E04065 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
① 経営成績
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、コロナ禍下で長く停滞していた社会経済活動の正常化が進み、雇用や所得環境が改善するとともに、物価上昇の影響を受けつつも個人消費が回復するなど、国内景気は緩やかな回復基調を維持しております。ただし、世界的な金融引き締め政策や中国経済の先行き懸念に伴う海外景気の下振れリスク、金融資本市場の変動等の影響に十分注意が必要な状況にあります。
当社グループの属する不動産業界におきましては、首都圏における2023年(1~12月)の新築分譲マンションの平均価格は、用地取得費や建築コストの高騰により前年比28.8%増の8,101万円と5年連続で上昇し、過去最高値を大幅に更新しました。なお、初月契約率の平均は、前年より0.1ポイントダウンしたものの好調の目安である70%台を3年連続でキープしております。一方、発売戸数は、前年比9.1%減の26,886戸となりました。これは、建築コストの上昇によりマンションデベロッパー各社の郊外での手ごろな価格での物件供給が減少したことが主な要因とされております(㈱不動産経済研究所調査)。
このような事業環境の下、当社グループといたしましては、新築分譲マンション事業及び賃貸マンション事業において、次の施策を継続して実施しております。
①新築分譲マンション価格の上昇に対しては、事業用地の仕入れ段階から建設会社と連携をとり、積極的に情報交換を行うことで構造面を中心に安心・安全を最優先にした上で極力原価を抑えること、また地域ごとのお客様の「価格吸収力・追随性」を慎重に見極め、お客様にご納得いただける価格設定を行うことに注力しております。
②少子高齢化が進む中で各地域の郊外から中心部への住み替えニーズ等に応えるべく、地方中核都市での新築分譲マンションの展開を推し進めております。需給バランスを見極めた上で、既に供給実績のある都市に加え、これまで供給実績のない都市への進出・展開を図り新たな需要の掘り起こしに注力しております。
③多様化するライフスタイルに対しては、少子高齢化、シングル・ディンクス世帯の増加という社会的背景の中で少人数向けのコンパクトマンションの開発を首都圏・関西圏をはじめ、地方中核都市においても展開しております。また、ファミリー向けのマンションにおいても世代や家族構成を考慮した間取り・仕様の採用等、統一された商品の供給ではなく地域ごと物件ごとに一つ一つ手づくりすることでお客様に選ばれる商品の企画を心掛けております。また、ライフスタイルの多様性に鑑み立ち上げた賃貸コンパクトマンションブランドの「クレアグレイス」は、首都圏・関西圏をはじめとする大都市圏ばかりではなく、当社が推し進める地方中核都市の利便性の高い場所での潜在需要の掘り起こしを狙った開発等、特徴ある展開を推進しており、竣工済みの5物件の他に4物件の土地を取得済みであります。既に保有済みのオフィスビルの賃貸事業に加え、安定収益源の拡充に資する事業として賃貸マンション事業にも積極的に取り組んでおります。
当第3四半期連結累計期間の業績におきましては、売上高は15,978百万円(前年同期比20.2%減)、営業利益は172百万円(同80.6%減)、経常損失は74百万円(前年同期は経常利益682百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は75百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益452百万円)となっております。
なお、当社ではお客様への物件引渡しを基準に売上計上を行っております関係上、物件の竣工時期により、四半期ごとの業績は大きく変動する傾向にあります。
当社グループは、SDGs等「持続可能な社会の実現への取り組み」についても継続課題として捉えており、その取り組み事例として、分譲マンションに「ZEH-M Oriented(省エネルギー)」の採用を開始しております。2023年9月下旬に販売開始した「クレアネクスト尾ノ上 レジデンス(熊本県熊本市東区、地上14階建、79戸、2025年3月引渡し予定、共同事業主:株式会社九電工)」に続き、「クレアホームズ越谷大袋(埼玉県越谷市、地上15階建、47戸、2025年3月引渡し予定)」を2023年11月上旬から販売開始しております。
今後とも、環境に配慮した物件や多様な付加価値へのさらなる取り組みを進めてまいります。
以上の取り組みを継続実施することで長期経営計画「PLAN2030-CLARE CHALLENGE-」の実現に向け着実に歩みを積み重ねてまいります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(不動産販売事業)
