売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS




E01333 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間の世界経済は、米国の関税政策見直しや地政学的リスクの高まりにより先行き不透明な状況が続きましたが、各国政府による景気刺激策や、米国関税引上げ前の駆け込み需要があったほか、AI関連投資が活発化したこともあり、全般に底堅く推移しました。日本経済につきましても、米国関税政策の影響が一部にみられるものの、雇用や所得環境の改善が進み、景気は緩やかに回復しました。

当社グループを取り巻く事業環境につきましては、情報通信分野でデータセンター関連市場向け製品の需要が大きく増加したほか、自動車分野ではワイヤーハーネスの需要が、環境エネルギー分野では電力ケーブルや受変電設備の需要が堅調に推移しました。このような環境のもと、当中間連結会計期間の連結決算は、売上高は、2,373,461百万円(前年同期2,247,778百万円、5.6%増)と前年同期に比べ増収となりました。利益面では、売上増加に加えて、徹底した生産性改善やコスト低減、売値改善に努め、営業利益は153,021百万円(前年同期119,315百万円、28.2%増)、経常利益は155,516百万円(前年同期121,704百万円、27.8%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は97,938百万円(前年同期75,755百万円、29.3%増)となりました。

セグメントの経営成績は、前年同期比で次のとおりであります。

 

環境エネルギー関連事業

電力ケーブル、電動車向けのモーター用平角巻線、日新電機㈱における受変電設備、住友電設㈱における電気工事などの増加により、売上高は536,010百万円と19,643百万円(前年同期比3.8%)の増収となり、営業利益は、34,461百万円と2,921百万円の増益となりました。

 

情報通信関連事業

生成AI市場の拡大を背景にデータセンター向けの光デバイス、光配線機器、光ケーブルの需要が増加し、売上高は135,423百万円と31,824百万円(30.7%)の増収となりました。営業利益は、売上増加に加えて、品種構成や生産性の改善もあり、22,075百万円と17,213百万円の増益となりました。

 

自動車関連事業

ワイヤーハーネスや防振ゴムの需要が堅調に推移したことにより、売上高は1,378,233百万円と72,795百万円(5.6%)の増収となりました。営業利益は、売上増加に加えて生産性改善もあり、65,405百万円と10,379百万円の増益となりました。

 

エレクトロニクス関連事業

主要顧客向けFPC(フレキシブルプリント回路)の需要が堅調に推移したことにより、売上高は197,257百万円と5,764百万円(3.0%)の増収となりました。営業利益は、円高の影響などもあり、17,986百万円と242百万円の減益となりました。

 

産業素材関連事業他

超硬製品、ダイヤ・CBN製品が増加したことにより、売上高は188,237百万円と2,552百万円(1.4%)の増収となりました。営業利益は、売上増加に加えて、焼結製品のコスト低減もあり、12,903百万円と3,374百万円の増益となりました。

 

なお、各セグメントの営業利益又は営業損失は、中間連結損益計算書の営業利益又は営業損失に対応しております。

当中間連結会計期間末における財政状態は、次のとおりであります。

総資産は4,527,185百万円と、前連結会計年度末対比85,556百万円増加しました。

資産の部では、前期末出荷案件に係る債権の回収が進んだ一方、棚卸資産及び有形固定資産の増加や保有株式の時価上昇に伴う投資有価証券の増加により、前連結会計年度末対比85,556百万円増加しました。

負債の部では、主に借入金の減少により、前連結会計年度末対比8,427百万円減少しました。

また、純資産は2,624,420百万円と、配当支払の一方で、親会社株主に帰属する中間純利益の計上やその他有価証券評価差額金の増加などにより、前連結会計年度末対比93,983百万円増加しました。自己資本比率は52.4%と、前連結会計年度末対比0.8ポイント上昇しております。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より14,226百万円(4.8%)減少し、280,261百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間の営業活動の結果得られた資金は、251,944百万円(前年同期比95,623百万円の収入増加)となりました。これは、税金等調整前中間純利益158,116百万円や減価償却費101,333百万円から運転資本の増減などを加減したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間の投資活動の結果使用した資金は、118,100百万円(前年同期比13,166百万円の支出増加)となりました。これは、設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出110,813百万円などがあったことによるものであります。

 

なお、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・
キャッシュ・フローについては133,844百万円のプラス(前年同期は51,387百万円のプラス)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間の財務活動の結果、資金は151,691百万円減少(前年同期は40,450百万円の減少)しました。これは、コマーシャル・ペーパーの増加31,089百万円などがあった一方で、短期借入金の純減少95,162百万円、配当金の支払47,584百万円などがあったことによるものであります。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

今後の経済情勢は、米国の追加関税をはじめとする政策見直しが経済活動全体に影響を及ぼすおそれがあるほか、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中東情勢の緊張、欧州・中国経済の停滞など政治的・地政学的リスクの高まりにより、世界経済の減速感が強まることが懸念され、当社グループを取り巻く事業環境は予断を許さない状況が続くものと予想されます。

