E01960 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当第3四半期連結累計期間における世界の経済情勢は、各国におけるインフレは鈍化しつつあるものの、未だ高い水準であることや、金融引き締め政策の継続などにより不安定な状態が続きました。米国では、連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締め政策の動向が注視されますが、個人消費の回復や底堅い雇用情勢を背景に堅調に推移しました。一方、欧州では、設備投資や住宅投資の下押しや長期化するウクライナ情勢を背景に低調に推移しました。中国も、不動産市場の不況や個人消費の低迷などにより低調に推移しました。国内経済においては、世界経済の停滞や円安による輸入価格の上昇などの影響は懸念されますが、企業の業績回復を背景に景気は回復基調にあります。当社の属する電子部品業界は、半導体不足の緩和による自動車生産の回復など、業況の改善が見られる分野では好調ですが、家電製品など最終需要の低迷など回復が遅れている分野では伸び悩むなど予断を許さない状況です。
このような状況の中、当社グループは2023年に創立70周年を迎え、中期経営計画(Sense the Dynamics 2023-2025)の達成に向けて取組んでおります。製造面においては、AIやロボットを導入した製造設備の研究・開発や継続的な改善活動など品質・生産性向上への取組みを進めております。原材料調達については、グローバル調達を推進し、リードタイムの短縮や材料調達コスト削減など、コストを抑え安定的に供給出来る体制づくりを進めております。また、産学連携による素材形成や物性研究などの研究案件、お客様やサプライヤーと協力した製品開発案件などの研究開発活動にも積極的に取組んでおります。
販売面においては、EV/HVへの販売拡大を中心とし、加えて環境規制やエネルギー効率化に関わる分野へ積極的に営業活動を展開しております。事業分野毎には、ホームアプライアンスではジャー炊飯器、IH調理器などの調理用家電向けセンサ、及びガス給湯器などの住宅設備向けセンサの販売が減少しました。オートモーティブでは引き続き、電動化推進などにより、EV/HV用モーター向けセンサの販売が増加しました。インダストリアルでは産業ロボット向けセンサの販売が減少しました。
当期間においては、2022年3月期第2四半期において香港芝浦電子で発生した送金詐欺による被害額2億7千6百万円のうち一部の1億6千7百万円を回収し、特別利益として計上しました。また、当社グループの正社員、契約社員を対象に譲渡制限付株式インセンティブとして自己株式を処分し、割り当ていたしました。社員の資産形成及びモチベーションの向上並びに経営参画意識向上に繋げてまいります。その他引き続き、働き方の多様化への対応や人財育成、ダイバーシティ推進、社員の健康増進支援、ガバナンス強化、二酸化炭素排出量削減などのESG課題にも積極的に取組んでおります。
その結果、当第3四半期連結累計期間の業績は以下のとおりとなりました。
(単位:百万円)
各事業分野の売上高は、以下の通りであります。
(注)第1四半期連結累計期間より、「インダストリアル」及び「その他」を構成していた売上高の区分見直しを行っており、前第3四半期連結累計期間の売上高及び売上高構成比は、当第3四半期の区分に基づき表示しております。なお、影響額はその他が317百万円減少、ホームアプライアンスが259百万円増加、オートモーティブが25百万円増加、インダストリアルが32百万円増加しております。
前第3四半期連結累計期間売上高構成比はその他が1.3%減少、ホームアプライアンスが1.0%増加、オートモーティブが0.1%増加、インダストリアルが0.1%増加しております。
(2) 財政状態
当社グループは、適切な流動性の維持、事業活動に必要な資金の確保及び健全なバランスシートの維持を財務方針としております。
当第3四半期連結会計期間の連結財政状態は以下の通りとなりました。
(単位:百万円)
(資産)
当第3四半期連結会計期間の流動資産は、前連結会計年度比13億3千1百万円増加しました。現金及び預金が10億8千3百万円、原材料及び貯蔵品が3億5千8百万円、電子記録債権が2億7千9百万円増加した一方、流動資産その他の中の未収消費税が2億8千2百万円減少しました。
固定資産は前連結会計年度比で7億2千5百万円増加しました。国内外各社への生産性向上のための設備投資などにより有形固定資産が4億6千2百万円、創立70周年を記念して当社グループ社員向けに譲渡制限付株式を付与したことにより、投資その他の資産のその他の中の長期前払費用が1億6千5百万円増加しました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間の負債は、前連結会計年度比4億9百万円減少しました。買掛金が9億4千5百万円増加した一方、未払法人税等が5億6千5百万円、短期借入金が3億3千万円、長期借入金が4億5千万円減少しました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間の純資産は、前連結会計年度比24億6千5百万円増加しました。利益剰余金が13億5千3百万円、為替換算調整勘定が7億9千3百万円増加した一方、グループ社員向けの譲渡制限付株式を自己株式から割り当てたことで、自己株式が1億9千5百万円減少しました。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の77.5%から79.6%となりました。期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の4,182円72銭から4,481円60銭となりました。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は274百万円であります。