売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS




E00945 IFRS


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当中間連結会計期間における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は以下のとおりとなりました。

なお、第77期中間連結会計期間で暫定的な会計処理を行っておりましたDeciphera Pharmaceuticals, Inc.の企業結合について、第77期において会計処理の確定を行っており、前中間連結会計期間との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

(財政状態)

  資産合計は、前期末に比べ55億円減少の1兆585億円となりました。
  流動資産は、現金及び現金同等物、棚卸資産およびその他の流動資産が減少したことなどから347億円減少4,205億円となりました。
  非流動資産は、無形資産が増加したことなどから291億円増加6,381億円となりました。

負債は、未払法人所得税が増加した一方で、仕入債務及びその他の債務や借入金が減少したことなどから293億円減少2,465億円となりました。

親会社の所有者に帰属する持分は、剰余金の配当があった一方で、中間利益の計上などから239億円増加の8,063億円となりました。

 

(経営成績)

業績の概況<コアベース>

(単位:百万円)

 

2025年3月
中間連結会計期間

2026年3月
中間連結会計期間

対前年同期
増減額

対前年同期
増減率

売上収益

240,339

257,136

16,797

7.0%

コア営業利益

65,382

70,058

4,675

7.2%

コア中間利益
(親会社の所有者帰属)

51,012

53,821

2,809

5.5%

 

*コアベースの定義

コア財務指標はIFRS(フル)ベースの指標から、当社事業の本質的な業績と関連がない項目や単年度の発生など一過性の項目を控除して算出します。調整項目には、買収や導入により獲得した無形資産から生じる償却費、減損損失、訴訟等による賠償または和解費用、災害による損失などが含まれます。

 

[売上収益]

 売上収益は、前年同期比168億円(7.0%)増加2,571億円となりました。

・国内製品売上

抗悪性腫瘍剤「オプジーボ点滴静注」は、競争環境の激化等により、前年同期比で41億円(6.5%)減少の585億円となりました。

糖尿病、慢性心不全および慢性腎臓病治療剤「フォシーガ錠」は、慢性腎臓病および慢性心不全での使用が拡大したことにより、前年同期比51億円(11.6%)増加の488億円となりました。

その他の主要製品では、関節リウマチ治療剤「オレンシア皮下注」は138億円(前年同期比2.1%増)、2型糖尿病治療剤「グラクティブ錠」は69億円(同28.2%減)、抗悪性腫瘍剤「ベレキシブル錠」は60億円(同15.8%増)、パーキンソン病治療剤「オンジェンティス錠」は45億円(同18.6%増)、血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症治療剤「パーサビブ静注透析用」は45億円(同7.4%増)、多発性骨髄腫治療剤「カイプロリス点滴静注用」は40億円(同12.1%減)となりました。

・海外製品売上

デサイフェラ社が販売する消化管間質腫瘍治療剤「キンロック」の売上は前年同期比100億円(123.3%)増加(前年は3か月分(7月~9月)の売上)の181億円、腱滑膜巨細胞腫(TGCT)治療剤「ロンビムザ」の売上は28億円となりました。

ロイヤルティ・その他

ロイヤルティ・その他は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社などからのロイヤルティ収入が増加したことにより、前年同期比51億円(6.7%)増加の822億円となりました。

 

[コア営業利益]

コア営業利益は、前年同期比47億円(7.2%)増加701億円となりました。

・売上原価は、製品商品原価の増加などにより、前年同期比9億円(1.7%)増加548億円となりました。

・研究開発費は、LigaChem社との創薬提携に係る費用に加え、デサイフェラ社の研究開発に係る費用を前年は3か月(7月~9月)、当年は6か月(4月~9月)計上していることなどにより、前年同期比57億円(8.8%)増加710億円となりました。

・販売費及び一般管理費(研究開発費を除く)は、「フォシーガ錠」の売上拡大に伴うコ・プロモーション費用の増加に加え、デサイフェラ社の事業運営に係る費用を前年は3か月(7月~9月)、当年は6か月(4月~9月)計上していることなどにより、前年同期比56億円(10.2%)増加611億円となりました。

 

[コア中間利益](親会社の所有者帰属)

コア中間利益(親会社の所有者帰属)は、税引前中間利益の増加に伴い、前年同期比28億円(5.5%)増加538億円となりました。

 

 

業績の概況<IFRS(フル)ベース>

(単位:百万円)

 

2025年3月
中間連結会計期間

2026年3月
中間連結会計期間

対前年同期
増減額

対前年同期
増減率

売上収益

240,339

257,136

16,797

7.0%

営業利益

48,788

52,069

3,281

6.7%

税引前中間利益

47,544

52,175

4,630

9.7%

中間利益
(親会社の所有者帰属)