 

このような情勢のもと、当社グループは、ありたい将来像「グロリアス エクセレント カンパニー」の実現を目指して、長期ビジョン「住友電工グループ2030ビジョン」で掲げている「グリーンな地球と安心・快適な暮らし」の実現に向けて、グループが一体となり企業価値向上に取り組み、その成果をステークホルダーの皆様、すなわち、「従業員」「お客様」「お取引先」「地域社会」「株主・投資家」に着実に還元・配分していくというマルチステークホルダーキャピタリズム(「五方よし」*)に基づく経営を実践してまいります。

具体的には、製造業の基本であるS(安全)、E(環境)、Q(品質)、C(コスト)、D(物流・納期)、D(研究開発)のさらなるレベルアップに取り組むとともに、資産効率向上については、重要指標としているROICの改善に向けて、棚卸資産残高や営業債権・債務残高の適正化、設備投資案件の厳選実施、高付加価値品へのシフト、政策保有株式の圧縮などの取り組みを一層強化してまいります。また、米国の追加関税につきましては、顧客とも丁寧に対話をおこない、業績への影響を最小化できるよう努めてまいります。2025年度は「中期経営計画2025」の最終年度であり、グループの総合力で成長戦略を推進するとともに経営基盤の強化に取り組み、各事業においては次の施策を進めてまいります。

 

* 「五方よし」:当社経営における「還元・配分」についての基本的な考え方を表現したもの(Goho Yoshi)。

 

環境エネルギー関連事業では、電力ケーブルにおいては、国内の設備更新需要等の捕捉に加え、脱炭素化に貢献する国家・地域間連系線や再生可能エネルギー関連の受注に努めるとともに、欧州での新拠点立上げ、コスト低減、品質向上、新製品開発、プロジェクトマネジメント強化にも注力してまいります。電動車向けのモーター用平角巻線においては、コスト低減による収益力の向上と、電動車の高電圧化に対応する次世代品の開発を進めてまいります。また、日新電機㈱との一層のシナジー創出に取り組むとともに、受変電設備においては国内の設備更新需要の確実な捕捉、生産能力増強、環境配慮製品の開発・提案強化に、イオン注入装置や電子線照射装置においては国内外での拡販に取り組んでまいります。

情報通信関連事業では、生成AI*の急速な普及によるデータセンター関連市場の一層の拡大が期待されるなか、この需要を確実に捕捉すべく、光デバイス、光配線機器、光ケーブルの生産能力増強、さらなる通信の高速化、低遅延化、及び、低消費電力化を実現する新製品の開発に注力し、事業拡大に努めてまいります。また、海底ケーブル用の極低損失・大容量光ファイバ、世界で初めて量産に成功したマルチコアファイバ、第5世代移動通信システム(5G)やさらに高度化する次世代移動通信システム(Beyond 5G)基地局用の高効率な電子デバイス、新方式採用が進むアクセス系ネットワーク機器など、低消費電力等の環境性能を含めた高機能製品の開発・拡販を継続・加速するとともに、徹底したコスト削減による収益性の改善に努めてまいります。

 

* 生成AI:質問や作業指示等に応え、画像や文章、音楽、映像、プログラム等の多様なコンテンツを生成する

AI(人工知能:Artificial Intelligence)。

 

自動車関連事業では、モビリティの「つなげる」パートナーとして「つながる」ビジネスの拡大を目指し、一層のコスト低減と資産効率化の徹底、軽量化ニーズに対応したアルミハーネスのさらなる拡販、生産自動化やコスト低減に繋がる新設計・新工法の拡充など従来ハーネスの進化に取り組んでまいります。また、グループ内連携、顧客との協業やパートナー関係の深化により、電動車向けの高電圧ハーネス、高速通信用のコネクタなど今後も拡大が見込まれるCASE*市場をとらえた新製品創出・拡販にも努めてまいります。住友理工㈱では、自動車用防振ゴム及びホースなどの分野において、既存事業の収益力強化を図るとともに、今後の事業成長に向けては、次世代モビリティ向けの新製品開発に重点をおいて取り組んでまいります。

 

* CASE:自動車業界のトレンドを表す言葉で、Connected(つながる)、Autonomous(自動運転)、Shared

(シェアリング)、Electric(電動化)の頭文字をとったもの。

 

エレクトロニクス関連事業では、微細回路形成技術を活かしたFPC製品やCASE対応製品、医療用製品の拡販、高周波化に対応した新製品の開発を加速するとともに、徹底したコスト低減を進めてまいります。照射架橋技術を活用した耐熱・高機能電線、熱収縮チューブに加えて、多孔質分離膜製品においても、多様な客先ニーズを捕捉して事業の拡大を図ってまいります。また、㈱テクノアソシエとの連携強化にも取り組んでまいります。

 

