E31635 Japan GAAP
前期
1,108.7億 円
前期比
102.2%
株価
3,230 (04/25)
発行済株式数
25,690,766
EPS(実績)
118.99 円
PER(実績)
27.14 倍
前期
560.0万 円
前期比
94.6%
平均年齢(勤続年数)
40.7歳(5.0年)
従業員数
163人(連結:5,916人)
当社は、2015年10月1日に名糖運輸株式会社及び株式会社ヒューテックノオリンが、共同株式移転の方法により両社を完全子会社とする株式移転設立完全親会社として設立されました。
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、提出会社、子会社15社及び関連会社2社(※1)により構成されており、物流サービスの提供を主要な事業としております。
事業内容と当社及び子会社の当該事業における位置づけ、ならびに事業のセグメントとの関連は以下のとおりであります。
※1.関連会社は、直販配送株式会社、株式会社名糖蓼科山荘であります。
※2.TC事業(通過型センター事業):TCとはTransfer Center の頭文字をとって表記しております。
※3.DC事業(保管在庫型物流事業):DCとはDistribution Center の頭文字をとって表記しております。
事業の系統図は次のとおりであります。
当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動や消費行動の制限が徐々に緩和され、景気に緩やかな持ち直しの動きがみられました。一方で、物価の上昇や為替相場の急激な変動など、経済の先行きは依然として不透明なまま推移いたしました。
当社グループが主軸をおく低温食品物流業界におきましては、ライフスタイルの変化を背景に冷凍・冷蔵食品の貨物需要は底堅いものの、コロナ禍を契機として、生活者の消費行動には業態ごとに異なる変化が見られ、外食機会の減少により落ち込んでいた業務用食品の荷動きは回復してきた一方で、インバウンド需要は回復途上にあり本格的な需要回復には至らない状況が継続することとなりました。また、原油価格の高騰を背景としたエネルギー価格の上昇や働き方改革の推進に向けた労務コストの上昇などを背景に、各社とも値上げに踏み切るものの消費の低迷により不確実な経営環境への対応を迫られることとなりました。
このような社会環境の急激な変化の中、当社グループは今年度より開始する新たな中期経営計画を策定いたしました。基本方針として「新たなコールドチェーンのニーズをつなぐ持続可能な低温物流の実現」を掲げ、当社グループが誇るチルド・フローズンの物流機能を通じ、食のライフラインの維持と豊かな社会の実現を達成するための具体的な施策を策定いたしました。新規事業として、成長著しいEC関連物流や医薬品物流への進出を計画し、EC関連物流では既存インフラを活用した低温食品の物流事業を開始し、医薬品物流においては徐々に業務を受託し輸配送実績を積み重ねてまいりました。しかしながらエネルギー価格が上振れし、主に冷凍・冷蔵倉庫で使用する電気料金や輸配送トラックで使用する燃料費が大きく増加したことや、物流の2024年問題に備えた労務コストの上昇などが利益を押し下げる結果となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、営業収益は1,133億50百万円(前年同期比2.2%増)、営業利益は44億3百万円(前年同期比1.8%減)、経常利益は49億35百万円(前年同期比3.3%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、30億57百万円(前年同期比7.8%減)となりました。
セグメント別の経営成績を示すと、次のとおりであります。
a.TC事業(通過型センター事業)
新型コロナウイルスの感染防止と経済活動の両立が進められ、人流が回復に向かったものの、飲食料品の段階的な値上げが消費者の購買行動に影響を与え、各顧客別の取り扱い物量にはばらつきが生じました。一方で、新たな物流施設の開設に伴い新規顧客の獲得が進んだことやEC関連業務を開始したことなどが収益を押し上げ、営業収益は723億67百万円(前年同期比1.7%増)となりました。
セグメント利益につきましては、エネルギー価格の高騰による電気料金や燃料費の増加、従業員の処遇改善や正社員化促進による労務費の増加はあったものの、収益性の高い事業の取り込みや既存事業の物量回復に伴う収益性の向上、世界的な半導体不足等に起因する車両の買い替え遅延による減価償却費の減少などにより営業原価が削減され、34億18百万円(前年同期比10.6%増)となりました。
b.DC事業(保管在庫型物流事業)
既存事業における物流再編の影響により減収となった顧客はあったものの、外食機会の回復により業務用冷凍食品の物量は回復し、市販用冷凍食品の物量も堅調に推移したことや、新たな物流施設の稼働に伴う新規業務の受託等によって収益を確保し、営業収益は391億78百万円(前年同期比3.2%増)となりました。
セグメント利益につきましては、業務の効率化・内製化を進めたことによる人材派遣費用等の削減効果はあったものの、エネルギー価格の高騰による電気料金や燃料費の増加、新規施設の稼働に伴う減価償却費等の固定費の増加などにより営業原価が膨らみ、50億58百万円(前年同期比6.9%減)となりました。
c.その他
警備輸送業・病院等関連物流業・人材派遣業・保険代理店業等により営業収益は18億3百万円(前年同期比2.7%増)、セグメント利益は1億69百万円(前年同期比2.8%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ24億12百万円増加し81億68百万円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた「資金」は、90億51百万円(前年同期 88億59百万円の資金の獲得)となりました。
