株式会社ビーイングホールディングス

上場日 (2020-12-15)  陸運業物流スタンダード

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

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最終更新:

E36140 Japan GAAP

売上高

263.2億 円

前期

230.2億 円

前期比

114.3%

時価総額

155.0億 円

株価

2,599 (04/25)

発行済株式数

5,962,500

EPS(実績)

188.34 円

PER(実績)

13.80 倍

平均給与

590.3万 円

前期

568.2万 円

前期比

103.9%

平均年齢(勤続年数)

46.7歳(11.7年)

従業員数

44人(連結:941人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当社グループは、当社及び連結子会社11社で構成されており、顧客のロジスティクス(注1)を企画・提案して、自社及び顧客の物流センターの輸送・保管・包装・荷役・流通加工・情報システムの構築を一貫して推進する3PL(注2)事業を主軸に、同業他社に3PL事業をプロデュースしてサプライチェーン全体を管理する4PL(注3)事業を、グループで連携を図り展開しております。当社グループのセグメントの区分は、主に物流センターの運営(構内業務・配送業務)及びコンサルティング業務等を行う「物流事業」、及び旅客事業(タクシー、バス)、不動産業、システム開発、保険代理業、自動車整備業、燃料販売業等を行う「その他」となっております。なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

 

当社グループが顧客へ提供する物流改革の特徴として、メーカー、卸売、小売間でそれぞれ実施する拠点間配送、在庫管理、検品作業などを拠点物流センターに集約し、構内作業工程や配送業務の徹底した合理化により全体最適化する「運ばない物流」を提案・構築・運営しております。

 

物流拠点の事業展開エリアとしては、設立以降、北陸地方を中心に事業を展開しておりましたが、その後、業務の評判や取引先等からの紹介により物流コンサルティングの引き合いを受けたことを契機に、東海・近畿地方へと事業エリアを拡大しました。また、2013年には顧客から積雪時の安全な輸送について相談を受けたことを契機に、関東・東北地方において物流事業を受託し、更なる事業エリアの拡大を実現しております。

このように、当社グループでは、全国展開へ向けて物流拠点数の拡大を加速しており、2023年12月期末時点では、北陸地方4県に21拠点、関東地方1都4県に16拠点、その他2府8県に21拠点の計58拠点を運営しております。

なお、各期末における都道府県別の物流拠点数の推移は以下のとおりです。

※画像省略しています。

当社グループでは、取り扱う商品を生活物資に特化しており、3温度帯(常温・冷蔵・冷凍)の食品、医薬品、化粧品、日用品の小口物流に強みを持ち、卸売企業及びコンビニエンスストア、スーパーマーケット、ドラッグストアの物流センター運営を受託しております。

また、当社グループでは、物流システムであるWMS(注4)(倉庫管理システム)、TMS(注5)(輸配送管理システム)、PMS(注6)(生産性管理システム)及びDMS(庸車管理システム)(注7)を自社開発、又はメーカーと協働し開発しております。これらの情報システムの構築及び当社グループ独自の設備や機材により、顧客それぞれの特性に合わせたオリジナルの物流システムを構築できることが当社グループの最大の強みであります。

 

[用語解説]

(注1)ロジスティクス

サプライチェーンプロセスの一部であり、顧客の要求を満たすため、発生地点から消費地点までの効率的・発展的な「もの」の流れと保管、サービス、及び関連する情報を計画、実施、及びコントロールする過程。

(注2)3PL(3rd Party Logistics)

競合他社に真似できない核となる能力に集約した経営を指向する企業が、企業戦略として、物流機能の全体もしくは一部を第三の企業に委託することで実現する物流業務形態のひとつ。

(注3)4PL(Fourth Party Logistics)

3PLに優れたノウハウを持つ物流企業が、別の物流企業に自社のノウハウを用いて3PL物流をプロデュースするなど、3PLにロジスティクス戦略の企画・推進を行うコンサルティング要素が加わったソリューション。

(注4)WMS(Warehouse Management System)

