E02708 Japan GAAP
前期
499.8億 円
前期比
113.6%
株価
967 (05/02)
発行済株式数
26,801,452
EPS(実績)
92.46 円
PER(実績)
10.46 倍
前期
726.9万 円
前期比
100.8%
平均年齢(勤続年数)
41.3歳(15.5年)
従業員数
228人(連結:1,718人)
当グループは、当社、子会社27社及び関連会社5社並びにその他の関係会社1社で構成されております。
当グループの事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。
なお、セグメントと同一の区分であります。
① 機械部門
当部門は、自動車・食品・化学業界を主体とするユーザー向けの装置や機械設備の設計・製造及び輸入販売を行っております。
② 化成品部門
当部門は、主として自動車製造ライン向けシーリング材やアンダーコート等の防錆対策材料や環境及び車体軽量化のための剛性補助材並びに住宅向け複層ガラス用シーラントや新素材を応用した機能性製品をユーザーとの共同開発により製造・販売を行っております。
③ 化学品部門
当部門は、自動車・電機等の広範囲な製造分野を対象市場とする生産ライン向け洗浄剤・防錆剤・塗装剥離剤等の一般工業用ケミカル品の製造販売及び鉄鋼業界向けデスケーリング用ケミカル及び関連装置(ソルトバス)等の設計施工・販売を行っております。
④ 産業用素材部門
当部門は、自動車及びエアコン用の防音・防振材をユーザーニーズに基づきユーザーとの共同開発を含め製造・販売を行っております。日本、タイ、ベトナム、中国(上海、広州)、チェコ、トルコに生産拠点を配置し、グローバルな供給体制を推進しております。
⑤ 化工品部門
当部門は、電子部品や半導体、ディスプレイ製造向けの電子産業用ファインケミカル、撥水剤やワックス等のカーケアケミカル、鉄道・航空機・船舶整備向けケミカル、工業用熱風機並びに乾燥剤の開発・製造・販売を行っております。
⑥ その他
当部門は、製商品や原材料の貿易業務を主体とし、燃料等の石油関連製品の販売等を行っております。
以上に述べたセグメントの系統図は次のとおりであります。
当社及び当社の関係会社は、当社グループである当社、子会社27社及び関連会社5社並びにその他の関係会社1社より構成され、当社グループは機械、化成品、化学品、産業用素材、化工品及びその他の6部門で事業を行っております。
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が和らぐ中で経済活動の正常化が進み、国内需要を中心に景気は緩やかな持ち直しの動きが続きました。一方で、ウクライナ情勢の長期化や世界的な金融引き締めを背景とした世界経済の減速懸念、急激な為替変動や原材料価格の上昇、半導体を巡る米中貿易摩擦による影響等、依然として先行き不透明な状況が継続しております。
このような状況のもと当社グループは、社会情勢の変化や需要を的確に捉え、将来を見据えた幅広い視野を持ち、高い付加価値が込められた製品を提案すること、そのような付加価値を創出する「コト作り」に注力した製品開発に繋げ、更に高いレベルでの技術サービスの提供とグローバル化を推進し、持続的な成長と顧客の信頼を獲得するよう努めてまいりました。
当社グループの主力の取引先である自動車業界は日本国内では半導体の供給制限の状況は緩和しつつありますが、原材料価格高騰等の影響を受けております。海外子会社では為替の円安の影響により売上は増加しておりますが、上海ロックダウンの影響による工場の生産停止が長期間にわたり発生しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は56,786百万円(前年同期比13.6%増)、営業利益は3,655百万円(同36.2%増)、経常利益は3,809百万円(同24.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,478百万円(同62.9%増)となりました。
セグメントの経営成績につきましては、次のとおりであります。
・機械部門
食品業界向け輸入機械販売は順調に推移しましたが、自動車業界向け設備の製造販売におきましては、新車開発の遅延や設備導入計画の廃案により受注が減少、また部品材料価格が高騰したことにより減収減益となりました。
当部門の売上高は、2,794百万円(同3.4%減)、営業利益は97百万円(同61.5%減)となりました。
・化成品部門
自動車業界向けの製造販売は、国内におきましては半導体の供給制限の緩和傾向により自動車生産台数は回復しつつあります。海外におきましては円安の影響により売上高は増加し、営業利益については原材料高騰の影響はありましたが、一部製品の収益改善もあり増収となりました。
当部門の売上高は20,571百万円(同16.0%増)、営業利益は1,015百万円(同199.0%増)となりました。
・化学品部門
海外向け設備の検収完了があり、前年より増収となりましたが、国内市場向けの工業用ケミカルの製造販売は自動車メーカーの関連ラインにおける稼働の制限と原材料高騰による影響で減益となりました。
当部門の売上高は6,394百万円(同0.8%増)、営業利益は177百万円(同54.6%減)となりました。
・産業用素材部門
自動車用防音材の製造販売は、国内におきまして一部の自動車メーカーでは半導体の供給制限の緩和傾向により自動車生産台数は回復しつつありますが、海外におきましては部品供給不足により低調に推移しました。家電用防音材の製造販売はアジア圏では上海ロックダウンによる部品供給制限の影響等がありましたが、欧州においては天然ガス価格高騰に伴う省エネヒートポンプ暖房機普及拡大により好調に推移しました。
