E01136 IFRS
文中に記載した将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものです。
当第3四半期における世界経済は、米国及び欧州においては、既往の金融引き締めが企業の経済活動を下押ししていますが、底堅い雇用情勢やインフレ圧力の緩和を受けた実質所得の増加が個人消費を下支えし、景気は緩やかに持ち直しの動きを見せています。
中国においては政府による消費喚起策や金融緩和などの景気浮揚策が打ち出されているものの、不動産不況や輸出の弱さ、個人消費の低迷が景気を下押ししています。
わが国経済においては、世界的な外需の低迷を背景に輸出は伸び悩みを見せていますが、好調な企業収益を起点に、個人消費や設備投資などの内需主導で緩やかに回復の動きを見せています。
当社グループの主要な事業基盤である自動車業界における新車生産は、コロナ禍からのリバウンド需要や半導体不足の解消等により、前年同期比で増加する結果となっています。中国においては、EV車の伸長による増加の一方で、政府補助金の打ち切りや価格競争力での課題を背景に、一部で内燃機関搭載車への回帰の動きも見られています。
半導体製造装置業界においては、半導体需要の軟化や米中対立を起点とする規制強化懸念の高まりが継続していることなどを背景とし、市況は一時的に低迷していますが、生成AI関連の需要拡大や関連設備投資の継続など、一部で回復の兆しも見られます。
このような状況のもと、当社グループの当第3四半期連結累計期間における売上収益は4,558億69百万円(前年同期比8.7%増)、営業利益は879億円(前年同期比9.1%増)、税引前四半期利益は954億62百万円(前年同期比14.1%増)となり、親会社の所有者に帰属する四半期利益は683億24百万円(前年同期比15.1%増)となりました。
<自動車関連>
当事業は、補修用製品の販売が落ち着きをみせる一方で、半導体供給不足の緩和による自動車生産が回復傾向にあることから、新車組付け用製品の販売は底堅く推移しています。また、為替レートが円安に推移していることも当社利益を押し上げる要因となっています。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上収益は3,756億2百万円(前年同期比13.7%増)、営業利益は960億34百万円(前年同期比23.0%増)となりました。
<セラミック>
当事業は、SPE事業については半導体の生産調整や半導体製造装置向けの投資抑制などの市況の低迷による影響を受けています。呼吸器事業についても、酸素濃縮器のコロナ特需の一巡や中国メーカーが米国市場に参入した影響を受けており、セラミック事業全体で前年度と比べ落ち込む結果となりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上収益は703億92百万円(前年同期比15.1%減)、営業利益は14億99百万円(前年同期比84.8%減)となりました。
<新規事業>
新規事業については、当第3四半期連結累計期間の売上収益は38億99百万円(前年同期比13.8%増)、営業損失は98億6百万円(前年同期は95億25百万円の営業損失)となりました。
<その他>
その他の事業については、当第3四半期連結累計期間の売上収益は65億17百万円(前年同期比67.0%増)、営業利益は1億74百万円(前年同期比91.9%減)となりました。
当第3四半期末の資産合計は、前連結会計年度末比240億52百万円増加の9,271億54百万円となりました。これは、主として現金及び現金同等物並びに売却目的で保有する資産が減少した一方、投資有価証券並びに営業債権及びその他の債権、持分法で会計処理されている投資、のれん及び無形資産が増加したことによるものです。
負債合計は、前連結会計年度末比200億28百万円減少の3,193億34百万円となりました。これは、主として社債及び借入金並びに営業債務及びその他の債務が減少したことによるものです。
資本合計は、前連結会計年度末比440億80百万円増加の6,078億19百万円となりました。これは、主として自己株式の取得により減少した一方、四半期利益の計上による利益剰余金の増加並びに為替換算調整の影響によりその他の資本の構成要素が増加したことによるものです。
営業活動によるキャッシュ・フローにおける収入は、前年同期比395億70百万円増加の829億62百万円となりました。これは、主として営業債権及びその他の債権の増加により資金が減少した一方、棚卸資産の増減により資金が増加したことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローにより支出した資金は、前年同期比474億13百万円増加の759億28百万円となりました。これは、主として連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が減少した一方、投資有価証券の取得による支出並びに有形固定資産の取得による支出が増加したことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローにより支出した資金は、前年同期比238億37百万円増加の542億74百万円となりました。これは、主として社債の償還並びに自己株式の取得による支出が増加したことによるものです。
この結果、当第3四半期末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に対して為替相場の変動による換算差額46億7百万円と売却目的で保有する資産への振替に伴う現金及び現金同等物の増減額24億76百万円を加算した純額で401億55百万円減少し、1,614億72百万円となりました。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間における研究開発に係る費用は総額199億16百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。