不動産販売事業におきましては、当第3四半期連結会計期間において、「クレアホームズ フラン榴岡公園(宮城県仙台市宮城野区)」「クレアホームズ古江新町 ザ・プレミアム(広島県広島市西区)」「クレアホームズ琴似中央(北海道札幌市西区)」の計3物件が予定どおりに竣工・引渡しとなりました。これにより、当連結会計年度に竣工・引渡しを予定しております17物件(地方圏13物件、首都圏4物件)のうち8物件が竣工・引渡しとなりました。なお、第4四半期連結会計期間においては、残る9物件の竣工・引渡しを予定しております。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は13,205百万円(前年同期比23.7%減)、セグメント利益(営業利益)は604百万円(同51.1%減)となりました。
また、これまで中四国支店(所在地:広島県広島市)において中国エリア及び四国エリアの両エリアを管轄してまいりました。取扱い物件数が両エリアともに増加してきたことから、よりきめ細やかな地域対応ができるように、2023年10月に中四国支店を中国支店(所在地:広島県広島市、中四国支店から名称変更)と四国支店(所在地:愛媛県松山市、今回新設)に分け、支店網を拡充いたしました。
今後とも全国に展開する各営業拠点において、地域特性や様々なお客様ニーズに合致した用地取得や商品企画を行うことにより当社ブランドの価値を高めてまいります。
東京都心5区のビル賃貸市場におきましては、12月は大型空室の募集開始があったものの、新築ビルや既存ビルで大型成約が見られたことから平均空室率は6.03%と前月比で横ばいとなりました。一方、賃料につきましては新築・既存ビルの平均賃料が前月比で0.11%あげて41ヶ月ぶりの上昇となりました(三鬼商事㈱調査)。
このような環境下、既存テナントの継続確保と空室の早期解消を最重要課題と捉え、テナント企業のニーズを早期に把握し対応することでお客様満足度の向上に努めるとともに、当社所有ビルの立地優位性を活かした新規テナント獲得営業に注力しております。
また、賃貸コンパクトマンションブランド「クレアグレイス」につきましては、当連結会計年度に1物件「クレアグレイス水戸南町(茨城県水戸市、地上14階建、55戸)」の竣工・賃貸開始を予定しております。
マンション管理事業におきましては、引き続き管理組合並びにご入居者様からのニーズに即応するべく、専門性の高いサービスの提供に努めてまいります。具体的には、共用部分及び専有部分の設備に関するリニューアル工事のご提案、災害発生時におけるご入居者様同士のコミュニケーションツールのご提案等を行い、良好な居住空間・管理組合運営の維持向上など、お客様にとって価値あるサービスをご提供できるよう注力しております。
ビル管理事業におきましては、引き続き新規の受注獲得営業に努めるとともに、原状復旧・入居工事や空調・電気設備の更新工事及び給排水設備改修等のスポット工事の受注に注力しております。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は2,738百万円(前年同期比1.1%増)、セグメント利益(営業利益)は350百万円(同9.4%減)となりました。
② 財政状態
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ9,219百万円増加し38,182百万円となりました。これは、主に不動産販売事業関連で事業用地の仕入れ等が順調に進捗したことで棚卸資産(不動産事業支出金)が増加したこと及び賃貸用住居の建設計画に伴う固定資産が増加したこと並びに今年度物件引渡しの分譲マンションのうち9物件が第4四半期連結会計期間の引渡しとなっているため、当該物件が棚卸資産(不動産事業支出金)に計上されていることによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ9,378百万円増加し29,255百万円となりました。これは、主に不動産販売事業関連で事業用地の仕入れ等が順調に進捗したことに伴い借入金が増加したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ159百万円減少し8,927百万円となりました。これは、主に配当金を支払ったことと、親会社株主に帰属する四半期純損失を計上したことによるものであります。
(2) 経営方針・経営戦略等及び対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループにおける経営方針・経営戦略等及び対処すべき課題に重要な変更はありません。
該当事項はありません。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数に著しい変動はありません。
当第3四半期累計期間において、当社の従業員数に著しい変動はありません。
当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。
当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画は、以下のとおりであります。