E01085 IFRS
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(注)事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
当中間連結会計期間(2024年1月1日~2024年6月30日)における当社グループをとり巻く環境は、国内では、物価高による個人消費の伸び悩みなどを受けて小売業を中心に消費関連が弱含んでいるものの、一部自動車メーカーの生産・出荷停止の影響の緩和や、主に素材業種による価格転嫁の進展により、景況感は改善しました。また、物流関連業の景況感も価格転嫁の進展やオンライン取引の増加などを背景に改善し、情報通信業もDX関連投資の増加などを受けて良好な傾向を持続しています。
一方、海外においては、米国は良好な雇用・所得環境や株高による資産効果から堅調な個人消費が持続しているものの、製造業を中心に金融環境の引き締めによる資金調達環境の悪化が重石となり、設備投資が減速しています。また、中国は国内需要の低迷や不動産不況などが足かせとなり、投資は弱い動きが続く見込みで景気は再び緩やかに減速傾向にあります。欧州は、インフレ率の鈍化を受けた実質所得の回復による個人消費の下支えから、景気は持ち直しつつあります。
こうした状況の中、当社グループは、既存事業における強みの「深化」と新しい価値の「探索」をさらに推し進め、変革の「総仕上げ」を図ることを目指す新中期経営計画「Yokohama Transformation 2026(YX2026)」に取り組んでおり、当中間連結会計期間の連結売上収益は5,252億83百万円(前年同期比18.5%増)、利益面では、連結事業利益は545億67百万円(前年同期比113.4%増)、連結営業利益は562億54百万円(前年同期比99.6%増)、また、親会社の所有者に帰属する中間利益は465億79百万円(前年同期比68.3%増)となりました。
タイヤセグメントの売上収益は4,695億71百万円(前年同期比20.6%増)で、当社グループの連結売上収益の89.4%を占めました。
新車用タイヤの売上収益は、中国での日系自動車メーカーの販売不振の継続はあったものの、国内の一部自動車メーカーの減産影響の緩和に加え、円安の寄与もあり、前年同期を上回りました。
市販用タイヤの売上収益は、国内での新商品販売に伴う積極的な販売活動の効果や、海外では欧州、インドなどアジア地域で販売を伸ばしたことで前年同期を上回りました。
OHT(オフハイウェイタイヤの略)は、YOHT(Yokohama Off-Highway Tires、旧ATG)が欧州、中東で販売を伸ばしたほか、Y-TWS(旧Trelleborg Wheel Systems Holding AB=TWS)の業績が加わり、OHT全体の売上収益は前年同期を上回りました。
MB(マルチプル・ビジネス)セグメントの売上収益は515億57百万円(前年同期比5.1%増)で、当社グループの連結売上収益の9.8%を占めました。
ホース配管事業の売上収益は、建設機械向けなどの油圧ホースは需要低迷により販売は振るわなかったものの、自動車向けホースは北米の値上げ効果などにより堅調に推移し、前年同期並みとなりました。
工業資材事業の売上収益は、コンベヤベルトでは国内値上げに加え海外販売が伸長したほか、マリンホースの需要が旺盛であること、民間航空機向け補用品の販売も好調に推移したことから前年同期を上回りました。
全社の事業利益は、原材料価格の良化、物流コスト改善、販売価格やMIXの改善に加え円安も寄与し、前年同期に対し増益となりました。
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、1,170億29百万円となり、前連結会計年度末に比べて194億15百万円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間末における営業活動による資金の増加は217億63百万円(前年同期比273億56百万円の収入減少)となりました。
これは、主として税引前利益、棚卸資産の増加、及び法人税等の支払いによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間末における投資活動による資金の増加は194億26百万円(前年同期比3,542億76百万円の収入増加)となりました。
これは、主として投資有価証券の売却によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間末における財務活動による資金の減少は337億95百万円(前年同期比3,299億10百万円の支出増加)となりました。
これは、主として有利子負債の減少、配当金の支払いによるものです。
当中間連結会計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
当社グループの研究開発は、会社の基盤技術に関する研究開発活動を研究先行開発本部が、直接商品に係る研究開発活動をタイヤ、MB及びその他の技術部門が担当となり、世界的な技術の先端に挑戦し、世界初の商品を市場に提供することで、お客様に満足いただくべく努力を重ねています。
当中間連結会計期間における研究開発費の総額は、100億21百万円であります。
当社研究先行開発本部においては、環境貢献企業における研究部門として、精緻でかつ高度な分析・解析技術をベースに物質構造や反応機構等の解明による新素材開発やシミュレーション技術の開発を行い、環境にやさしいタイヤ材料の開発や電子材料用素材・省エネルギー関連への適用技術の開発などを中心に技術の先端に挑戦しています。また、機械学習(AI)を活用した開発の高度化や効率化にも積極的に取り組んでいます。
研究先行開発本部の当中間連結会計期間における研究開発費の金額は、4億62百万円であります。
当中間連結会計期間におけるセグメントごとの研究開発活動は、次のとおりであります。
1)タイヤ
