E04178 Japan GAAP
前期
1,401.9億 円
前期比
103.1%
株価
7,050 (07/18)
発行済株式数
20,618,244
EPS(実績)
475.50 円
PER(実績)
14.83 倍
前期
665.7万 円
前期比
101.7%
平均年齢(勤続年数)
40.4歳(16.0年)
従業員数
1,103人(連結:3,660人)
当社グループは丸全昭和運輸株式会社(以下当社)と子会社36社及び関連会社5社で構成され、貨物自動車運送事業、港湾運送事業及び構内作業を主な事業とし、更なる営業の強化と深耕、企業体質の改善をはかり、物流市場において「得意先の最良のロジスティクス・パートナー」となることを目指しております。
また、当社と子会社及び関連会社は、夫々地域的な補完と設備の効率的運用により相互に連繋し、業務を展開しております。
当社グループの事業区分の方法は事業内容及び相互関連性に基づき区分しております。
当社グループの事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。
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当社または子会社、関連会社の事業における位置づけ等 |
物流事業 |
事業内容は、主に貨物自動車運送事業、港湾運送事業、倉庫業、通関業等であります。 当社、丸十運輸倉庫(株)、丸全水戸運輸(株)、丸全北海道運輸(株)、丸全九州運輸(株)、丸相運輸(株)、丸全京葉物流(株)、丸全トランスポート(株)、昭和物流(株)、昭和アルミサービス(株)とその子会社SASロジスティックス(株)、(株)スマイルライン、丸全港運(株)、武州運輸倉庫(株)、丸全トランスパック(株)、鹿島タンクターミナル(株)、丸全電産ロジステック(株)、鹿島バルクターミナル(株)、国際埠頭(株)の国内子会社18社と、マルゼン・オブ・アメリカ・インコーポレイテッド、丸全電産儲運(平湖)有限公司、丸全台昭股份有限公司、丸全昭和新加坡有限公司、丸全昭和(香港)有限公司、丸全昭和(広州)物流有限公司、丸全電産ロジステック(株)の子会社ベトナム丸全電産ロジステック会社、マルゼン・エスエイチ・ロジスティクス、丸全昭和(韓国)(株)、マルゼンサウスアメリカ、サイアム丸全昭和(株)の海外子会社11社が行なっております。当社と各子会社は、輸送・保管業務の効率的運営と地域的な補完を目的として相互に提携して一貫輸送を行なっております。 さらに、関連会社である徐州丸全外運有限公司、ユニタイマルゼンロジスティックス(ベトナム)コーポレーション、マルゼン・サムデラ・タイヘイヨー、丸全昭和タイランドリミテッドの各社も物流事業を営んでおり、当社と連携して一貫輸送を行なっております。
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構内作業及び機械荷役事業 |
事業内容は、工場構内での原料、製品、重量物、精密機械等の移送、組立、充填、倉庫への保管、入出荷作業とこれらに附帯する諸作業並びに機械の賃貸であります。 当社、丸十運輸倉庫(株)、丸全茨城流通(株)、丸全流通サービス(株)、丸全関西流通(株)、丸全千葉流通(株)、丸全中部流通(株)、マルゼン・コープ(株)、丸全京葉物流(株)、昭和アルミサービス(株)、丸全電産ロジステック(株)、丸全電産儲運(平湖)有限公司が行なっております。なお、丸全茨城流通(株)、丸全流通サービス(株)、丸全関西流通(株)、丸全千葉流通(株)、丸全中部流通(株)、マルゼン・コープ(株)の各社は、主に当社の協力企業として事業を行なっております。 |
その他 |
事業内容は、主に建設業・不動産業、保険代理業、自動車整備業、警備業等であります。 当社は、建設業等を行なっております。 (子会社) 丸昭自動車工業(株)は、自動車整備業を営み、当社、丸相運輸(株)、丸全トランスポート(株)の車両整備を行なっております。昭和アルミサービス(株)は、警備業を行なっております。 (関連会社) 丸全商事(株)は、主に当社を取引先として、事務機器のリース業、荷役用パレットのレンタル業及び保険代理業を営んでおります。 |
なお、事業系統図については下記の通りであります。
※画像省略しています。
(注)1.*1は連結子会社であり、*2は持分法適用会社であります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、企業収益の緩やかな回復に伴う個人所得や雇用環境の改善、インバウンド需要の増加などを背景に、経済活動の正常化が見られました。しかしながら、円安による原材料価格やエネルギー価格の高騰、国内の物価上昇に加え、アメリカにおける今後の政策動向への懸念、中東情勢、中国経済の減速など、依然として先行き不透明な状況が続きました。
一方、物流業界におきましては、国内貨物の輸送量は、上期において全品目が増加し、総輸送量は堅調に推移いたしましたが、下期に入り、生産関連貨物や建設関連貨物が減少したことから、年間を通じた総輸送量は減少となりました。また国際貨物における、船積み貨物の輸送量においては、輸入消費財や生産財の荷動きが増加した一方、海外自動車市場やEV市場の減速を受けて、自動車関連貨物の荷動きは低調に推移しました。航空貨物については、半導体関連貨物や海外設備投資需要の回復により、一般機械や機械部品の取扱量が増加基調を維持したほか、消費財や生産財も活発な荷動きが続き、総じて貨物取扱量は増加いたしました。
更に、長年に亘って問題となっているドライバー不足や同業者間の価格競争などの問題に加えて、2024年問題への対応が求められました。そしてトラックの燃料価格も、原油価格が上昇した影響により、高止まりで推移しました。