当部門の売上高は16,497百万円(同18.1%増)、営業利益は1,369百万円(同76.8%増)となりました。
・化工品部門
国内カーケアケミカルは、社会経済活動がコロナ禍前に回復しつつあり増収となりましたが、原材料価格や物流費の高騰等により利益は前期並みとなりました。国内外のファインケミカル製造販売は、パソコンやスマートフォン等電子デバイスの需要減退による部材の在庫調整等により減収減益となりました。
当部門の売上高は6,263百万円(同6.1%増)、営業利益は627百万円(同17.8%減)となりました。
・その他部門
その他部門は主に化学原料の輸出入の増加により増収増益となりました。
当部門の売上高は4,265百万円(同36.0%増)、営業利益は367百万円(同127.5%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ、1,772百万円増加の15,153百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益3,765百万円(前期は3,049百万円)、減価償却費1,567百万円(前期は1,494百万円)、売上債権の増加による1,469百万円の減少(前期は105百万円の増加)、棚卸資産の増加による931百万円の減少(前期は998百万円の減少)、仕入債務の増加による1,064百万円の増加(前期は343百万円の減少)等により、4,165百万円の収入(前期は2,102百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1,058百万円(前期は1,098百万円の支出)、有形固定資産の売却による収入33百万円(前期は103百万円の収入)、定期預金の増加による1,406百万円の支出(前期は365百万円の支出)等により、2,506百万円の支出(前期は1,462百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、セール・アンド・リースバックによる収入237百万円(前期は146百万円の収入)、長期借入れによる収入1,500百万円(前期は299百万円)、長期借入金の返済による支出1,087百万円(前期は644百万円の支出)、配当金の支払401百万円(前期は432百万円の支出)等により、482百万円の支出(前期は1,693百万円の支出)となりました。
③ 成約及び販売の実績
a.成約実績
当連結会計年度における成約実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
成約高 |
成約残高 |
||
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
機械部門 |
3,063 |
115.1 |
1,037 |
135.0 |
化成品部門 |
20,584 |
116.5 |
179 |
108.1 |
化学品部門 |
6,578 |
111.1 |
504 |
157.3 |
産業用素材部門 |
15,582 |
110.9 |
307 |
25.1 |
化工品部門 |
6,296 |
106.8 |
111 |
143.4 |
その他 |
4,665 |
272.4 |
559 |
352.1 |
計 |
56,772 |
118.5 |
2,700 |
99.5 |
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
b.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
機械部門 |
2,794 |
96.6 |
化成品部門 |
20,571 |
116.0 |
化学品部門 |
6,394 |
100.8 |
産業用素材部門 |
16,497 |
118.1 |
化工品部門 |
6,263 |
106.0 |
その他 |
4,265 |
136.0 |
計 |
56,786 |
113.6 |
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績につきましては、総資産は、前連結会計年度末と比べ5,857百万円増加し、60,160百万円となりました。主な要因は、円安及び原材料高騰の影響もあり、現金及び預金の増加(3,247百万円)、売掛金の増加(1,361百万円)、商品及び製品の増加(451百万円)、原材料及び貯蔵品の増加(581百万円)、投資有価証券の増加(327百万円)によるものです。
負債は前連結会計年度末と比べ2,350百万円増加し、21,116百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加(1,203百万円)、短期借入金の増加(213百万円)、未払法人税等の増加(297百万円)、その他流動負債の増加(394百万円)、1年内返済予定の長期借入金及び長期借入金の増加(238百万円)によるものです。
純資産は前連結会計年度末と比べ3,507百万円増加し、39,044百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加(2,077百万円)、為替換算調整勘定の増加(1,200百万円)によるものです。
連結業績につきましては、売上高は、当社グループ主力販売地域である中国おいて上海ロックダウンの影響により減少した時期がありました。主力の取引先である電気・電子部品業界におきましてパソコンやスマートフォン等の電子デバイスの需要減退による部材の在庫調整等により減収になりましたが、自動車業界は半導体の供給制限不足の状況は徐々に緩和され、自動車生産台数は回復しつつあり増収となりました。また家電用防音材は欧州において天然ガス価格高騰に伴う省エネヒートポンプ暖房機普及拡大により好調に推移しました。更には海外子会社の売上高は円安の為替換算の影響を受け1,303百万円増加しました。その結果、前連結会計年度に比べ、6,807百万円増加し56,786百万円となりました。
