売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01163 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響の縮小に伴い、設備投資や個人消費の回復等によって好転し、社会・経済活動の正常化が進み緩やかな回復基調となりました。一方で中国を中心とした海外の景気減退、原燃料価格の高騰など引き続き予断を許さない状況となっております。

当社グループの主な事業領域である建設・建材業界では、首都圏の再開発や生産、物流関係などの民間投資の持ち直しと公共投資の堅調な推移により建設需要が増加傾向にあります。一方で建設資材の高騰や慢性的な施工員不足による建設延期や工期遅延が懸念され、動向を注視する必要があります。

工業製品・エンジニアリング事業領域では、保温・築炉の分野で世界的なアルミ市況の悪化やステンレス市況の鈍化が継続いたしました。その中で同じ保温・築炉の分野と環境・エネルギーの分野においてカーボンニュートラルや新エネルギー関連といった環境を見据えた設備投資が旺盛な動きを見せております。

このような環境の下、当社グループは、サステナブルな事業活動を通じて社会課題の解決に貢献し続ける企業への進化を目指し、新たな未来像を描いた長期経営構想「Vision2033」を策定しました。当社グループは、サステナビリティ課題への取り組みと成長戦略を相乗的に推進し、企業価値の向上に取り組んでまいります。

当第3四半期連結累計期間の売上高は30,412百万円(前年同期比4.3%増収)営業利益1,289百万円(前年同期比135.6%増益)経常利益1,357百万円(前年同期比135.4%増益)親会社株主に帰属する四半期純利益1,933百万円(前年同期比560.4%増益)となりました。

 

セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。

 

建設・建材事業

材料販売につきましては、国内では首都圏の再開発物件と各地区の大口案件への出荷が順調に推移し、出荷数量及び売上高共に好調に推移いたしました。主力商品である けい酸カルシウム板「ハイラックフネン」及び高付加価値商品である内装不燃化粧板は、工場・物流施設、商業施設、医療福祉施設等の非住宅市場の回復とともに出荷が堅調に推移いたしました。また、曲面施工が可能なオリジナル商品「エフジーボード」は、文化施設や自動車関連工場への出荷を始め、順調に出荷を伸ばしました。海外輸出につきましては、台湾向け けい酸カルシウム板が前期からの繰越物件を含め出荷が順調に推移したことに加え、「エフジーボード」の中国市場の積極的な公共投資と韓国の大口受注により海外輸出の売上高は大きく増加しております。

材料販売全体の売上高は8,570百万円(前年同期比12.5%増収)となりました。

工事につきましては、東京・大阪を中心に再開発物件の稼働が継続しておりますが、全国的に躯体工事の遅れに起因する工事遅延が散見されております。工事の完成時期がずれ込むなどの業績への影響が懸念されます。また、仕入材料の高騰及び施工員不足の状況を踏まえ、継続して適正価格による工事受注ができるよう注力してまいります。

工事全体の売上高は4,584百万円(前年同期比8.4%増収)となりました。

以上の結果、材料販売及び工事を合わせた建設・建材事業全体の売上高は13,155百万円(前年同期比11.0%増収)となりました。

 

 

工業製品・エンジニアリング事業

材料販売につきましては、船舶関連では、自動車運搬船等の建造により防熱材や副資材の出荷が伸長いたしましたが、急速に進行したユーロ高により防熱材仕入額は影響を受けました。原材料価格の高騰や円安進行など原価の高止まりが続く中、適正価格による販売に努めてまいります。プラント関連では、電力会社のメンテナンス計画の縮小や延期、火力発電事業の予算削減の影響により低調に推移いたしました。保温・築炉関連では、世界的なアルミ市況の悪化が継続し、海外向けアルミ溶融設備向け断熱材「レセパルHS」の出荷が減少いたしましたが、新エネルギー転換関連の受注が伸長し、更に利益率改善に努めたことにより、利益確保に貢献しております。環境・エネルギー関連では、ごみ焼却処理施設の建設や大口メンテナンス需要を背景に、APコネクター受注拡大と周辺製品拡販に取り組んだ結果、メンテナンス案件の引き合いは順調に推移しております。自動車関連では、自動車部品の供給制約が緩和されたことで自動車各社の工場稼働が正常化し、生産活動は持ち直しております。一方で海外向けの受注は客先在庫調整による需要回復の遅れにより出荷は低迷いたしました。また、産業機械分野では、中国景気の減速やサプライチェーンの混乱などのマイナス要因はあったものの、工場自動化(FA)の流れが維持されており、工作機械需要が堅調に推移いたしました。

材料販売全体の売上高は6,118百万円(前年同期比3.2%増収)となりました。

工事につきましては、前年度末より引き合いは回復傾向にあり、特にプラント工事においてLNG燃料船タンクウレタン吹付工事等の受注が好調に推移いたしました。しかし売上高は複数の大型工事において前工程からの遅延により予定した工期に完工できず、前年同期と比較して僅かな減少となりました。一方で、大型石綿除去工事が完工したことと京浜地区のメンテナンス現場の利益率が改善したことで利益確保に貢献しております。グループ各社の連携強化のうえ、工事受注拡大と施工員確保、工事管理を徹底して利益確保に努めてまいります。

工事全体の売上高は11,094百万円(前年同期比2.1%減収)となりました。

以上の結果、材料販売及び工事を合わせた工業製品・エンジニアリング事業全体の売上高は17,212百万円(前年同期比0.3%減収)となりました。

 

その他

不動産賃貸収入につきましては、売上高は44百万円(前年同期比8.3%増収)となりました。

 

 (当社グループの四半期業績の特性について)

当社グループは不燃建材の製造、販売と共に建設・建材関連工事及び工業製品・エンジニアリング関連工事の設計、施工を主な事業としており、それら工事部門の売上高は全売上高のおおよそ5割を占めております。工事契約については一定の期間にわたり収益を認識しており、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができないが、当該履行義務を充足する際に発生する費用を回収することが見込まれる場合には、原価回収基準により収益を認識しております。

わが国では、事業年度を4月から翌3月までと定めている企業が多いため、工事の検収が年度の節目である第2四半期及び第4四半期に集中する傾向があり、なかでも工事期間の長い工業製品・エンジニアリング関連工事においては第4四半期への集中が顕著であります。このため、当社グループの業績には季節的変動があります。

 

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,247百万円増加39,426百万円となりました。この主な要因は、完成工事未収入金及び契約資産が減少した一方で現金及び預金電子記録債権が増加したこと等によるものです。

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ398百万円減少21,279百万円となりました。この主な要因は、未払法人税等支払手形及び買掛金が増加した一方で短期借入金が減少したこと等によるものです。

 

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ1,646百万円増加18,147百万円となりました。この主な要因は、土地再評価差額金が減少した一方で利益剰余金が増加したこと等によるものです。

 

 

(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、ウクライナ情勢等による原材料・エネルギーコストへの影響も含めて重要な変更はありません。

 

(3) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、322百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動に重要な変更はありません。