売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02147 IFRS


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日2023年12月31日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響縮小や海外からの入国制限の緩和によって個人消費に持ち直しの動きがみられる等、景気は穏やかな回復基調となりました。一方、地政学リスクの高まりによる不安定な世界情勢やエネルギー資源の高騰、インフレ加速に対する各国の金融引締め政策といった景気減速のリスクは依然として残されており、日本国内においても円安基調による物価高の長期化や人手不足による経済減速懸念等、不確実性が高まる中で先行きの見通しづらい経営環境が続いています。

当社グループの事業に関する市場におきましては、自動車関連で需要の持ち直しがみられたものの、建設機械関連では中国市場を中心に低調に推移したことや二輪需要の変動、米国や中米・欧州での生産性の悪化等により、当第3四半期連結累計期間は前年に比べ厳しい経営環境となりました。

このような環境の下、当社グループの売上高は3,287億円と、前第3四半期連結累計期間に比べ119億円の増収となりましたが、営業利益につきましては154億円前年同期営業利益204億円)、親会社の所有者に帰属する四半期利益につきましては110億円前年同期親会社の所有者に帰属する四半期利益150億円)となりました。

 

(建築物用免震・制振用オイルダンパーの検査工程等における不適切行為の影響について)

2019年3月期において、当社及び当社の子会社であったカヤバシステムマシナリー株式会社(当該子会社は2021年7月1日をもって当社を存続会社とした吸収合併により解散しております)にて、製造・販売してきた免震・制振用オイルダンパーの一部について、性能検査記録データの書き換え行為により、大臣認定の性能評価基準(※)に適合していない、または、お客様の基準値を外れた製品(以下、「不適合品」といいます。)を建築物に取り付けていた事実が判明いたしました。

(※)制振用オイルダンパーについては、大臣認定制度はありません。

当第3四半期連結会計期間においては、2023年12月31日時点で交換が未完了の不適合品及び性能不明品(性能検査記録のデータ書き換え有無が確認できないもの)の全数(免震用オイルダンパー55本、制振用オイルダンパー355本の合計410本)を対象として、交換用免震・制振用オイルダンパーの交換工事に要する費用及び営業補償等を製品保証引当金に計上しており、当該製品保証引当金の当第3四半期連結会計期間の残高は、29億円であります。

 

当第3四半期連結累計期間におけるセグメント別の業績は以下のとおりです。

なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更し、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。詳細は、「第4 経理の状況 1要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載のとおりであります。

 

また、以下の説明におけるセグメント別の売上高は、外部顧客に対するものであり、セグメント別のセグメント損益はセグメント間取引消去前のものであります。

 

① AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業セグメント

当セグメントは、四輪車用油圧緩衝器、二輪車用油圧緩衝器、四輪車用油圧機器とその他製品から構成されております。

当セグメントの売上高は2,164億円前第3四半期連結累計期間に比べ5.8%の増収となり、セグメント利益は91億円前第3四半期連結累計期間に比べ29億円の減益となりました。

 

 

② HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業セグメント

当セグメントは、産業用油圧機器、システム製品とその他製品から構成されております。

当セグメントの売上高は1,013億円前第3四半期連結累計期間に比べ1.3%の減収となり、セグメント利益は40億円前第3四半期連結累計期間に比べ17億円の減益となりました。

③ 航空機器事業

当セグメントは、航空機器用離着陸装置、同操舵装置等から構成されております。

当セグメントの売上高は31億円前第3四半期連結累計期間に比べ6.8%の減収となり、セグメント損失は14億円前第3四半期連結累計期間に比べ3億円の減益となりました。

④ 特装車両事業及びその他

当セグメントは、特装車両等から構成されております。

当セグメントの売上高は79億円前第3四半期連結累計期間に比べ25.7%の増収となり、セグメント利益は5億円前第3四半期連結累計期間に比べ2億円の増益となりました。

 

財政状態につきましては、総資産が4,552億円前連結会計年度末に比べ84億円の増加となりました。流動資産は、現金及び現金同等物の増加等により、20億円増加2,540億円となりました。非流動資産は、有形固定資産やその他の金融資産の増加等により、64億円増加2,013億円となりました。

負債は、社債及び借入金は増加したものの、未払法人所得税やその他の金融負債等の減少により、4億円減少2,554億円となりました。

資本は、親会社の所有者に帰属する四半期利益による利益剰余金の増加等により、89億円増加1,999億円となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は506億円となり、前連結会計年度末に比べ70億円の増加となりました。

当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は288億円(前第3四半期連結累計期間比150億円の収入増加)となりました。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は84億円(前第3四半期連結累計期間比11億円の支出減少)となりました。主な流出は、有形固定資産の取得による支出102億円です。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は137億円(前第3四半期連結累計期間は117億円の支出)となりました。主な流出は、配当金の支払額による68億円です。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当第3四半期連結累計期間において、重要な変更及び新たに定めた基本方針はありません。

 

(5)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、5,806百万円であります。報告セグメントごとの内訳は、AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業で4,239百万円、HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業で1,462百万円、航空機器事業で36百万円となります。

なお、当第3四半期連結累計期間において記載すべき重要な事項はありません。