売上原価は、売上の増加と原材料の価格高騰の影響が継続しており、前連結会計年度に比べ、5,271百万円増加し43,381百万円となり、売上総利益は、前連結会計年度に比べ、1,535百万円増加し売上総利益率は23.6%の13,405百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、主に売上増加に伴う保管・運送費131百万円の増加、給与手当・賞与金116百万円の増加、営業活動の増加に伴う旅費交通費、海外旅費51百万円の増加等により、前連結会計年度に比べ564百万円増加し9,750百万円となりました。
営業利益は、売上総利益が1,535百万円増加し、販売費及び一般管理費が564百万円増加したことにより、前連結会計年度に比べ970百万円増加し、営業利益率は6.4%の3,655百万円となりました。
経常利益は、営業利益の増加970百万円から受取配当金の増加が50百万円ありましたが、為替差損49百万(前連結会計年度は為替差益85百万円)、持分法による投資利益の減少等により営業外収益は減少し、前連結会計年度に比べ742百万円増加の3,809百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に計上した繰延税金資産の取崩しによる法人税等調整額が238百万円減少したこと等により、前連結会計年度に比べ956百万円増加し2,478百万円となり、1株当たり当期純利益は99円02銭(前連結会計年度は59円881銭)となりました。
当社グループは、「私たちは、お客様の価値向上に寄与し、未来創造のパートナーとなりたい」との経営理念のもと従業員一丸となり、今まで培ってきた顧客からの信頼を大切にし、顧客に対し「あ、それ良いね!」を提供する会社を目指して参ります。具体的には、「国内事業の競争力強化」と「海外収益の拡大」を経営の両輪として継続的な成長と安定した収益体質の実現を経営の目標としております。自社の強みを磨き、過去の延長線上ではない新たなる可能性に挑戦していくことにより収益源の多様化を図り、市場環境に左右されない収益基盤の構築を目指していくことです。特に国内事業の収益拡大に向けては「製品力とコスト競争力」の強化のためのマーケットニーズに即した差別化製品の研究開発を強化し、顧客が満足する魅力ある製品と質の高いサービスの提供によって、「顧客満足度の最大化」を追及し、次の収益基盤となる「新市場の創造」に向けた事業戦略を立案し、実行推進していくことを目指しております。
経営目標としては株主資本利益率(ROE)7%以上、営業利益率8%以上を目指しております。当連会計年度の連結営業成績につきましては、売上高は前連結会計年度に比べ、6,807百万円増加し56,786百万円となりました。半導体供給制限不足の状況が徐々に緩和され自動車生産台数が回復しつつあり増収となりましたが、原材料価格の高騰は継続しており、営業活動が増加したことなどにより、販売費も増加しました。その結果、営業利益は3,655百万円、営業利益率は前連結会計年度に比べ1%改善し、6.4%となりました。ROEは当連会計年度におきまして経常利益の増加と自己株式の買取を継続的に実施したこと等により7.1%となりました。
今後の見通しにつきましては、グローバル経済全体は緩やかな回復傾向を見込んでおりますが、いまだに終結の兆しが見えないウクライナ情勢や地政学リスク、自然災害リスクの高まりにより先行きは極めて不透明な状況です。
このような状況の下、当社グループとしましては、2023年4月3日に買収した新規子会社を所有したことにより、主力の自動車業界においてグローバル供給体制の最適化を図ると共に、差別化製品の開発やさらなる海外市場開拓を推進し、より一層国内外における新市場・成長分野への販路の拡販に努めてまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フロー分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社グループの資金需要の主なものは、商品の仕入を始めとし、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用のための運転資金であります。投資目的の資金需要としましては、製造及び試験研究を目的とした設備投資や、子会社株式の取得等であります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の源泉を安定的に確保することと効果的に流動性を高める事ことを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は5,532百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は15,153百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためにこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
なお、ロシアによるウクライナ侵攻など、世界経済の先行きは不透明な状況が続いておりますが、将来収益に与える影響を客観的に予測することが困難であることから、発生した課税所得の時期及び金額が見積りと異なった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。