売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01896 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態および経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における当社グループを取り巻く事業環境につきましては、新型コロナウイルス(COVID-19)が5月に感染症法上の分類において5類に移行され、経済活動の正常化で設備投資の持ち直しの動きや生産の持ち直しの兆し、材料調達や原材料価格の一部で改善が見られたものの、原材料価格が依然高い水準であることに加え、ウクライナ情勢の長期化や物価の上昇、円安、世界的な金融引き締め、中国経済の先行き懸念、中東地域の情勢など景気の先行きが不透明な状況で推移しました。

このような状況のなか、当社グループは当連結会計年度が初年度となる中期事業計画「R2」の目標の達成に向けて、柱に掲げた「主力ビジネスの利益ある成長の加速」、「新規ビジネスの始動と開拓に向けた取り組み」を推し進めており、技術VEによるコスト削減、徹底的な経費削減など原材料価格の高騰に対するレジリエンスの強化と新規ビジネスの獲得、深耕開拓に取り組みました。

電子事業では「Bluetooth® Low Energyモジュール」を製品化、ニッケル水素電池では累計生産50億個の達成やふるさと納税返礼品への追加登録、音響機材の電源として使用するコンサートへの継続協賛、アルカリ乾電池ではミニ四駆ジャパンカップへの継続協賛など販売促進に努めました。

また、ニッケル水素電池の主要原材料である水素吸蔵合金の安定確保や今後の水素社会に対応し水素貯蔵分野で世界に誇れるグループに成長していくため、電池材料、希土合金の生産を行なう包頭三徳電池材料有限公司の出資持分取得を決定しました。

さらに、新規ビジネスはニッケル亜鉛電池で実用化に向けた取り組みに努めました。

当第3四半期連結累計期間の経営成績につきましては、電池事業の売上高はリチウム電池が国内外のセキュリティ・スマートメータ用途向けで増加やニッケル水素電池が海外の市販・車載用途向けで増加、さらに設備関連ビジネスが増加したことから、事業全体として増収となりました。電子事業の売上高はスイッチング電源が増加しましたが、モビリティ・タブレット用途向け各種モジュールが減少したことや前第3四半期連結累計期間に実施したコイルデバイスの事業譲渡などによる売上減により、事業全体として減収となりました。この結果、売上高は前第3四半期連結累計期間に比べ9億14百万円(△2.0%)減の458億99百万円となりました。

損益面につきましては、電池事業はニッケル水素電池の販売機種の変動による利益減や原材料価格高騰の影響、電子事業も売上減による影響が大きく、これらの影響を経費削減や販売価格の見直しで補いきれず両事業ともに減益となりました。この結果、営業利益は前第3四半期連結累計期間に比べ7億14百万円減少の1億5百万円となりました。経常利益は87百万円の為替差益を営業外収益として計上したものの、前第3四半期連結累計期間に比べ6億61百万円減少の2億34百万円となり、親会社株主に帰属する四半期純損失は減損損失の計上や法人税等の計上により、52百万円(前第3四半期連結累計期間は5億3百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。

(注)Bluetooth®ワードマークは、Bluetooth SIG, Inc.が所有する商標です。

ミニ四駆は株式会社タミヤの登録商標です。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

 

 

電池事業

電池事業はリチウム電池やニッケル水素電池、設備関連ビジネスなどすべてが増加したことにより、前第3四半期連結累計期間を上回りました。

製品別につきましては、リチウム電池は、国内外のセキュリティ・スマートメータ用途向けが堅調に推移したことや円安効果も加わったことにより、前第3四半期連結累計期間を上回りました。ニッケル水素電池は、海外の市販・車載用途向けが増加したことや円安効果も加わったことにより、前第3四半期連結累計期間を上回りました。設備関連ビジネスは、自動車関連設備が増加したことにより、前第3四半期連結累計期間を上回りました。アルカリ乾電池は、前第3四半期連結累計期間を上回りました。

この結果、当事業全体の売上高は、前第3四半期連結累計期間に比べ37億99百万円増加の348億3百万円、セグメント損失は49百万円(前第3四半期連結累計期間は40百万円のセグメント利益)となりました。

 

電子事業

電子事業はスイッチング電源が増加しましたが、各種モジュールが減少したことや前期に実施したコイルデバイスの事業譲渡などにより、前第3四半期連結累計期間を下回りました。

製品別につきましては、各種モジュールは、モビリティ・タブレット用途向けが減少したことにより、前第3四半期連結累計期間を下回りました。スイッチング電源は、半導体装置用途向けが堅調に推移したことにより、前第3四半期連結累計期間を上回りました。

この結果、当事業全体の売上高は、前第3四半期連結累計期間に比べ47億13百万円減少の110億96百万円、セグメント利益は6億24百万円減少の1億55百万円となりました。

 

当第3四半期連結会計期間の総資産は、前連結会計年度に比べ27億4百万円(5.7%)増の498億34百万円となりました。流動資産は前連結会計年度に比べ26億52百万円(8.3%)増の344億75百万円、固定資産は前連結会計年度に比べ51百万円(0.3%)増の153億59百万円となりました。流動資産増加の主な要因は、未収入金などのその他流動資産が減少した一方、受取手形及び売掛金や商品及び製品、原材料及び貯蔵品などの棚卸資産が増加したことによるものです。固定資産増加の主な要因は、有形固定資産が44百万円増加したことによるものです。

当第3四半期連結会計期間の負債合計は、前連結会計年度に比べ19億64百万円(5.8%)増の358億98百万円となりました。流動負債は前連結会計年度に比べ23億28百万円(7.5%)増の332億56百万円、固定負債は前連結会計年度に比べ3億63百万円(△12.1%)減の26億41百万円となりました。流動負債増加の主な要因は、未払賞与などのその他流動負債が減少した一方、有形固定資産の取得による支出などにより、短期借入金が増加したことによるものです。固定負債減少の主な要因は、退職給付債務に係る負債が2億84百万円減少したことによるものです。

なお、有利子負債残高は、主に借入金の増加により前連結会計年度に比べ25億28百万円増の147億52百万円となりました。

当第3四半期連結会計期間の純資産合計は、前連結会計年度に比べ7億39百万円(5.6%)増の139億36百万円となりました。純資産増加の主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上により利益剰余金が52百万円減少する一方、為替換算調整勘定が4億80百万円、退職給付に係る調整累計額が2億97百万円、それぞれ増加したことによるものです。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益や減価償却費の計上、未収入金の減少などによる現金及び現金同等物(以下「資金」という)の増加はありましたが、売上債権の増加や未払費用の減少、棚卸資産の増加などにより、1億25百万円の資金減少(前第3四半期連結累計期間は24億23百万円の資金増加)となりました。

当第3四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより17億71百万円の資金減少(前第3四半期連結累計期間は18億37百万円の資金減少)となりました。

当第3四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加や未払費用の減少、棚卸資産の増加、有形固定資産の取得などによるフリー・キャッシュ・フローのマイナス等を補填したことによる短期借入金の増加などにより24億74百万円の資金増加(前第3四半期連結累計期間は3億80百万円の資金減少)となりました。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間末の資金残高は期首残高より7億10百万円増加し、32億81百万円となりました。

 

(3) 経営方針・経営戦略等および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等に重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上および財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は5億31百万円であります。