既存事業における強みの「深化」と、大変革時代のニーズに応える新しい価値の「探索」を同時に推進し「YX2026」の次世代の成長に向けた「変革」を図ることを目標とし以下のような活動をしました。
当中間連結会計期間における研究開発費の金額は、85億89百万円であります。
①“人とAIとの協奏”によるデータ活用「HAICoLab」の研究開発で日本ゴム協会賞を受賞
“人とAIとの協奏”によるデータ活用「HAICoLab※(ハイコラボ)」の研究開発において一般社団法人日本ゴム協会の「第36回日本ゴム協会賞」を受賞しました。
「日本ゴム協会賞」はゴムおよびその周辺領域における科学・技術またはその産業分野の発展に寄与し、その業績が極めて顕著なゴム協会会員に授与されるものです。授与数は毎年2件以内で、基準を満たす技術者がいない場合は授与されません。今回は横浜ゴムの小石正隆による研究開発1件が受賞しました。
今回受賞した「HAICoLab」は横浜ゴムが2020年10月に策定した、「人間特有のひらめき」や「発想力」と「AIが得意とする膨大なデータ処理能力」との協奏によって新たな発見を促しデジタル革新を目指すAI利活用フレームワークです。
※Humans and AI collaborate for digital innovationをもとにした造語
<YOHT>
革新、技術、低コスト生産により、商品のライフサイクルを通じて最も安いコストで最高の価値をお客様に提供するべく活動をしております。
2024年1月から3月にかけては, 世界最大級の屋外農業機械展示イベントであるWorld Ag Expo(ワールドアグエクスポ)やOff-The-Road Tire Conference(オフ・ザ・ロードタイヤコンファレンス)への出展や各種プレスイベントの企画、開催等を通じて、製品およびサービスを理解していただく場を設けました。
2024年4月から6月にかけては, 米国北東部最大級の林業製品産業見本市であるThe Loggers’ Expo(ザーロガーズエクスポ)への出展や各種プレスイベントの企画、開催等を通じて、製品およびサービスを理解していただく場を設けました。
また、多くの商品を市場に投入し、販売拡大に努めております。当期において発売した商品は、主に次のものとなります。
[ALLIANCEブランド]
・399
非方向性パターンの適用により優れたトラクションを発揮し、舗装/非舗装のどちらの路面でも性能を発揮する建設車両用のタイヤ。スチールベルト構造による高い耐久性能と、特殊なコンパウンドの採用による耐カット性能や耐チッピング性能、長寿命を特徴とする。
・703
最も過酷な環境で使用されるホイールローダー向けタイヤ。頑丈なラジアル構造と強力なサイドウォールプロテクターが相まって、厳しい地形に耐える優れた強度と耐久性を提供する。また、「S字型」のトレッドパターンの適用により、優れたトラクション性能と高い生産性を発揮する。
・704
安定したトラクションと耐カット性能を特徴とするアーティキュレートダンプトラック向けタイヤ。長時間の作業でも発熱を最小限に抑え、優れた耐久性と安定性を発揮し、ダウンタイムの短縮を実現。
・328 XP
舗装/非舗装のどちらの路面でも性能を発揮するインプルメント向けタイヤ。土壌圧縮を抑制しつつ、トラクション性能に優れ、高い耐久性と乗心地を特徴とする。
[Galaxyブランド]
・Earth Pro Radial 651(アースプロラジアル 651)
65km/hまでの高速走行が可能な上、土壌ダメージ低減と高トラクションを特徴とする農業用ラジアルタイヤ。さらにトレッドラグのマルチアングル化やセンターラグのオーバーラップ化により、舗装/非舗装のどちらの路面でも性能を発揮する。
・Earth Pro Radial 853(アースプロラジアル 853)
65km/hまでの高速走行が可能な上、トレッドラグのマルチアングル化により、乗心地性能の向上を実現した農業用ラジアルタイヤ。内部構造強化によるリムへの高い嵌合性能を特徴とする。
・Earth Pro Radial HS(アースプロラジアルエイチエス)
高荷重性能を持たせた農業用トラクターやコンバイン用のラジアルタイヤ。土壌圧縮を抑制しつつトラクション性能と乗心地性能を発揮する。
・CTM 111(シーティーエム111)
軟弱な路面から舗装路まで幅広く対応し、優れたグリップと高いトラクションを発揮するテレハンドラー向けタイヤ。頑丈な構造と優れたコンパウンドの適用により、耐久性と長命、耐荷重性を実現。
2)MB
「成長性・安定性の高いポートフォリオへの変革」をテーマに掲げ、安定収益の確保を目指した技術開発を積極的に行いました。
当中間連結会計期間における研究開発費の金額は、8億9百万円であります。
①セル型およびコーン型ソリッド防舷材を新発売、総合的な製品ポートフォリオ構築へ
2024年4月より、港湾の係留施設に設置されるソリッド防舷材として、セル型防舷材とコーン型防舷材を製品のラインアップに加えました。2023年7月に発売したベーシックモデルであるV型ソリッド防舷材に続いて、より高性能な2商品を発売することで幅広いユーザーニーズに応えるラインアップが完成しました。今後は現在販売しているトップエンドモデルの空気式防舷材「ABF-P」と合わせてオンショア(岸壁)市場全体をカバーする総合的な製品ポートフォリオを活かし、シェアをさらに拡大していきます。
防舷材は船体と岸壁を接岸や接舷の衝撃から保護する緩衝材で、港湾の係留施設では岸壁と船、洋上の荷役では船体の間に設置されます。空気式は内包した空気弾性、ソリッド式はゴム弾性により衝撃を吸収します。今回販売するミドルモデルのセル型防舷材は耐久性に優れる円柱形状の防舷材で、ハイエンドモデルのコーン型防舷材は衝撃のエネルギー吸収効率をより高めた円錐台形状の防舷材です。いずれも船体の荷重を受け止める受衝板を備えており、小型船から大型の客船や貨物船、タンカーまで幅広く使用されます。販売にあたり、一般財団法人港湾空港総合技術センター(SCOPE)の認証を取得しています。
上記のほか、ゴルフクラブ等のスポーツ用品にかかる研究開発費が1億61百万円あります。