これは主に、「税金等調整前当期純利益」及び「減価償却費」等、資金の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用された「資金」は、58億32百万円(前年同期 83億99百万円の資金の使用)となりました。
これは主に、「有形固定資産の取得による支出」等、資金の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用された「資金」は、8億78百万円(前年同期 21億84百万円の資金の使用)となりました。
これは主に、「長期借入金の返済による支出」及び「リース債務の返済による支出」等、資金の減少によるものであります。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を払っている全ての負債を対象としております。また利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
a.営業収益実績
当連結会計年度の営業収益実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループの事業内容は、輸配送、保管、荷役等の物流サービスであり、生産、受注及び販売に該当する金額あるいは数量は開示しておりません。
(注) 1.金額はセグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.主要受託先別の営業収益実績及び当該営業収益実績の総営業収益実績に対する割合は次のとおりであります。
b.外注実績
当社グループは、保管・荷役及び輸配送等の一部を外注に依存しております。
当連結会計年度における外注実績をセグメントに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.外注比率は事業の種類別セグメントの営業収益実績に対する外注実績の割合であります。
2.外注内容は主に外注配送、外注倉庫、外注荷役、外注委託作業であります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用した重要な会計方針等につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表(注記事項)(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載し、会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表(注記事項)(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
当連結会計年度における営業収益は、コロナ禍を契機として外食機会の減少により落ち込んでいた業務用食品の荷動きは回復してきた一方で、インバウンド需要は回復途上にあり、本格的な需要回復には至らない状況が継続しておりますが、新規事業であるEC関連物流や医薬品物流の輸配送実績を積み重ねたことにより、1,133億50百万円(前年同期比2.2%増)となりました。各報告セグメントの外部顧客に対する営業収益に占める割合は、TC事業63.8%、DC事業34.6%、その他1.6%となりました。
財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ27億92百万円増加し913億51百万円となりました。このうち流動資産につきましては、前連結会計年度末に比べ22億36百万円増加し211億88百万円となりました。これは主に現金及び預金が24億12百万円増加したことなどによるものであります。また、固定資産につきましては、前連結会計年度末に比べ5億55百万円増加し701億62百万円となりました。これは主にリース資産が10億14百万円減少したものの、建設仮勘定が16億57百万円増加したことなどによるものであります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末に比べ8億42百万円増加し437億3百万円となりました。このうち流動負債につきましては、前連結会計年度末に比べ4億97百万円増加し169億94百万円となりました。これは主に1年内返済予定長期借入金が2億37百万円、未払法人税等が2億76百万円減少したものの、その他で11億56百万円増加したことなどによるものであります。また、固定負債につきましては、前連結会計年度末に比べ3億45百万円増加し267億9百万円となりました。これは主に退職給付にかかる負債が14億15百万円減少したものの、長期借入金が19億3百万円増加したことなどによるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ19億49百万円増加し476億47百万円となり、自己資本比率は51.3%となりました。
キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、労務費、外注費であります。投資を目的とした資金需要は、設備等によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入金を基本としております。
資金需要を満たすための資金は、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローを財源としますが、巨額の資金需要に対応する場合等は、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保及び財務の健全性・安定性を維持するため、金融機関等から借入等を行う方針であります。資金調達を行う際は、期間や国内の市場金利動向等、また自己資本比率、DEレシオ(負債資本倍率)やROEといった財務指標への影響度等を総合的に勘案しながら、最適な調達を実施しております。