このような状況のもと、当社グループでは、2022年度を初年度とする第8次中期経営計画の最終年度が終了しました。本計画の最終年度の取り組みとして、「成長ターゲット」では、ターゲット企業に対する新規受注を目指し更なる営業の推進、「事業競争力の強化」では、新たな物流プラットフォームを構築し、持続可能な物流サービスを提供できる基盤の整備に取り組むほか、国内外において新たな物流拠点の確保を推進し、ネットワークの拡充を図ってまいりました。そして「企業基盤の強化」では、次期基幹システム(MALoSシステム)の開発を着実に進めるとともに、当社の人的資本の向上を推進するための人材育成や財務・非財務の活動を結びつけた情報開示の強化、協力会社を含めたサステナビリティ活動など各施策を実行し、当社グループ全役員・社員が一丸となり、目標売上・利益の達成に取り組んでまいりました。
(経営成績)
当連結会計年度の売上高は144,572百万円(前年同期比3.1%増)、営業利益は14,648百万円(前年同期比10.9%増)、経常利益は15,769百万円(前年同期比10.5%増)、そして親会社株主に帰属する当期純利益は9,804百万円(前年同期比0.6%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
<物流事業>
物流事業の売上高は前年同期比3.0%増収の125,526百万円、セグメント利益(営業利益)は前年同期比11.4%増益の12,656百万円となりました。
<構内作業及び機械荷役事業>
構内作業及び機械荷役事業の売上高は前年同期比3.9%増収の16,560百万円、セグメント利益(営業利益)は前年同期比8.1%増益の1,499百万円となりました。
<その他>
その他事業の売上高は前年同期比4.0%増収の2,484百万円、セグメント利益(営業利益)は前年同期比8.6%増益の492百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末より3,096百万円減少し、38,105百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、16,267百万円(前年同期比1,752百万円増)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益15,668百万円、減価償却費4,958百万円の計上および、減損損失2,670百万円の計上、そして法人税等の支払額4,933百万円を反映したものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、10,423百万円(前年同期比6,353百万円増)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出7,912百万円を反映したものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、9,122百万円(前年同期2,461百万円増)となりました。
これは主に、自己株式の取得による支出3,159百万円、長期借入金の返済による支出6,996百万円を反映したものです。
③生産、受注及び販売の実績
生産、受注及び販売の実績については、後述する「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
(経営成績の分析)
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前年同期と比較して4,377百万円増加し、144,572百万円(前年同期比3.1%増収)となりました。これは主に、当社では、大型プラント案件の作業継続、高圧ガス製品、電力関連製品の取扱量の増加や継続的な料金改定により増収となりました。一方、子会社では、発電用原料の取扱いが増加したことによるものです。
(営業利益)
当連結会計年度における営業原価は、増収率3.1%に対して2.6%と0.5ポイント低くなりました。また、販売費及び一般管理費ののれん償却額が、418百万円減少しました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は前年同期と比較して1,444百万円増加し、14,648百万円(前年同期比10.9%増益)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、前年同期と比較して126百万円増加し、1,421百万円となりました。
営業外費用は、前年同期と比較して72百万円増加し、301百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は前年同期と比較して1,498百万円増加し、15,769百万円(前年同期比10.5%増益)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は、投資有価証券売却益の増加もあり、前年同期と比較して1,082百万円増加し、2,820百万円となりました。特別損失は補償損失引当金繰入額と固定資産圧縮損が減少しましたが、減損損失の増加により、前年同期と比較して1,858百万円増加し、2,921百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期と比較して62百万円増加し、9,804百万円(前年同期比0.6%増益)となりました。
(財政状態の分析)
(総資産)
