E02905 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間の世界経済は、経済活動の正常化が緩やかな景気回復を下支えしましたが、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の緊迫化、資源価格やエネルギー価格の高騰とインフレの高止まり、中国経済の減速等、先行き不透明な情勢が続きました。
当社グループの事業分野であります自動車業界におきましては、中国ではNEV(新エネルギー車)市場の急速な拡大が進み、地場メーカーがシェアを拡大し、日系自動車メーカーの生産台数は減少しました。一方、中国を除く海外及び日本では半導体不足の緩和により生産調整は徐々に解消し、日系自動車メーカーのグローバル生産台数は前年を上回る実績となりました。
このような環境下、当社グループは「中期経営計画~Mission 2025~」の2年目として、グループの4つの機能である開発機能、製造機能、調達機能、グローバル機能の一層の強化による「経済的価値の追求」と、環境・社会・ガバナンスの重要課題における「社会的価値の創造」に資する具体的施策を掲げ、活動を推進しております。
当第3四半期連結累計期間の連結売上高は、中国市場の低迷と一部商用車メーカーの減産継続の影響があったものの、主要得意先自動車メーカーの生産回復、及び新規受注品の売上寄与や円安に伴う為替換算のプラス影響もあり、28,998百万円(前年同期比12.8%増)となりました。一方、連結営業利益については、仕入価格・原材料価格やエネルギー価格の高騰と、米国における人材関連費用の増加、中国における売上減少の影響が大きく、1,148百万円(前年同期比25.9%減)となりました。また、経常利益は1,408百万円(前年同期比23.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、第1四半期連結会計期間に海外子会社における資金流出事案による特別損失を計上したことから、585百万円(前年同期比55.3%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(セグメント売上高は、外部顧客に対するものであり、セグメント利益は、四半期連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。)
〔日本〕
一部商用車メーカーの減産継続の影響があったものの、主要得意先自動車メーカーの生産回復、及び新規受注品の売上寄与により、売上高は14,516百万円(前年同期比12.2%増)となりました。セグメント利益は、売上の増加と新規受注により582百万円(前年同期比22.7%増)となりました。
〔米州〕
主要得意先自動車メーカーの大幅な生産回復と新規受注品の売上寄与や円安に伴う為替換算のプラス影響により、売上高は8,638百万円(前年同期比46.7%増)となりました。セグメント利益は、売上の増加はありましたが、仕入価格・原材料価格やエネルギー価格の高騰と人材関連費用の増加等により、272百万円(前年同期比17.3%増)となりました。
〔中国〕
自動車販売台数に占める地場メーカーのNEV(新エネルギー車(BEV車、PHEV車))の比率が急速に高まり、ガソリン車、HEV車が主力の日系自動車メーカーの生産、販売が低迷し、売上高は2,562百万円(前年同期比31.3%減)となりました。セグメント損失は、売上減少の影響が大きく、57百万円(前年同期はセグメント利益383百万円)となりました。
〔アセアン〕
新規受注品の売上寄与や円安に伴う為替換算のプラス影響により、売上高は2,268百万円(前年同期比2.6%増)となりました。セグメント利益は、製造原価の上昇により、266百万円(前年同期比23.5%減)となりました。
〔欧州〕
主要得意先自動車メーカーの生産回復と新規受注品の売上寄与や円安に伴う為替換算のプラス影響により、売上高は1,014百万円(前年同期比7.5%増)となりました。セグメント利益は、仕入原価の上昇により18百万円(前年同期比87.7%減)となりました。
〔台湾〕
台湾大橋精密股份有限公司は、グループ間取引のみのため、外部顧客への売上高はありません。
グループ会社向けの輸出は増加しましたが、セグメント利益は、輸出条件の見直し等により、23百万円(前年同期比5.8%減)となりました。
当第3四半期連結会計期間末における資産の残高は、前連結会計年度末比3,638百万円増加し、47,287百万円となりました。これは主として、現金及び預金、受取手形、売掛金及び契約資産、有形固定資産、投資有価証券が増加したことによるものであります。
負債の残高は、前連結会計年度末比1,826百万円増加し、9,911百万円となりました。これは主として、支払手形及び買掛金、電子記録債務が増加したことによるものであります。
純資産の残高は、前連結会計年度末比1,811百万円増加し、37,376百万円となりました。これは主として、配当金の支払、自己株式の減少、為替換算調整勘定の増加、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上によるものであります。なお、自己株式は、取得により164百万円増加しましたが、既存保有分の消却により268百万円減少し、183百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書の「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はありません。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(5) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について、重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、47百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間において、米州における生産の実績と、欧州における仕入の実績が著しく増加しております。
米州におきましては、主要得意先自動車メーカーの大幅な生産回復と新規受注品の増加により、生産実績は1,642百万円(前年同期比81.0%増)となりました。
欧州におきましては、主要得意先の新規品立ち上げに備えた、台湾のグループ会社からの仕入増加により、仕入実績は800百万円(前年同期比57.5%増)となりました。
① 当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画は次のとおりであります。
(注)完了予定年月を2024年1月から2024年6月に変更しております。
② 前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設について、当第3四半期連結累計期間に著しい変更があったものは、次のとおりであります。
(注)1.完了予定年月を2023年7月から2024年2月に変更しております。
2.完了予定年月を2023年8月から2024年5月に変更しております。
(9) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの主要な資金需要は、販売のための商品仕入、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備、改修等に係る投資であります。
当社グループの持続的な成長・企業価値の向上を図るためには、グローバル事業体制の拡充、強みのある製造基盤の構築を実現するための資本投下、製造設備の強化、M&Aを含めた投資等の検討が不可欠と考えております。
中長期的な経営戦略に沿った開発・製造機能の強化、特にグループ製造拠点の生産能力拡大のための設備投資と主要調達先との戦略的資本提携に資金の投入を行う方針です。また、安定的な還元と積極的な資本政策についても引続き取り組んでまいります。
これらの資金需要につきましては、自己資金を中心に対応していくこととしております。