37,435

40,089

2,654

7.1%

 

 

[売上収益]

コアベースの売上収益から調整はありません。

 

[営業利益]

主な調整項目は以下のとおりであります。

・売上原価は、デサイフェラ社買収に係る無形資産などの償却費を前期は53億円、当期は125億円を調整しています。また、公正価値評価された棚卸資産の費用化分を前期は48億円、当期は47億円を調整しています。

・研究開発費は、前期に無形資産に係る減損損失35億円を調整しています。

・販売費及び一般管理費(研究開発費を除く)は、前期にデサイフェラ社の買収に係る費用30億円を調整しています。

以上の結果、営業利益は、前年同期比33億円(6.7%)増加521億円となりました。

 

[中間利益](親会社の所有者帰属)

親会社の所有者に帰属する中間利益は、税引前中間利益の増加に伴い、前年同期比27億円(7.1%)増加401億円となりました。

 

なお、当社グループの事業は医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

(単位:百万円)

 

2025年3月
中間連結会計期間

2026年3月
中間連結会計期間

対前年同期
増減額

現金及び現金同等物の期首残高

166,141

204,567

 

営業活動によるキャッシュ・フロー

34,723

54,564

19,841

投資活動によるキャッシュ・フロー

△160,930

△41,817

119,112

財務活動によるキャッシュ・フロー

129,687

△35,461

△165,148

現金及び現金同等物の増減額
(△は減少)

3,480

△22,714

 

現金及び現金同等物に係る
為替変動による影響額

△2,530

208

 

現金及び現金同等物の中間期末残高

167,090

182,060

 

 

 当中間連結会計期間の現金及び現金同等物の増減額は、227億円の減少となりました。
  営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務及びその他の債務の減少額230億円などがあった一方で、税引前中間利益522億円や減価償却費及び償却費186億円などがあった結果、546億円の収入となりました。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、無形資産の取得による支出461億円などがあった結果、418億円の支出となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額188億円や長期借入金の返済による支出150億円などがあった結果、355億円の支出となりました。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。

 

(4)事業上および財務上の対処すべき課題

 当中間連結会計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。

 

 

(5)研究開発活動

当社グループは、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、これまで克服されていない病気や、いまだ患者さんの治療満足度が低く、医療ニーズの高い疾患領域に挑戦し、独創的かつ画期的な医薬品の創製に向けて努力を積み重ねています。

現在、開発パイプラインには、オプジーボに加えて、抗体医薬品を含む抗がん剤の新薬候補をはじめ、自己免疫疾患や神経疾患などを対象とした新薬候補があり、開発を進めています。なかでも、がん領域は医療ニーズが高いことから、重要な戦略分野と位置づけ、デサイフェラ社のパイプラインも加えてさらなる充実を図っています。

創薬研究においては、医療ニーズの高いがんや免疫、神経、スペシャリティ領域を重点領域に定め、それぞれの領域でヒト疾患バイオロジーを掘り下げ、医療ニーズを満たし得る新薬の創製を目指しています。当社が得意とするオープンイノベーションを積極的に推進することで独創的な創薬シーズを見出し、最適なモダリティとデジタル技術などの先進テクノロジーを利用することで創薬力を強化しています。

重点領域において、現在、臨床開発段階の新薬候補が24品目あり、うち15品目を自社で創製しています。今後さらに創薬のスピードと成功確率を向上させるために、基礎と臨床の橋渡しを担うトランスレーショナル研究も強化しています。研究早期段階からヒトゲノム情報やヒトiPS細胞などの研究ツールとインフォマティクスを有機的に活用することで、標的分子の疾患との関連性を解析し、新薬候補のヒトにおける有効性をより正確に予測・評価できる生理学的指標(バイオマーカー)を見出せるよう努めています。

臨床開発のスピードと成功確率を向上させるために、より早い段階から研究本部と強固に連携して、最適で最良な開発戦略を立案するよう努めています。また、これまでに蓄積した多くの臨床試験データや実際に治験で得られた臨床サンプルを利用して様々な解析を行い、臨床試験結果の解像度を上げることに役立てています。新薬候補の価値を最大化するために、グローバル(日本、米国、欧州) における承認取得を最速で実現可能な開発計画・試験計画を立案するとともに、昨年、新たにグループに加わったデサイフェラ社の米欧における開発機能を最大限活用し、国際共同試験の着実な実施・遂行に努めてまいります。