当期末の総資産は、192,088百万円となり、前期末と比べ730百万円増加しました。その主な要因は、有形固定資産における建物及び構築物が3,546百万円、流動資産における有価証券が3,001百万円、受取手形、営業未収金及び契約資産が2,318百万円減少し、有形固定資産における土地が5,032百万円、流動資産における現金及び預金が3,204百万円、無形固定資産のその他に含まれているソフトウエア仮勘定が1,784百万円増加したことによるものです。
(負債)
当期末の負債は、59,936百万円となり、前期末と比べ3,479百万円減少しました。その主な要因は、固定負債における社債が1,000百万円増加し、流動負債における短期借入金が3,928百万円、支払手形及び営業未払金が964百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当期末の純資産は、132,151百万円となり、前期末と比べ4,210百万円増加しました。その主な要因は、自己株式の取得により3,135百万円減少し、利益剰余金が6,748百万円増加したことによるものです。なお、自己資本比率は、前期末と比べ1.9ポイント増加し、67.7%となりました。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、売上高、経常利益、ROE(自己資本利益率)が主になります。これらの経営指標は、企業の成長性、収益性、効率性を分析するための基本的な指標であります。当社グループでは、これらの指標を継続的に改善させることにより、中長期的な株主価値の向上を図ってまいります。
第9次中期経営計画では、2025年度に売上高1,530億円、経常利益165億円、ROE9.0%~10.0%の達成を目指しております。
今後も長期的な成長を可能とすべく経営基盤を強化してまいります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載したとおりであります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
セグメントの名称 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減金額 (百万円) |
前年同期比(%) |
||
売 上 (百万円) |
構成比(%) |
売 上 (百万円) |
構成比(%) |
|||
物流事業 |
121,860 |
86.9 |
125,526 |
86.8 |
3,666 |
3.0 |
構内作業及び 機械荷役事業 |
15,944 |
11.4 |
16,560 |
11.5 |
615 |
3.9 |
その他 |
2,389 |
1.7 |
2,484 |
1.7 |
95 |
4.0 |
合 計 |
140,194 |
100.0 |
144,572 |
100.0 |
4,377 |
3.1 |
<物流事業>
貨物自動車運送事業については、関東地区では、建設機械や住宅資材の取扱い減少がありましたが、IT機器や住宅設備機器の取扱い増加がありました。中部地区では、住宅設備機器や断熱材の取扱い増加がありました。関西地区では、油脂や電力機器関連の取扱い増加がありました。さらに、モーター関連製品の取扱い増加もあり、貨物自動車運送事業全体では、増収となりました。
港湾運送事業については、関東地区では、建設機械の取扱い減少がありましたが、化成品やプラント設備、発電用原料の取扱い増加がありました。港湾運送事業全体では、増収となりました。
倉庫業については、関東地区では、化成品やIT機器の取扱い増加がありましたが、医薬品や日用雑貨、木質ペレットの取扱い減少がありました。中部地区では、住宅設備機器の取扱い増加がありました。関西地区では、電力機器関連の取扱い増加がありましたが、断熱材や日用雑貨の取扱い減少があり、倉庫業全体では、若干の減収となりました。
鉄道利用運送事業については、穀物やロール紙の取扱い増加があり、増収となりました。
物流附帯事業については、外航船収入では、建設機械の取扱い減少があり、減収となりました。内航船収入では、発電用原料や穀物の取扱い増加があり、増収となりました。梱包収入では、精密機器の取扱い増加があり、増収となりました。物流附帯事業全体では、増収となりました。
<構内作業及び機械荷役事業>
構内作業については、発電用原料やステンレスの取扱い増加があり、構内作業及び機械荷役事業全体では、増収となりました。
<その他事業>
地代収入については、新規取引開始があり、増収となりました。その他事業全体では、増収となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりです。
(資本の財源)
当社グループは、運転資金および設備投資資金につきましては、自己資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、設備投資などの長期資金については、社債および長期借入金での調達を基本としております。また、運転資金の効率的な調達を行うため、複数の金融機関との間で当座貸越契約を締結しております。
なお、重要な設備投資の計画につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画(1)重要な設備の新設」に記載のとおりです。
(資金の流動性)
当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物は38,105百万円となっており、当社グループの事業活動をしていく上で充分な流動性を確保していると考えています。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。