E26705 Japan GAAP
前期
1,068.7億 円
前期比
99.9%
当社グループは当社、子会社17社及び関連会社3社により構成されており、物流関連事業、自動車販売事業及び不動産事業を中心にその他事業として情報関連事業、燃料販売事業、トラック整備事業を主な内容としております。
当社グループの事業内容及びセグメントとの関連は次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一区分であります。
① 物流関連事業
子会社第一貨物㈱は、貨物自動車運送事業を主力に、貨物利用運送事業、物流システムの設計・運用及び管理の受託に関する事業等を行っており、同事業を営む子会社間と連絡を密にし、国内において広範囲な輸送網を形成して行っております。また、中国現地法人であります関連会社上海特耐王第一物流有限公司も物流事業を行っております。
② 自動車販売事業
子会社太平興業㈱は、三菱ふそうトラック・バス㈱製のトラック・バスの販売事業を主力に同販売に関連した部品販売及び修理業等を行っており、子会社山形三菱自動車販売㈱は、三菱自動車工業㈱製の乗用車の販売及び修理業等を行っております。また、子会社DT商事㈱は、中古自動車の国内及び輸出販売等を行っております。
③ 不動産事業
子会社第一貨物㈱、子会社太平興業㈱及び子会社啓明興業㈱は、不動産賃貸業、不動産売買・賃貸借の仲介業等を行っております。
④ その他の事業
(情報関連事業)
子会社日本アバカス㈱及び子会社太平興業㈱は、コンピュータ関連機器の販売、ソフトウエアの開発・販売業等を行っております。
(燃料販売事業)
子会社太平興業㈱ほか1社は燃料の販売を行っております。
(トラック整備事業)
マレーシア現地法人であります関連会社SENDOK TAIHEI SDN.BHD.は、トラック整備事業を行っております。
(その他)
子会社第一貨物㈱、子会社太平興業㈱及び子会社東北第一物流㈱ほか3社は、損害保険代理業を行っております。
以上に述べた事業の系統図は次のとおりであります。
(注) ※1 連結子会社であります。(17社)
※2 持分法非適用関連会社であります。(3社)
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の収束が見えない状況が続いておりましたが、段階的に行動制限が緩和され、特にマスクについては3月に着用が緩和されるなど、収束に向けて経済活動への影響に期待感が持たれました。しかし、ロシア・ウクライナ情勢による供給不安の高まりを背景に、原油をはじめとする資源価格の高騰による先進国を中心とした諸物価の高騰から、依然として先行き不透明な状況が続いております。
そのような状況下、グループ傘下の各企業は夫々の施策により、事業の拡大と、業務の効率化を実施しながら、業績の向上と企業体質の強化に努めて参りました。
その結果、営業収益が106,784,968千円(前年同期比99.9%)、経常利益が882,708千円(前年同期比66.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益が628,955千円(前年同期比6.0%)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
(物流関連事業)
物流関連事業の主力事業である当期の貨物自動車運送事業は、世界的に原材料等の需給が逼迫する中、国内においては円安を背景とした輸入コスト増も加わって、コスト上昇を価格に転嫁する動きが拡がり物価が高騰し、個人消費を中心に購買力が低迷し下振れしました。国内貨物総輸送量は消費・生産関連貨物が伸び悩み、建設関連貨物の下押しもあってコロナ禍前の水準には届かず、前期を下回る状況となりました。
そのような環境下において引き続きコスト構造の変換を図るべく、外部戦力依存体質から脱却するため業務委託を自社で遂行する内製化を進めるとともに、社員の採用を強化して外注費を削減していく自社化を推進しました。
主力事業である特別積合せ事業におきましては、2022年11月以降急激な輸送量低迷により計画を大きく割り込む状況が続き、その結果、特別積合せ事業は輸送量及び売上ともに前期を下回りました。
一方、収支に直結する軽油価格は依然として高止まりしていたことにより、そのコスト上昇を吸収するため、燃料サーチャージの収受について顧客よりご理解いただくべく全社を挙げて注力し、目標とする数値には届かなかったものの一定の効果を上げることができました。
ロジスティクス事業におきましては、新規顧客の開拓及び既存顧客の拡販に取組み取引が好調に推移したことにより、売上は前期を上回りました。
その結果、物流関連事業の業績は、営業収益77,729,929千円(前年同期比100.2%)、営業損失は43,839千円(前年同期は営業利益665,500千円)となりました。
(自動車販売事業)
自動車販売事業の主力事業である当期のトラック・バス分野は、自動車関連産業において半導体の供給不足や部品調達難が改善されず、車両生産体制は低調に推移しました。
各部門の実績を前年と比較しますと、車両販売部門では、新車の納期遅延に加えて長期化する原油価格の高騰により運送事業者の業績が圧迫され、新車販売台数が減少し営業収益は減少したものの、売価及びコストの見直しにより営業利益は増加しました。
部品部門と整備部門では、新車の納期遅延に伴う現有車の使用年数長期化、部品の拡販努力、及び車検における台数の増加並びに単価の改善により、営業収益、営業利益は前年を上回りました。
その結果、自動車販売事業の業績は、営業収益30,284,309千円(前年同期比101.6%)、営業利益は310,755千円(前年同期比136.6%)となりました。
(不動産事業)
不動産事業による、営業収益は679,068千円(前年同期比90.7%)、営業利益は331,792千円(前年同期比91.7%)となりました。
(その他の事業)
