売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01780 US GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における世界経済は、北米においては堅調に推移しているものの、欧州及び中国における経済減速に加え、中東地域をめぐる情勢不安等の影響を受け、減速感が強まりました。また、為替レートは、対ドルやユーロを中心に円安傾向が継続しました。

当社の連結業績に影響を与えるエレクトロニクス市場を概観しますと、長引く最終需要の低迷により、ICT(情報通信技術)関連製品の生産動向は前年同四半期連結累計期間対比で低調に推移しましたが、当第3四半期連結会計期間においては、中国市場のスマートフォン生産台数が前年同四半期連結会計期間を上回る水準で推移しました。ノートパソコンやタブレット端末の需要は、大幅に減少しました。また、データセンター向けニアライン用HDD(ハードディスクドライブ)の需要も大幅に減少しました。産業機器市場においては、設備投資需要全般が低調に推移しました。自動車市場においては、xEV(電動車)等の生産台数は前年同四半期連結累計期間を上回る水準となりましたが、一部顧客における部品在庫調整が長引き、期初に想定していた部品需要を下回りました。

 

このような経営環境の中、当社の連結業績は、売上高1,618,961百万円(前年同四半期連結累計期間1,708,965百万円、前年同四半期連結累計期間比5.3%減)、営業利益155,748百万円(同188,677百万円、同比17.5%減)、税引前利益157,122百万円(同188,102百万円、同比16.5%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益119,491百万円(同136,875百万円、同比12.7%減)、基本的1株当たり四半期利益315円1銭(同361円6銭)となりました。

 

当第3四半期連結累計期間における対米ドル及びユーロの期中平均為替レートは、143円21銭及び155円22銭と前年同四半期連結累計期間に比べ対米ドルで4.9%、対ユーロで10.4%の円安となりました。これらを含め全体の為替変動により、約580億円の増収、営業利益で約172億円の増益となりました。

当社グループの事業のセグメントは、「受動部品」、「センサ応用製品」、「磁気応用製品」及び「エナジー応用製品」の4つの報告セグメントとそれらに属さない「その他」に分類されます。

なお、当第1四半期連結会計期間における組織変更により、従来「その他」に属していた一部製品を「受動部品」のコンデンサに区分変更しております。上記に伴い、前第3四半期連結累計期間の数値についても変更後の区分に組替えております。

受動部品セグメントは、①コンデンサ ②インダクティブデバイス ③その他受動部品 で構成され、売上高は、427,137百万円(前年同四半期連結累計期間441,190百万円、前年同四半期連結累計期間比3.2%減)となりました。

コンデンサは、セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ及びフィルムコンデンサから構成され、売上高は、184,548百万円(同184,181百万円、同比0.2%増)となりました。セラミックコンデンサの販売は、自動車市場向けが増加しました。アルミ電解コンデンサ及びフィルムコンデンサの販売は、主に産業機器市場向けが減少しました。

インダクティブデバイスの売上高は、145,186百万円(同152,198百万円、同比4.6%減)となりました。自動車市場向けの販売が増加しましたが、産業機器市場向けの販売が減少しました。

その他受動部品は、高周波部品及び圧電材料部品・回路保護部品で構成されており、売上高は、97,403百万円(同104,811百万円、同比7.1%減)となりました。主に産業機器市場向けの販売が減少しました。

センサ応用製品セグメントは、温度・圧力センサ、磁気センサ、MEMSセンサで構成され、売上高は、135,302百万円(前年同四半期連結累計期間130,566百万円、前年同四半期連結累計期間比3.6%増)となりました。自動車市場向けの販売が増加しました。

磁気応用製品セグメントは、HDD用ヘッド、HDD用サスペンション、マグネットで構成され、売上高は、132,354百万円(前年同四半期連結累計期間157,287百万円、前年同四半期連結累計期間比15.9%減)となりました。HDD用ヘッド及びHDD用サスペンションは、ICT市場向けの販売が減少しました。マグネットは、主に産業機器市場向けの販売が減少しました。

エナジー応用製品セグメントは、エナジーデバイス(二次電池)、電源で構成され、売上高は、883,468百万円(前年同四半期連結累計期間933,845百万円、前年同四半期連結累計期間比5.4%減)となりました。エナジーデバイスは、主にICT市場及び産業機器市場向けの販売が減少しました。

4つの報告セグメントに属さないその他は、メカトロニクス(製造設備)、スマートフォン向けカメラモジュール用マイクロアクチュエータ等で構成され、売上高は、40,700百万円(前年同四半期連結累計期間46,077百万円、前年同四半期連結累計期間比11.7%減)となりました。メカトロニクスは、産業機器市場向けの販売が減少しました。スマートフォン向けカメラモジュール用マイクロアクチュエータは、ICT市場向けの販売が増加しました。

2023年12月31日現在の財政状態の状況は、次のとおりであります。

2023年12月31日現在の資産合計は、前連結会計年度末比167,397百万円増加し、3,147,027百万円から3,314,424百万円となりました。現金及び現金同等物は120,270百万円増加しました。

また、棚卸資産が38,073百万円減少した一方、有形固定資産が23,247百万円、営業債権が22,041百万円、その他の金融資産(非流動)が21,141百万円それぞれ増加しました。

負債は、前連結会計年度末と比較して12,792百万円増加しました。社債及び借入金が26,278百万円減少した一方、営業債務が19,340百万円、繰延税金負債が13,756百万円、未払法人所得税が9,942百万円それぞれ増加しました。

資本のうち親会社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度末と比較して151,184百万円増加しました。利益剰余金が77,259百万円増加しました。また、主に在外営業活動体の換算差額が増加した結果、その他の資本の構成要素が73,810百万円増加しました。

(2) キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって得たキャッシュ・フローは、333,340百万円となり、前年同四半期連結累計期間比149,114百万円増加しました。これは主に、運転資本の減少によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動に使用したキャッシュ・フローは、147,812百万円となり、前年同四半期連結累計期間比29,666百万円減少しました。これは主に、固定資産の取得の減少によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動に使用したキャッシュ・フローは、89,974百万円となり、前年同四半期連結累計期間の財務活動によって得たキャッシュ・フローとの差は110,766百万円となりました。これは主に、短期借入金の増減(純額)の変動によるものです。

これらに為替変動の影響を加味した結果、2023年12月31日現在における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して120,270百万円増加し626,455百万円となりました。

(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当第3四半期連結累計期間における、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「要約四半期連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (3)重要な会計上の見積り及び判断」をご参照ください。

(4) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

(6) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における研究開発費は138,577百万円(売上高比8.6%)であります。なお、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。