産業素材関連事業では、超硬製品においては、グローバルな営業力の強化により、主力の自動車分野に加えて、建設機械、農業機械、エレクトロニクス分野等での需要を確実に捕捉するとともに、電動車、航空機、半導体、再生可能エネルギー関連などの新規開拓も進め、市場シェアの拡大に努めてまいります。焼結製品は、電動車や非車載向けの新製品開発・拡販とコスト競争力の一段の強化を図ってまいります。PC鋼材やばね用鋼線は、グローバルな製造販売体制の強化と新製品開発による収益力の向上に取り組んでまいります。

 

研究開発では、多様な技術創出の「要」となる研究開発の活性化・スピードアップを目指し、DX*を活用した材料開発やプロセス開発の高度化・効率化、オープンイノベーション、社外連携に取り組んでまいります。具体的には現行事業の進化として、事業部門・営業部門との密な連携強化を通じた顧客とのパートナーシップ関係を活かし、中長期計画で掲げた3つの注力事業分野において、「エネルギー」では送電網強化と再生エネルギーの安定供給、「情報通信」では通信の高速化・低遅延化・低消費電力化、「モビリティ」では電動化などのテーマにそれぞれ取り組んでまいります。また、社会課題からのバックキャスティングによる新規テーマへの挑戦として、「地球」「暮らし」「ヒト」の3つを価値領域として定め、「地球」の持続可能性のため、省エネルギー、再生可能エネルギー、材料循環等の研究を推進するとともに、安心で安全な「暮らし」、「ヒト」の可能性の拡大を目指す研究を推進してまいります。

 

* DX:デジタル・トランスフォーメーション(Digital Transformation)の略で、デジタル技術を活用し、組織

文化などを変革していく取組みを指すもの。

 

最後に、法令遵守や企業倫理の維持は、当社経営の根幹をなすものであり、企業として存続・発展するための絶対的な基盤と考えております。今後とも、住友事業精神の「萬事入精(ばんじにっせい)」「信用確実」「不趨浮利(ふすうふり)」*という理念のもと、社会から信頼される公正な企業活動の実践に真摯に取り組んでまいります。また、住友事業精神と住友電工グループ経営理念のもと、サステナビリティを巡る課題である、気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇、取引先との公正・適正な取引、自然災害等の危機管理を通じて、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでまいります。

 

* 萬事入精:まず一人の人間として、何事にも誠心誠意を尽くすべきとの考え。

信用確実:何よりも信用を重んじること。

不趨浮利:常に公共の利益との一致を求め、一時的な目先の利益、不当な利益の追求を厳に戒めること。

(4) 研究開発活動

当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、82,344百万円であります。なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因

当中間連結会計期間において、各セグメントの売上高・営業利益又は営業損失に重要な影響を与えている主な要因は次のとおりであります。

環境エネルギー関連事業については、電力ケーブル、電動車向けのモーター用平角巻線、日新電機㈱における受変電設備、住友電設㈱における電気工事などの増加が増収増益の要因となりました。情報通信関連事業については、生成AI市場の拡大を背景にデータセンター向けの光デバイス、光配線機器、光ケーブルの需要が増加したことが増収の要因となり、売上増加に加えて、品種構成や生産性の改善もあったことが増益の要因となりました。自動車関連事業については、ワイヤーハーネスや防振ゴムの需要が堅調に推移したことが増収の要因となり、売上増加に加えて生産性改善もあったことが増益の要因となりました。エレクトロニクス関連事業については、主要顧客向けFPCの需要が堅調に推移したことが増収の要因となりましたが、円高の影響などもあったことが減益の要因となりました。産業素材関連事業他については、超硬製品、ダイヤ・CBN製品が増加したことが増収の要因となり、売上増加に加えて、焼結製品のコスト低減もあったことが増益の要因となりました。

 

(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの当中間連結会計期間における資金の状況は下記のとおりであります。

まず、営業活動によるキャッシュ・フローで251,944百万円の資金を獲得しました。これは、税金等調整前中間純利益158,116百万円と減価償却費101,333百万円の合計、即ち事業の生み出したキャッシュ・フローが
259,449百万円あり、これに運転資本の増減などを加減した結果であります。

投資活動によるキャッシュ・フローでは、118,100百万円の資金を使用しております。これは、設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出110,813百万円などがあったことによるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、151,691百万円の資金の減少となりました。これは、コマーシャル・ペーパーの増加31,089百万円などがあった一方で、短期借入金の純減少95,162百万円、配当金の支払47,584百万円などがあったことによるものであります

以上により、当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末対比14,226百万円(4.8%)減少し、280,261百万円となりました。また、当中間連結会計期間末における有利子負債は695,113百万円と前連結会計年度末対比80,757百万円減少し、有利子負債から現金及び現金同等物を差し引いたネット有利子負債は、前連結会計年度末対比66,531百万円減少し414,852百万円となりました。