売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05372 IFRS


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。

 

(1) 業績の状況

① 経営環境に関する説明

当第2四半期連結累計期間(2023年7月1日~2023年12月31日)における日本及び世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の制限が緩和され、緩やかな持ち直しが続いている一方、円安の継続や物価上昇の影響、及びウクライナ情勢の長期化に伴う資源価格高騰等の影響による世界的なインフレの継続や政策的な金利上昇などにより、依然として先行きは不透明な状況で推移しました。

 

このような状況のもと、当社グループが属するマーケティングリサーチ市場は、業界の垣根を越えた融合が進み、デジタルデータの収集・分析を行う企業や、コンサルティング・レポート提供を行う企業など、関連するその周辺業界の売上を含む「インサイト産業」として再定義されています。日本における2022年度のインサイト市場は4,315億円(前年同期比11.3%増)、そのうちマーケティングリサーチ市場は2,590億円(前年同期比9.9%増)と試算されています。(注1)

 

こうした経済・市場環境のもとで、当社グループは2023年8月に新たに2026年6月期までの中期経営計画(3ヵ年)を公表し、その達成に向けた戦略を立て、事業規模と利益の拡大を追求しています。

中期経営計画1年目である2024年6月期においては、主力事業であり収益性の高いオンライン及びデジタルリサーチの成長回帰に注力します。また、将来の売上及び利益を牽引する事業を育成するため、アジア地域での事業拡大及びグローバルリサーチの強化や、データ利活用支援(データコンサルティング)、プラットフォーム型のソリューション開発を推進し、事業モデルの変革を継続します。

 

なお、2023年5月15日に公表した「当社連結子会社等に対する債権の株式化(デット・エクイティ・スワップ)及び当該子会社の異動(株式譲渡)並びにToluna Holdings Limited社の持分取得(持分法適用会社化)に関するお知らせ」のとおり、当社グループはその他の海外事業セグメントを構成する企業群であるMetrixLabグループの事業をToluna社へ譲渡していることから2023年6月期第4四半期連結会計期間より、その他の海外事業を非継続事業に分類しています。これにより、売上収益、営業利益、税引前四半期利益は非継続事業を除いた継続事業の金額を表示し、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、継続事業のみの金額と、継続事業及び非継続事業の合算をともに表示しています。

 

また、当該事業の除外により、韓国事業の当社グループ内における重要性が相対的に上昇したため、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントを「日本事業」と「韓国事業」に変更しています。

 

② 経営成績に関する説明

当社グループの経営成績の概要は以下のとおりです。(注2)

連結経営成績

(単位:百万円、別記ある場合を除く)

2023年6月期

第2四半期

連結累計期間

2024年6月期

第2四半期

連結累計期間

増減額

増減率

売上収益

20,481

22,095

+1,614

+7.9%

日本事業 売上収益

17,042

18,632

+1,590

+9.3%

韓国事業 売上収益

3,447

3,472

+25

+0.7%

EBITDA(注3)

3,819

3,955

+136

+3.6%

事業利益(注4)

2,769

2,956

+187

+6.8%

日本事業 事業利益(注4)

2,172

2,584

+412

+19.0%

韓国事業 事業利益

597

371

△225

△37.7%

一部の持分法による投資損益

(△損失)(注5)

△579

△579

営業利益

2,769

2,377

△392

△14.2%

税引前四半期利益

2,677

2,387

△290

△10.8%

継続事業に係る親会社の所有者に

帰属する四半期利益

1,218

888

△329

△27.1%

親会社の所有者に帰属する四半期利益

1,219

888

△330

△27.1%

 

 

i. 日本事業セグメント

日本事業においては、注力領域と定めているオンライン及びデジタルリサーチは、前下半期より取り組んでいる積極的な営業活動が奏功し、取引社数及び案件数が増加した結果、売上収益は7,198百万円(前年同期比5.0%増)となりました。

戦略投資領域と定めているグローバルリサーチ、コンサルティング、新規事業等に係るサービスは、特にコンサルティングが第2四半期も引き続き好調に推移し、また新規事業も第2四半期において成長が加速したことから、売上収益は3,241百万円(前年同期比15.4%増)となりました。

基盤強化領域と定めているオフライン及びデータ提供、その他広告代理店等の合弁事業を営む子会社群は、前四半期に実施した株式会社モニタスの子会社化の影響もあり、売上収益は8,187百万円(前年同期比11.0%増)となりました。

費用面については、前下半期からの増員により上半期累計の人件費は売上伸長率を上回って増加していますが、第2四半期における営業費用全体としては、売上伸長率を下回る増加に留めることができました。

また、社内リソースの生産性改善や業務の内製化に努め、外注費は第1四半期、第2四半期ともに、前期を下回る水準まで抑制することができました。一方、将来に向けた持続的な売上成長や利益改善のため、リサーチ基幹システムの刷新等に係る投資を実施していることから、システム関連費用が増加しました。