また、ライセンス活動による有望な新薬候補の導入にも努め、研究開発活動の一層の強化に取り組んでいます。

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は71,042百万円であります。

 

当中間連結会計期間における研究開発活動の主な成果(中間連結会計期間末以後のものを含む)は、以下のとおりであります。

 

[開発品の主な進捗状況]

<がん領域>

「オプジーボ/ニボルマブ」

肝細胞がん

・本年6月、「オプジーボ」と「ヤーボイ」との併用療法について、日本で「切除不能な肝細胞がん」を効能・効果とした承認を取得しました。

・本年7月、「オプジーボ」と「ヤーボイ」との併用療法について、韓国および台湾で「切除不能又は遠隔転移を有する肝細胞がん」を効能・効果とした承認を取得しました。

MSI-H/dMMR結腸・直腸がん

・本年8月、「オプジーボ」と「ヤーボイ」との併用療法について、日本で「治癒切除不能な 進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸がん」を効能・効果とした承認を取得しました。

胃がん

・本年10月、「オプジーボ」、「ヤーボイ」および化学療法との併用療法について、日本、韓国および台湾で胃がん一次治療を対象としたフェーズⅢ試験を実施していましたが、主要評価項目である全生存期間において化学療法群に対して有意な延長が示されなかったため、開発を中止しました。

「ベレキシブル(ONO-4059)/チラブルチニブ塩酸塩」

・本年8月、BTK阻害剤「ベレキシブル(ONO-4059)」について、米国で「再発または難治性の中枢神経系原発リンパ腫」を対象としたフェーズⅢ試験を開始しました。

「DCC-2812」

・本年8月、GCN2活性化薬「DCC-2812」について、米国で「腎細胞がん、尿路上皮がん、去勢抵抗性前立腺がん」を対象としたフェーズⅠ試験を開始しました。

 

「ONO-7018」

・本年4月、MALT1阻害薬「ONO-7018」について、「非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ性白血病」を対象としたフェーズⅠ試験を実施していましたが、戦略上の理由により開発を中止しました。

「ONO-7475/tamnorzatinib」

・本年7月、Axl/Mer阻害薬「ONO-7475」について、日本で「EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん」を対象としたフェーズⅠ試験を実施していましたが、戦略上の理由により開発を中止しました。

「DCC-3116/inlexisertib」

・本年9月、ULK阻害薬「DCC-3116」について、米国で「固形がん(sotorasib併用)」を対象としたフェーズⅠ/Ⅱ相試験を実施していましたが、戦略上の理由により開発を中止しました。

「DCC-3084」

・本年9月、Pan-RAF阻害薬「DCC-3084」について、米国で「悪性腫瘍」を対象としたフェーズⅠ/Ⅱ相試験を実施していましたが、戦略上の理由により開発を中止しました。

 

<がん領域以外>

「ONO-8531/povetacicept」

・本年6月、IgA腎症の治療薬としてフェーズⅢ試験を実施中の「ONO-8531/Povetacicept」に関するライセンス契約をVertex社と締結し、日本、韓国での開発・商業化に関する権利を取得しました。

「Gel-One(ONO-5532)」

・本年8月、変形性関節症治療剤「Gel-One(ONO-5532)」の共同開発および販売提携に関するライセンス契約を生化学工業株式会社と締結しました。日本で「変形性膝関節症」「変形性股関節症」を対象としたフェーズⅢ試験を実施しています。

「ROMVIMZA(DCC-3014)/vimseltinib」

・本年9月、CSF-1受容体阻害薬「ROMVIMZA(DCC-3014)」について、欧州で「臨床的に重要な身体機能の低下を伴い、外科的治療による効果が期待できない、または外科的治療により耐え難い病状や障害が生じる可能性のある腱滑膜巨細胞腫」を効能・効果とした承認を取得しました。

「ONO-2017/セノバメート」

・本年9月、電位依存性ナトリウム電流阻害/GABAAイオンチャネル機能増強作用を有する「ONO-2017」について、日本で「てんかん部分発作(二次性全般化発作を含む)」を効能・効果とした承認申請を行いました。

 

[ライセンス活動の状況]

・本年6月、米国Vertex Pharmaceuticals社とIgA腎症、原発性膜性腎症を含む複数の重篤なB細胞介在性疾患を対象とした治療薬「Povetacicept」について、日本・韓国を対象に独占的に開発および商業化するライセンス契約を締結しました。

・本年8月、生化学工業株式会社と変形性関節症を対象とした治療剤「Gel-One」について、日本を対象に共同開発および独占的に販売するライセンス契約を締結しました。

 

(6)主要な設備

 当中間連結会計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画はありません。