情報関連事業及び燃料販売事業等による、その他の事業全体の営業収益は1,947,603千円(前年同期比86.7%)、営業利益は97,151千円(前年同期比35.5%)となりました。
当連結会計年度末における資産合計は131,965,920千円であり、前連結会計年度末に比べて10,298,590千円増加いたしました。負債合計は85,326,534千円であり、前連結会計年度末に比べて9,615,328千円増加、純資産は46,639,386千円であり、前連結会計年度末に比べて、683,261千円増加いたしました。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて266,862千円増加(前年同期比4.6%増加)し、6,041,439千円となりました。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の増加等により1,268,848千円の支出(前年同期は1,953,001千円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により6,654,422千円の支出(前年同期は5,851,019千円の収入)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金による収入等により8,190,133千円の収入(前年同期は8,440,991千円の支出)となりました。
当社グループは、その主要な事業である物流関連事業をはじめ、受注生産の形態をとらないものが多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
なお、販売の状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態の分析
当連結会計年度末における資産合計は131,965,920千円であり、前連結会計年度末に比べて10,298,590千円増加いたしました。内訳は流動資産の増加が6,503,787千円、固定資産の増加が3,794,802千円であります。
流動資産の増加は、現金及び預金が321,679千円、受取手形、売掛金及び契約資産が717,712千円、棚卸資産が5,020,421千円それぞれ増加したこと等によるものであります。固定資産の増加は、建物及び構築物(純額)が1,277,353千円、土地が1,207,111千円、それぞれ増加した一方で、建設仮勘定が746,608千円、関係会社株式が164,687千円それぞれ減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は85,326,534千円であり、前連結会計年度末に比べて9,615,328千円増加いたしました。内訳は流動負債の増加が8,163,734千円、固定負債の増加が1,451,594千円であります。
流動負債の増加は、支払手形及び買掛金が2,077,048千円、短期借入金が7,590,000千円、それぞれ増加した一方で、電子記録債務が881,256千円、未払法人税等が1,383,099千円、それぞれ減少したこと等によるものであります。固定負債の増加は、長期借入金が1,402,788千円、リース債務が514,345千円、それぞれ増加した一方で、繰延税金負債が488,317千円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における純資産は46,639,386千円であり、前連結会計年度末に比べて、683,261千円増加いたしました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益により628,955千円増加した一方で、剰余金の配当により135,955千円減少、その他の包括利益累計額が117,007千円増加したことによるものであります。なお、自己資本比率は、35.2%であり、前連結会計年度に比べて2.5ポイント減少しました。
b. 経営成績の分析
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」を参照ください。
(a) 営業収益
当連結会計年度の営業収益は、106,784,968千円となりました。
(b) 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、791,454千円となりました。
(c) 営業外損益
当連結会計年度の営業外損益は、91,254千円の利益 (純額) となりました。主なものは助成金収入296,696千円であります。
以上の結果、経常利益は882,708千円となりました。
(d) 特別損益
当連結会計年度の特別損益は、119,203千円の利益 (純額) となりました。主なものは負ののれん発生益206,516千円であります。
以上により、税金等調整前当期純利益は1,001,912千円、親会社株主に帰属する当期純利益は628,955千円となり、1株当たり当期純利益は46.27円となりました。
c. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」を参照ください。
当社グループは間接金融を主体としており、取引金融機関との連絡を密に行い、財務状態は良好であります。設備投資については、自己資金及び金融機関からの借り入れ等による資金調達で対応して行くこととしており、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるよう、コミットメントライン契約及び当座借越契約を締結し、流動性リスクに備えております。
d. 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」を参照ください。
e. 中長期的な経営戦略について
当社グループの中長期的な経営戦略については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」を参照ください。