売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01959 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

①経営成績

 当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、景気は緩やかに回復しましたが、継続的な物価上昇や世界経済の下振れリスクなど、先行き不透明な状況が続いております。世界経済においても、ウクライナ情勢の長期化などの地政学リスクや中国経済の先行き懸念など、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 このような環境のもと、当社グループ主力の車載分野においては、半導体不足やサプライチェーンの混乱による影響は落ち着き、受注は緩やかに回復しました。

 当社グループは、注力分野のパワートレイン・走行安全系向けの販売が牽引し、当第3四半期連結累計期間における連結売上高は669億70百万円(前年同四半期比7.1%の増収)となりました。

 利益面につきましては、受注が緩やかに回復し、生産工場の稼働も改善しつつあるものの、第2四半期連結累計期間までの稼働率が低調に推移したことなどの影響により、当第3四半期連結累計期間の営業利益は21億23百万円(前年同四半期比0.6%の減益)となりました。経常利益は、円が対米ドル及びタイバーツで通貨安に推移したことにより、為替差益11億54百万円を計上したため、34億2百万円(前年同四半期比24.3%の増益)となり、また、生産効率化のための構造改革による事業構造再編費用2億16百万円を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する四半期純利益は20億6百万円(前年同四半期比0.6%の減益)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(日本)

 国内の自動車販売台数が増加した影響などにより、車載向けの販売が増加し、売上高は417億3百万円(前年同四半期比18.0%の増収)となりました。

 利益面では、売上高の増加に加え、生産工場の稼働が回復したことなどの影響により、セグメント利益は8億62百万円(前年同四半期比10.9%の増益)となりました。

(中国)

 中国における日系自動車メーカーの需要低迷の影響を受けたことなどにより、車載向けの販売が減少し、売上高は131億40百万円(前年同四半期比5.2%の減収)となりました。

 利益面では、人民元が対米ドルで通貨安に推移したことに加え、生産効率の改善等の影響により、セグメント利益は15億11百万円(前年同四半期比36.1%の増益)となりました。

(東南アジア)

 タイの自動車販売台数が減少した影響を受けて、車載向けの販売が減少したことにより、売上高は88億13百万円(前年同四半期比14.4%の減収)となりました。

 利益面では、生産工場の稼働は回復しているものの、第2四半期連結累計期間までの稼働率が低調に推移したことなどの影響により、セグメント利益は2億2百万円(前年同四半期比81.7%の減益)となりました。

(欧米)

 欧州、米国共に、自動車販売台数が増加した影響を受けて、車載向けの販売が増加し、売上高は33億13百万円(前年同四半期比8.8%の増収)となり、セグメント利益は2億44百万円(前年同四半期比78.2%の増益)となりました。

 

②財政状態

 流動資産は、前連結会計年度末に比べて9.4%増加し、674億59百万円となりました。これは、主に生産高の増加により受取手形及び売掛金が20億71百万円、また、保険積立金の解約による収入や借入等により現金及び預金が19億44百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べて13.8%増加し、601億52百万円となりました。これは、主にタイの生産工場への設備投資により有形固定資産が80億16百万円増加したことなどによるものであります。

 この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて11.4%増加し、1,276億55百万円となりました。

 流動負債は、前連結会計年度末に比べて2.5%増加し、275億96百万円となりました。これは、主に運転資金及び設備投資資金としての1年内返済予定の長期借入金が返済などにより65億75百万円減少し、運転資金調達のための借入により短期借入金が40億円、また、生産高の増加により支払手形及び買掛金が23億69百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。

 固定負債は、前連結会計年度末に比べて24.9%増加し、360億31百万円となりました。これは、主にタイの生産工場への設備投資のための借入により長期借入金が70億29百万円増加したことなどによるものであります。

 この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて14.0%増加し、636億28百万円となりました。

 純資産合計は、前連結会計年度末に比べて8.9%増加し、640億26百万円となりました。これは、主に為替換算調整勘定が32億75百万円増加したことなどによるものであります。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(3) 研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は5億50百万円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(4) 主要な設備

 前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第3四半期連結累計期間の状況は、次のとおりであります。

  新設

会社名

事業所名

所在地

セグメントの名称

設備の内容

投資予定金額

資金調達方法

着手及び完了予定年月

完成後の

増加能力

総額

(百万円)

既支払額

(百万円)

着手

完了

CMK

CORPORATION

(THAILAND)

Co.,LTD.

PRACHINBURI

THAILAND

東南アジア

プリント配線板製造設備

25,000

8,103

自己資金及び借入金

2022.10

2024.8

(注)

(注)完成後の増加能力については、成長サイクルの確立に加え、車載製品のポートフォリオの高付加価値シフトを図ることにより、ビルドアップ配線板の生産能力が約2倍に増加すると見込んでおります。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの資金調達は、短期運転資金については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの短期借入を基本としております。長期的な資金については、設備投資計画や既存借入金の償還時期等を総合的に勘案し、金融機関からの長期借入及び社債によって流動性を維持しております。また、設備投資の一部はリース取引によっております。

 当第3四半期連結会計期間末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、前連結会計年度末に比べて41億66百万円増加し、422億18百万円となりました。これは主に運転資金調達により短期借入金が40億円、タイの生産工場への設備投資のための借入により長期借入金が70億29百万円それぞれ増加し、運転資金及び設備投資資金としての1年内返済予定の長期借入金が返済により65億75百万円減少したことなどによるものであります。また、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べて19億44百万円増加し、255億40百万円となりました。

 なお、当社グループは、流動性を確保するために取引金融機関と総額50億円のコミットメントライン契約を締結しております。当第3四半期連結会計期間末の借入未実行残高は50億円となっており、資金の流動性は十分に確保されております。

 

当第3四半期連結会計期間末の有利子負債の内訳は次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

合計

返済・償還

1年以内

返済・償還

1年超

短期借入金

4,000

4,000

長期借入金

32,254

3,752

28,501

社債

5,787

42

5,744

リース債務

177

68

108

合計

42,218

7,864

34,354