倉庫管理システムを言い、物流センター内の一連の作業、具体的には入荷・在庫・流通加工・帳票類の発行・出荷・棚卸などを効率化し、一元的に管理する情報ツール。導入することで人的ミスを最小化し、作業時間短縮、生産性向上に役立つ。

(注5)TMS(Transport Management System)

輸配送管理システムを言い、商品が物流センターから出荷された後、届け先までの輸配送をトータルに管理する情報ツール。トラックやドライバーの手配やGPSによる車両の位置管理に役立つ。

(注6)PMS(Productivity Management System)

生産性管理システムを言い、「勤怠」「業務」「作業」実績を計測・集計し、分析・予測データをリアルタイムで、物流センター全体から個人別に至るまでの生産性を管理する情報ツール。物量に合わせた適切な勤怠シフト作成、レイバー管理及び作業別・個人別の動態管理を行うことが可能であるほか、勤務シフトと連携しながら、日次から月次まで労働時間を管理していくことが可能であり、生産性の向上や労務管理に役立つ。

(注7)DMS(Delivery Management System)

TMSとPMSの機能を拡張し、協力会社との円滑な協力体制の強化を目的として開発。協力会社に委託する配送業務を日次で管理する情報ツール。電子請求書に対応し、経理処理の迅速化に役立つ。

 

セグメント別の区分は次のとおりであります

セグメント

サービス内容及び各社の業務

物流事業

サービス内容は、主に物流センターの運営(構内業務・配送業務)及びコンサルティング業務等であります。

(物流コンサルティング)

当社

(物流構内業務・配送業務)

株式会社アクティー

株式会社福井アクティー

株式会社東京アクティー

株式会社コラビス

株式会社A2ロジ

株式会社横浜LSP

その他

サービス内容は旅客事業(タクシー、バス)、不動産業、システム開発、保険代理業、自動車整備業、燃料販売業等であります。

(旅客事業)

株式会社オリエンタル

(不動産業)

当社

(システム開発)

株式会社Gappa

(保険代理業)

株式会社ベプロ

(自動車整備業)

株式会社田川自動車

(燃料販売業)

北陸物流効率化事業協同組合

 

a.物流事業

従来の物流業界は、運搬量に応じて収益を計上するシステムによるビジネスモデルが主流であります。その中において、当社グループでは、いかに「運ばない物流」を構築するかという技能、技術、マネジメントの手法を提供しております。拠点間に複数ある物流倉庫を1つにまとめ、生産者から消費者までの物流の作業行程を合理化して、顧客の管理コスト、保管コスト、移動コスト、配送コストを低減しております。メーカーやベンダーからの商品入荷管理及び小売店の発注から納品までの動きを可視化して、流通プロセスのボトルネックを発見し改善することで物流を全体最適化し、顧客の物流戦略に対する強力なサポートを実現しております。

 

※画像省略しています。

 

当社グループでは、物流サービスとして、顧客の「困っていること」を解決し、「求めていること」が実現できるように、「詳細な原価計算」に基づき、オーダーメイドで物流をデザインしております。当社グループの各物流センターでは、「自ら育つことを教える」という教育理念の下で経験を積んだ社員を配置しており、多種多様な物流現場の立ち上げ業務や改善業務に従事しております。

物流センターの運営は、準備段階から高品質を維持するしくみを丁寧に構築しております。新規事業を受託する場合において、構内業務では、地域の雇用を考え、近隣で働く気持ちのある人を多く受け入れられるように、全自動化などの「人の代わり」ではなく、「人を補助する」しくみにこだわり、設備、道具、IT等をメーカーと共同開発し、「ヴォコレクト」(注1)「お化けリフト」(注2)「カゴ車用リフトアタッチメント」(注3)「ピッキング用台車」(注4)などを導入しております。

