売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04182 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間のわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症が「5類」に移行し、行動制限が緩和されたことを背景に、インバウンド需要は大幅に回復し、10月には訪日外客数が 2019年同月の水準を上回りました。自動車の生産を抑制してきた半導体不足も解消し、自動車販売台数は増加基調を維持している等、景気は緩やかな回復基調となりました。一方、依然として物価上昇圧力は高く、消費者マインドの冷え込みが懸念されるほか、幅広い業種で人手不足が深刻化しつつあり、供給制約の問題も不安材料である等、先行き不透明な状況が続いています。

物流業界においては、物価上昇により国内の個人消費は低迷し、消費関連貨物は対前年マイナスの荷動きとなっています。また、生産関連貨物も半導体不足による生産制約が解消に進む自動車関連の輸送が伸びたものの、原材料・燃料の価格高騰等を受け、鉱工業生産が低調に推移する等対前年では若干のマイナスの荷動きとなっています。更に、住宅投資の減少等により建設関連貨物も大幅に減少したことから、国内の貨物総輸送数量は、前年を下回る状況で推移しています。

このような経営環境の中、当社グループは、長期的な企業価値の向上を目指した「2030丸運グループ長期ビジョン」の実現に向けて、2023年度を初年度とする第4次中期経営計画を策定し、適正運賃・料金の収受及び素材一貫物流の拡大に取り組んでいます。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の営業収益は、半導体の需要低迷に伴う素材産業の輸送量減少や貿易量の減少により、前年同期比3.0%減の338億50百万円となりました。

経常利益は、新規一貫物流業務の受注や運賃改定による増益及び基幹システムの導入費用が減少したことから、前年同期比1億28百万円増の4億65百万円となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比11百万円増の2億52百万円となりました。

 

セグメント別の業績概況は次のとおりです。

 

《貨物輸送》

当部門においては、自動車向けアルミ材輸送量は回復傾向にあり、また、機工業務における一貫物流業務の受注、料金改定の進展や流通拠点における冷蔵貨物の取扱増及び基幹システム導入費用等の減少による増益要因はあったものの、空調機器在庫調整に伴う部材減産及び情報機器の減産に伴う高機能半導体の輸出減により、引続き素材物流は全般的に低調に推移したことに加え、一部物流拠点のリフォーム工事費用増により減収減益となりました。

これらの結果、営業収益は前年同期比3.3%減の170億52百万円、経常利益は前年同期比9百万円減の85百万円となりました。

 

《エネルギー輸送》

石油部門においては、石油製品の内需減の影響等により、輸送数量が前年同期比2.2%減少となりました。潤滑油・化成品部門は、自動車生産は回復基調にあるものの、前期からの素材等の滞留在庫の影響があり、主要顧客の輸送数量が前年同期比1.2%減少となりました。

しかしながら、運賃改定の影響により営業収益は増加し、また車両投資が一巡した影響で減価償却費が減少となりました。

これらの結果、営業収益は前年同期比2.8%増の114億92百万円、経常利益は前年同期比2億1百万円増の1億87百万円となりました。

 

《海外物流》

当部門においては、中国から日本向け大型設備輸送業務の受注及びベトナムにおけるレジャー用品の取扱数量増はあったものの、情報機器における半導体需要の低迷及び中国の日系自動車メーカーにおける販売不振により貿易量が大きく減少し、減収減益となりました。

これらの結果、営業収益は前年同期比16.4%減の39億51百万円、経常損益は前年同期比87百万円減の24百万円の損失となりました。

 

《テクノサポート》

当部門においては、油槽所関連では業務委託料の改定により増益となったものの、製油所関連では主に産廃搬出業務及び緑化業務の取扱量減少により減収、前年度に発生した関係会社での退職金制度変更に伴う引当金の戻しがなかったこと、並びに人員補充に伴う費用の増等により、全体としては減益となりました。

これらの結果、営業収益は前年同期並みの13億32百万円、経常利益は前年同期比32百万円減の36百万円となりました。

 

(2)財政状態の状況

《資産》

当第3四半期連結会計期間末における総資産は371億69百万円となり、前期末に比べ5億15百万円減少しました。この主な要因は、季節差等による受取手形の減少1億18百万円並びに償却等による有形固定資産及び無形固定資産の減少4億12百万円等によるものであります。

《負債》

当第3四半期連結会計期間末における負債は125億30百万円となり、前期末に比べ6億75百万円減少しました。この主な要因は、季節差等による営業未払金の減少2億46百万円、借入金返済に伴う借入金の減少4億34百万円及び賞与引当金の減少3億8百万円等によるものであります。

《純資産》

当第3四半期連結会計期間末における純資産は246億39百万円となり、前期末に比べ1億60百万円増加しました。この主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益を2億52百万円計上したことによる増加、配当金の支払による減少2億31百万円及びその他有価証券評価差額金の増加1億63百万円等によるものであります。この結果、自己資本比率は前期末の64.1%から65.6%となりました。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、労務費、燃油の購入費用、車両の維持保全費用、倉庫賃借料並びに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に車両購入及び倉庫建設等の設備投資によるものであります。当社グループは事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金や金融機関からの長期借入を基本としております。また、グループの資金効率化を図るため、キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入しております。

なお、当第3四半期連結会計期間末における有利子負債(借入金)の残高は20億80百万円であり、現金及び預金の残高は20億75百万円となっております。

2024年3月期の設備投資額については、21億9百万円を計画しておりますが、現在の自己資本比率は65.6%と厚みを増しており、その資金の調達にあたっては問題がないと考えております。