その結果、日本事業の売上収益は18,632百万円(前年同期比9.3%増)となり、Toluna社への持分法損失579百万円を除いた事業利益は、売上収益の増加が営業費用全体の増加を吸収し、2,584百万円(前年同期比19.0%増)となりました。

 

 

ii. 韓国事業セグメント

韓国事業においては、景況感の影響を受け、政府が実施する公共調査が減少したことや、大手顧客企業のリサーチ予算が縮小したことにより売上収益は軟調に推移しました。

他方、当社グループでは、韓国の大手リサーチ会社の中で唯一保有する自社パネル基盤を活かし、日本で既に実施している購買データ提供等に係る新規事業を推進しており、今後も自社の構造的な強みを活かしたサービス展開を図ることで、市況の影響を低減できるように努めます。また、新規事業の推進とともに、既存事業については売上動向を鑑みたコストコントロールに注力します。

その結果、売上収益は3,472百万円(前年同期比0.7%増)、事業利益については、減収の影響及び新規事業や新規連結子会社に係る費用の増加により371百万円(前年同期比37.7%減)となりました。

 

また、連結全体の親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE、直近12ヶ月で算定)は4.2%(前年同期比3.9ポイント減)となりました。インタレスト・カバレッジ・レシオ(直近12ヶ月で算定、注6)は20.8倍(前年同期間23.5倍)となりました。

韓国事業内のMACROMILL EMBRAIN CO., LTD.の収益及び業績についてはウォン建てで管理しており、換算レートは以下のとおりです。

 

算定期間

(6ヶ月)

2023年6月期第2四半期

連結累計期間

2024年6月期第2四半期

連結累計期間

増減率

JPY/KRW(円)

0.1038

0.1113

+7.2%

 

 

注:

(1) 2023年6月に一般社団法人日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)が発表した「第48回 経営業務実態調査」による

(2) セグメント数値については、セグメント間取引の相殺消去前の数値を記載している。調整額については、要約四半期連結財務諸表注記 3.セグメント情報を参照のこと

(3) EBITDA:Earnings Before Interest, Tax, Depreciation and Amortizationの略
事業利益+減価償却費及び償却費+固定資産除却損+減損損失と定義しており、各事業から生み出されるキャッシュ・フローの規模をより適切に把握することができるため、各事業の収益性を測るための主要な経営指標として用いている

(4)その他の海外事業セグメントをToluna社へ譲渡した譲渡対価として当社がToluna社の株式の17.4%等を取得していることから、2023年6月期第4四半期よりToluna社は当社の持分法適用会社となっている。当社グループの事業パフォーマンスを示すため、2024年6月期第1四半期より営業利益からTolunaにかかる持分法投資損益を除いた金額を事業利益として記載している

(5) Toluna社への持分法損失

(6)インタレスト・カバレッジ・レシオ =(営業利益+受取利息+受取配当金)/ 支払利息

 

 

(2) 財政状態に関する説明

① 資産、負債及び資本の状況

当第2四半期連結会計期間の資産は、90,482百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,671百万円減少しました。これは主に、営業債権及びその他の債権の増加1,907百万円、使用権資産の増加798百万円、のれんの増加689百万円等の増加がありましたが、現金及び現金同等物の減少5,770百万円、持分法で会計処理されている投資1,273百万円等の減少要因があったためです。

負債は、47,771百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,052百万円減少しています。これは主に、社債及び借入金の減少5,026百万円等の減少要因があったためです。

資本は、42,711百万円となり、前連結会計年度末に比べ380百万円増加しました。これは主に、配当金の支払額820百万円等の減少要因がありましたが、四半期利益1,421百万円の発生等があったためです。

 

② キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5,770百万円減少し、12,484百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、1,719百万円(前年同期比1,747百万円増加)となりました。

これは主に、継続事業からの税引前四半期利益2,387百万円、減価償却費及び償却費994百万円、法人所得税の還付額469百万円等がありましたが、営業債権及びその他の債権の増加2,217百万円、法人所得税の支払額586百万円等があったためです。

営業債権の回転期間は85.5日(前年同期比1.7日長期化)、営業債務及びパネルポイント引当金の回転期間は49.8日(前年同期比0.8日短期化)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は、381百万円(前年同期比471百万円増加)となりました。

これは主に、子会社の取得による収入104百万円がありましたが、有形固定資産の取得による支出168百万円、無形資産の取得による支出471百万円等があったためです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は、7,114百万円(前年同期比5,270百万円減少)となりました。

これは主に、長期借入金の返済による支出357百万円、社債償還による支出5,000百万円、リース負債の返済による支出448百万円、配当金の支払額419百万円、非支配持分への配当金の支払額400百万円等があったためです。

 

(3) 連結業績予想などの将来予測情報に関する説明

現時点において、2023年8月14日に公表しました2024年6月期の業績予想に変更はありません。

また、業績予想は、同資料の発表日現在において入手可能な情報に基づき作成しており、実際の業績は今後様々な要因によって予想数値と異なる場合があります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、0百万円です。

なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。