配送業務では、事前に配送先となる全ての店舗を視察し、「店舗カルテ」を制作しております。「店舗カルテ」は、「物流のお医者様」という意味を込めております。カルテには、ルート、バックヤード位置、荷下ろし手順等は勿論、その配送先ひとつひとつのルールや要望、注意点が詳細に掲載されており、更に店舗周辺環境における注意点、通学路(当社グループでは運行ルートから外しています。)の状況まで掲載しております。「店舗カルテ」により、担当ドライバーを固定しなくても、常に高品質の配送を提供できるしくみを構築しております。

当社グループは、物流センター内のWMSによる在庫量や入庫・出庫業務の進捗状況及びTMSによる配送の進捗状況などをⅠTシステムにより「見える化」しており、更にその情報を顧客側もインターネット経由で同時に確認し共有することができる「見せる化」するシステムを構築しております。

 

 

※画像省略しています。

 (注1)「ヴォコレクト」とは、音声認識ソリューション(ピッキングシステム)であります。耳で作業指示を聞き、声で応答するアイズフリー、ハンズフリーを実現してピッキング作業の安全性、生産性を向上させます。

 (注2)「お化けリフト」とは、カゴ車を最大8台運ぶことができる大型のハンドリフト(電動式)であります。

 (注3)「カゴ車用リフトアタッチメント」とは、リフトピッカーに直接カゴ車を設置できるアタッチメントであります。

 (注4)「ピッキング用台車」とは、オリコン(折り畳みコンテナ)、オリコン台車、ピッキングカートを組み合わせた当社グループオリジナルの台車であります。

 

b.その他

当社グループでは、物流事業の補完及び事業の多角化を目的として、グループ子会社において以下の事業を営んでおります。

株式会社オリエンタルは、旅客事業として、タクシーの運行、貸切バス・観光タクシーのサービス及び旅行プランの作成などを行っております。旅行プランニングは、顧客一人ひとりに合わせたオンリーワンの観光ツアーの実現を手厚くサポートしております。

株式会社Gappaは、当社グループの情報システムの保守、メンテナンス、カスタマイズ及び事業所のサポートを行っております。新システムの開発及び販売は、当社事業開発部が窓口となり統制・運営しておりますが、開発案件によって株式会社Gappaと連携・調整・分担をしております。

株式会社ベプロは、多くのトラック、バス、タクシーを運用する当社グループと密接な業務として、一般、法人向けの保険代理店業務及び、グループ会社の管財物件や車両の各種保険を取り扱っております。

株式会社田川自動車は、貨物用の大型自動車から軽自動車まで車検や一般整備等を行っており、また、顧客の新車・中古車の購入の相談についても、丁寧に専門家が対応しております。

北陸物流効率化事業協同組合は、軽油・レギュラーの2種類を取り扱い、当社敷地内、石川県白山市内及び福井県福井市の当社物流センター敷地内でガソリンスタンドの運営をしております。

上記のほか、当社では、不動産業として、当社が所有する物流センター等の一部を顧客に賃貸しております。

 

 

[事業系統図]

事業の内容を事業系統図により示すと次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

24/03/29

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

① 経営成績の分析

 当連結会計年度における経済状況としては、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類感染症に移行したことで、人流も活発化し個人消費が回復傾向となるとともに、インバウンド需要も回復するなど経済活動正常化に向けた動きが一段と加速してまいりました。しかしながら、前年からの資源、エネルギー、原材料などの高騰による影響で、水道光熱費や燃料費が高止まりで推移しており、それに伴い多くの企業が製品の値上げや段階的な価格上昇を行っており、先行き不透明な状況が続いております。

 物流業界においては、資源エネルギー価格の高騰や賃金ベースの上昇、社会保険料適用範囲の拡大等によって物流原価が高騰する厳しい状況が続いております。また、トラックドライバーの時間外労働時間の規制等、いわゆる物流の2024年問題が迫ってきております。そうした状況下において、AIやIoTを取り入れた物流のデジタルトランスフォーメーションによって、物流管理コストの圧縮や配送コースの効率化を行うことで物流原価の低減に取り組む企業が増加しております。

