通期の業績予想につきましては、連結営業収益52,000百万円、連結営業利益3,100百万円、連結経常利益3,150百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,050百万円を見込んでおります。
⑤ 資本の財源および資金の流動性についての分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金需要について)
当連結会計年度において実施した設備投資の総額は1,530百万円であり、その主なものとして、貨物自動車運送事業におきましては、土地の取得503百万円、機械装置及び車輌運搬具の取得444百万円、パソコン等の工具、器具及び備品の取得247百万円、建物及び構築物の取得112百万円、ソフトウエアの取得38百万円等により、総額1,347百万円の設備投資を実施しております。
国際物流事業におきましては、ソフトウエアの取得86百万円、建物及び構築物の取得26百万円、パソコン等の工具、器具及び備品の取得3百万円等により、総額117百万円の設備投資を実施しております。設備投資資金は自己資金および借入金で賄っております。
また、翌連結会計年度については、車輌の代替え、既存の機械・システム等の入替え、貸借中の物流センターの購入等を見込んでおります。設備投資資金は自己資金および借入金で賄う予定であります。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。