 このような社会情勢の下、当社グループは、クリーンエネルギーへの転換、従業員の賃金の見直し、2024年問題に係るドライバーの時間外労働時間の改善を図るとともに、「生活物資に特化した物流への経営資源の集中投資」「関東から全国への展開を見据えた物流基盤の構築」「将来を見据えAI・ITを導入した物流システムの構築」の3つを成長戦略とし、業務に取り組んでおります。

 当連結会計年度においては、資源エネルギー価格の高騰やサステナビリティに対応していくため、金沢本社及び隣接する金沢SCMセンター、白山第3センターに太陽光パネルを設置し、これまでの消費電力の一部をクリーンエネルギーに転換しております。また、走行時にCO2の排出がゼロになる水素を燃料とした燃料電池小型トラックを新たに導入しており、持続可能な社会の実現に貢献すべく、さらなるCO2排出量削減に取り組んでおります。また、新規センター稼働に向けた準備と、近隣センターへの協力体制を構築し、適時対応しながら、拠点の安定的な人材確保に取り組み、業務の合理化を進めて参ります。

 前年稼働させた7拠点は安定稼働しており、既存業務と併せて堅調に事業を拡大しております。業務拡大に伴い、3月に「仙台TC」、9月に「長岡日配センター」の2センターを移転、4月に「山梨センター」、9月に「八千代配送センター」、「白山村井センター」、10月に「大阪TC」の4センターを新規稼働させております。また、配送業務の合理化を図るため、6月に「成田TC」、「成田低温センター」を閉鎖、センター業務の合理化を図るため、8月に「静岡TC」を閉鎖し、既存の「静岡低温センター」に統合、11月に「福井MSセンター」を閉鎖し、既存の「金沢SCMセンター」に統合しております。

 

 以上の結果、当社グループの当連結会計年度における経営成績は、営業収益26,322百万円(前年同期比14.3%増)、営業利益1,796百万円(前年同期比38.0%増)、経常利益1,817百万円(前年同期比32.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,123百万円(前年同期比28.5%増)となりました。

 

 なお、当社グループは「物流事業」を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載を省略しております。

 

② 財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は7,651百万円となり、前連結会計年度末に比べ940百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が462百万円および営業未収入金が421百万円増加したことによるものであります。固定資産は9,193百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,342百万円増加いたしました。これは主に建物及び構築物が531百万円、機械装置及び運搬具が67百万円、土地が457百万円、リース資産が107百万円及び投資その他の資産が158百万円増加したことによるものであります。

 この結果、総資産は、16,845百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,282百万円増加いたしました。 

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は7,634百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,772百万円増加いたしました。これは主に営業未払金が178百万円、短期借入金が1,600百万円及び未払費用が128百万円増加した一方で、1年内返済予定の長期借入金が269百万円減少したことによるものであります。固定負債は3,001百万円となり、前連結会計年度末に比べ593百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が686百万円減少したことによるものであります。

 この結果、負債合計は、10,636百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,179百万円増加いたしました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は6,209百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,103百万円増加いたしました。これは主に資本金が13百万円、資本剰余金が13百万円及び利益剰余金が970百万円増加したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は35.1%(前連結会計年度末は33.7%)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ462百万円増加し、当連結会計年度末には4,049百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は1,899百万円(前年同期は1,269百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,813百万円、減価償却費667百万円、売上債権の増加421百万円及び仕入債務の増加178百万円によるものであります。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は1,598百万円(前年同期は524百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,494百万円によるものであります。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は161百万円(前年同期は940百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入れによる収入1,600百万円及び新株予約権の行使による株式の発行による収入26百万円がありましたが、長期借入金の返済による支出955百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出331百万円等があったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

b.受注実績

当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

物流事業

25,685

14.3

その他

637

11.8

合計

26,322

14.3

 (注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

 

相手先

前連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社クスリのアオキ

6,458

28.0

8,326

31.6

三菱食品株式会社

3,680

15.9

3,747

14.2

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを行っております。経営者による会計上の見積りは、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、会計上の見積りには不確実性があるため、実際の結果と見積りとは異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(営業収益)

前連結会計年度末に立ち上げた業務が通年稼働したことや、既存業務の拡大により、堅調に増収しております。また、新規業務受託に伴い、「山梨センター」、「八千代配送センター」、「白山村井センター」、「大阪TC」の4拠点を開設、業務拡張に伴い「仙台TC」、「長岡日配センター」を移転、既存業務の配送効率向上を図るため、「成田TC」、「成田低温センター」の2拠点を閉鎖、センター業務の合理化を図るため、「静岡TC」を閉鎖し、「静岡低温センター」へ統合、「福井MSセンター」を閉鎖し、「金沢SCMセンター」へ統合をしております。この結果、営業収益は26,322百万円(前連結会計年度比14.3%増)となりました。

(営業原価、営業総利益)

新規業務及び新規物流センター稼働に伴うイニシャルコストの発生や燃料単価高騰による燃料費及び水道光熱費の上昇、最低賃金上昇による人件費高騰等の影響から営業原価が増加しましたが、太陽光パネルによるクリーンエネルギーへの転換や配送効率向上およびセンター業務の合理化を図った既存センターの統廃合をしながら物流業務の合理化に取り組み営業原価の圧縮を図ったことにより、営業原価は23,248百万円(同13.2%増)となりました。この結果、営業総利益は3,074百万円(同23.2%増)となりました。また、営業総利益率は11.6%(前連結会計年度は10.8%)となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

管理スタッフの増員による労務費の増加、新型コロナウイルス感染症の規制緩和に伴う旅費交通費の増加、DX推進のための新管理システムを導入したことなどにより、販売費及び一般管理費は1,278百万円(前連結会計年度比7.0%増)となりました。この結果、営業利益は1,796百万円(同38.0%増)となりました。

(営業外収益・営業外費用及び経常利益)

助成金収入27百万円、受取保険金6百万円等を計上したこと等により営業外収益は52百万円となりました。また、支払利息26百万円、シンジケートローン費用等4百万円等を計上したことにより営業外費用は30百万円となりました。この結果、経常利益は1,817百万円(同32.1%増)となりました。

(特別利益及び親会社株主に帰属する当期純利益)

固定資産売却益3百万円を計上したことにより特別利益は3百万円となりました。また、固定資産売却損7百万円を計上したことにより特別損失は7百万円となりました。法人税等を570百万円、非支配株主に帰属する当期純利益119百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は1,123百万円(同28.5%増)となりました。

 

また、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の各指標等の達成・進捗状況については、以下のとおりであります。

経営指標

前連結会計年度

(2022年12月31日)

当連結会計年度

(2023年12月31日)

実 績

計 画

実 績

顧客数(社)

24

25

25

拠点数(拠点)

58

62

58

輸送力(台)

1,253

1,211

1,377

(注)1.顧客数は、年間の営業収益が1億円以上の取引先のみ記載しております。

2.拠点数は、既存の4拠点を統廃合し新たに4拠点開設したことにより、2023年12月31日現在58拠点となりました。

3.輸送力は、新規拠点開設に伴う自社車両の増加や新たな協力会社が増加した結果、2023年12月31日現在1,377台となりました。なお、総台数における自社車両台数は305台であります。

 

上記のとおり、当連結会計年度においては、順調に進捗しており、当社グループの中長期的な経営戦略は概ね計画どおりに進捗しているものと判断しております。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの事業活動における資金需要としては、事業運営を円滑に行うための費用や一般管理費等の営業費用として充当される運転資金と物流センター等の事業拠点の新設や車両の入替のために充当される設備資金があります。なお、当社グループの設備投資計画等の内容については「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。

また、これらの必要資金の財源については、いずれも原則として内部留保による手元資金の充当及び社債や銀行借入れ等の有利子負債により調達しております。なお、設備資金のための銀行借入については、株式会社三菱UFJ銀行をエージェントとするシンジケートローンを締結しており、当連結会計年度末における借入金実行残高は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結貸借対照表関係」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 貸借対照表関係」に記載しております。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照下さい。

 

⑤ 経営者の問題意識と今後の方針に関して

経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。